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データ分析

BigQuery の新しいエンティティ解決フレームワークにより、お客様とパートナー様のデータを統合

2024年3月13日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2024 年 3 月 7 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

BigQuery エンティティ解決フレームワークについてのお知らせ
現在のようなデータドリブンな世界では、情報が断片化されていると、ユーザーや顧客の全体像がぼやけてしまう可能性があります。本質的に異なるレコード間の点をつなげて、統合された ID を明らかにすることは、一般的な課題となっています。手動でのデータ照合はエラーが発生しやすく、時間がかかり、スケーリングできません。

エンティティ解決が非常に大きな価値をもたらすのは、そのためです。複数のプラットフォームにまたがる顧客の購入履歴をつなぎ合わせる場合でも、重複するアカウントに隠れた不正行為を特定する場合でも、エンティティ解決によってデータの真の可能性を引き出し、最も重要な人物や物事の全体像を把握することができます。

データを移動したりコピーしたりすることなくレコードを照合する
BigQuery エンティティ解決フレームワークでは、標準 SQL クエリを使用して、選択した ID プロバイダ様と統合することができます。BigQuery をご利用のお客様は、データ転送料金を支払ったり、ETL ジョブを管理したりすることなく、その場でエンティティを解決できるようになりました。ID プロバイダ様は、照合ロジックやアイデンティティ グラフをエンドユーザーに開示しなくても、Google Cloud Marketplace 上のサービスとしてアイデンティティ グラフを提供できます。

BigQuery エンティティ解決フレームワークでは、リモート関数呼び出しを使用して、ID プロバイダの環境内のデータが照合されます。次に示すように、このプロセスではデータをコピーしたり移動したりする必要がありません。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/1_Entity_Resolution_Framework.max-1700x1700.png

 

  1. エンドユーザーが、入力データセットに対する読み取りアクセス権と出力データセットへの書き込みアクセス権を ID プロバイダのサービス アカウントに付与します。

  2. ユーザーがリモート関数を呼び出し、入力データとプロバイダのアイデンティティ グラフのデータを照合します。リモート関数とともに照合用のパラメータがプロバイダに渡されます。

  3. プロバイダのサービス アカウントが入力データセットを読み取り、処理します。

  4. プロバイダのサービス アカウントが、エンティティ解決の結果をユーザーの出力データセットに書き込みます。

エンティティ解決を使用する理由BigQuery エンティティ解決フレームワークは、次のように、さまざまな業界やユースケースにとってメリットがあります。

  • マーケティング: チャネル間で顧客プロファイルをクラスタリングすることにより、顧客セグメンテーションとターゲティングを強化できます。

  • 金融サービス: 財務記録を正確にリンクすることにより、不正取引や顧客離れを特定できます。

  • 小売: プラットフォーム間で購入記録の重複を除去することにより、顧客の行動の全体像を把握できます。

  • 医療: 異なるソースの医療記録を統合することにより、患者の治療を改善できます。

  • データ共有: 信頼性の低い環境で組織がデータを共有可能にする、BigQuery データ クリーンルームで使用するデータを準備できます。

エンティティ解決の価格BigQuery エンティティ解決フレームワークでは、ID プロバイダのサービスの使用に対して請求される料金を除き、追加のストレージ コストやコンピューティング コストは発生しません。ID プロバイダ様に対しては、エンティティ解決サービスの実装と実行に必要なストレージ コストやコンピューティング コストを除き、追加のコストは発生しません。このフレームワークはすべての BigQuery コンピューティング モデルで利用可能であり、その利用がエディションによって制限されることはありません。

BigQuery エンティティ解決フレームワークに関するパートナー様の声Google は、フレームワークの設計においてエンティティ解決プロバイダ様と緊密に連携しました。パートナー様からは、次のようなコメントが寄せられています。

BigQuery でのエンティティ解決は、データ移動を最小限に抑えながらデータの接続性を大幅に強化する、まさに革新的なサービスです。Google Cloud のユーザーは、データ ウェアハウス、データ クリーンルーム、AI にまたがる拡張可能な ID フレームワークを利用できるようになりました。マーケティング担当者は、LiveRamp Data Collaboration Platform サービス全体において、一貫性のあるエンタープライズ ID によってカスタム データ パイプラインを拡張することができます。その結果、顧客についての理解を深めて測定を強化し、豊富なマーケティング シグナルを通じてブランドを成功に導くことができます。」 - LiveRamp、プロダクト担当バイス プレジデント、Erin Boelkens

TransUnion のアイデンティティ解決では、顧客データが統合され、重複除去、検証、修正を通じてデータの健全性が強化されます。Google Cloud のエンティティ解決と TransUnion を統合することにより、データ エンジニアリング チームはセットアップ タスクと継続的な管理タスクを軽減すると同時に、一般ユーザー ID を通じた分析情報、オーディエンス構築、活性化の準備を行うことができます。」 - TransUnion、アイデンティティ ソリューション / 信用マーケティング / プラットフォーム インテグレーション担当 VPRyan Engle

次のステップに進むID プロバイダ様が Google Cloud のお客様にアイデンティティ解決サービスを提供する場合、BigQuery エンティティ解決ガイドを使って今すぐ始めることができます。さらにサポートが必要な場合は、Google Cloud アカウント マネージャーを通じて Built with BigQuery チームまでお問い合わせください。

Built with BigQuery チームは、独立系ソフトウェア ベンダー(ISV)様やデータ プロバイダ様が Google のデータクラウドを使って革新的なアプリケーションを構築できるようお手伝いいたします。参加企業には以下のメリットがあります。

  • 専任のエキスパートから、重要なユースケース、アーキテクチャ パターン、ベスト プラクティスに関するインサイトを得ることによって、プロダクトの設計とアーキテクチャの構築を加速できます。

  • 共同マーケティング プログラムを利用して、認知度の向上、需要の創出、導入の拡大を図り、より大きな成功を実現できます。

-ソフトウェア エンジニア、Samarth Shah
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プロダクト マネージャー、Zissis Konstas
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