Google Cloud が Block.one や他の DLT 企業にとって理想的なプラットフォームである理由
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 4 月 2 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
2020 年の末、Google Cloud はブロックチェーンの革新とパフォーマンスのための主要なオープンソース プラットフォームである EOS コミュニティに参加し、ブロック プロデューサー(BP)になることで EOS パブリック ブロックチェーンをサポートするための第一歩を踏み出しました。そのときに、Google Cloud が計画的に参加することで、ビジネス、政府、社会の将来にとってのブロックチェーンの重要性がいかに強調されるかを説明しました。本日は、Google Cloud が Block.one やその他の分散型台帳テクノロジー(DLT)企業の優れたパートナーとして独自に位置付けられている理由を簡単にご説明します。
近年では、経済のかなりの部分がオンラインへと移行し、あらゆる業界でかつてない速度でデジタル トランスフォーメーションが進んでいます。従来の企業がソフトウェア会社として生まれ変わろうとしている一方で、新しいスタートアップ企業が経済活動の中で占める割合は、2025 年までに今日の 1% から 30% まで増加するであろうと予測されています。
このようなデジタル トランスフォーメーションが定着する中で、企業では信頼性と調整に対する厳しい要件を満たす統合サービス ネットワークを構築する必要性がますます高まっています。これこそが DLT が提供できるものです。Block.one によって開発された EOSIO プロトコルと EOS パブリック ブロックチェーンの基盤は、このような DLT の例です。これはスピード、スケーラビリティ、低コストを求めるトランザクション向けに構築されたもので、そのため EOSIO はネットワーク アプリケーションを構築するための魅力的なプラットフォームとなっています。
ここで Google Cloud の出番です。Block.one や他の企業による DLT ネットワークの開発、運用を支援するには、Google Cloud が適任であることは間違いありません。ネットワークのスケーラビリティと信頼性、Confidential Computing での革新、AI / ML やデータ分析分野でのリーダーシップなど、Google Cloud には DLT アプリケーションに最適なプロダクトが数多くあります。
Confidential Computing
Confidential Computing は、使用中、つまり処理中もデータを暗号化する新しいテクノロジーです。Confidential Computing 環境では、メモリ内や CPU 外のどの場所でも、データが暗号化された状態が保持されます。転送中および保存中のデータを暗号化する Google Cloud の高度な機能に加え、Confidential Computing で使用中のデータも暗号化することで、暗号化に「第三の柱」が加わります。Confidential Computing は 9 つの Google Cloud リージョンで利用可能で、今後は Block.one のような顧客をサポートするために幅広いリージョンへと拡大していく予定です。
Confidential Computing は、第 2 世代 AMD EPYC™ CPU によってサポートされる Secure Encrypted Virtualization を利用しており、使用中のほか、インデックス登録中やクエリの実行中、トレーニング中でもデータは暗号化されてプライバシーが確保されます。Confidential VMs とそれに続く Confidential GKE Node は、Google Cloud の Confidential Computing ポートフォリオで最初に提供されるプロダクトです。Confidential VMs と Confidential GKE Node は、暗号レベルの分離を実現すると同時に、アプリのコードを変更する必要がなくパフォーマンスを犠牲にすることもない、使いやすいソリューションをお客様に提供します。
暗号化されたデータを直接計算する機能は、デジタル資産の管理と処理にはなくてはならないもので、プライベート データに対する機械学習、資産の分散型交換、不正なピアによるネットワークの結託、流出、汚染の防止など、刺激的な新たな可能性を生み出します。
AI とデータ分析
Google Cloud の主要な Cloud AI サービスと、それらを構築するスマート分析サービスにより、企業はデータからより多くの価値を引き出すことができます。このパターンを幅広く適用できることは、貿易金融向け AI や 広告企業向けの意思決定支援など、その数多くのさまざまなユースケースから明らかです。
オープン ネットワーク上の DLT データはもともと公開されているため、インデックスを作成して検索可能にすることができます。Google では、ビットコイン、イーサリアム、その他多数のパブリック DLT でこれを実証して引き続き行っており、Google のパートナーも Google の主導のもと、DLT データの ETL を BigQueryに取り込んでいます。
さらに重要なのは、Cloud AI と Confidential Computing を組み合わせることで、刺激的な新たな機会が生まれることでしょう。たとえば、DLT スマート コントラクトを高信頼実行環境内で実行することで、Cloud TPU などの機械学習アクセラレータを DLT コプロセッシングに使用できます。コンピューティング機能に加えて API の信頼性も確保でき、これによりスマート コントラクトで外部データを使用できるようになります。DLT とクラウドのハイブリッド アプリケーションの構築の可能性については以前に執筆しています。
ネットワーク パフォーマンスとセキュリティ
Google Cloud の低レイテンシのプレミアム ネットワーク ティアにより、ピアをより迅速に同期できるため、トランザクションのスループットが向上します。また、Google のネットワークは多くの ISP と直接ピアリングしているため、お客様がデジタル資産を操作する際の遅延が少なくなります。これは小売店の POS やゲームなどの実世界のユースケースでは不可欠です。
Google のシステムは、世界規模でのセキュリティと信頼性を考慮して設計されています。DLT のお客様がクラウド プラットフォームを選択する場合、その理由の大部分はインフラストラクチャです。Google のインフラストラクチャは、どれか一つのテクノロジーに依存してセキュリティを確保しているわけではありません。漸進型の多層構造で設計したセキュリティ スタックによって多層防御を実現しています。物理的な施設から専用のサーバー、ネットワーク機器、カスタム セキュリティ チップ、そして各マシンで実行される低レベルのソフトウェア スタックまで、Google のハードウェア インフラストラクチャはその全体が Google 自らによって制御、セキュリティ保護、構築、強化されています。
詳細を確認して参加する
開発者の方であれば、EOSIO Beyond Blockchain Hackathon で Google Cloud 上の EOSIO で構築されたプロジェクトについて詳しく知ることができます。参加のお申し込みは 2021 年 4 月 6 日までです。あるいは、EOSIO で構築する方法を学習して、今すぐ構築を開始しましょう。Google の EOS ブロック プロデューサーの活動に関する最新情報は、https://dlt.withgoogle.com/eosをご覧ください。
-Google Cloud デベロッパー アドボケイト Allen Day