マルチクラウド アナリティクスにより、ライフ サイエンス、アグリテックなどにおけるクエリ機能を強化
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 12 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
2020 Gartner Cloud End-User Buying Behavior の調査レポートによると、パブリック クラウド、ハイブリッド クラウド、マルチクラウドを使用している組織の 80% 近くが、複数のクラウド プロバイダを採用していると回答しています1。
マルチクラウドはほとんどの組織で採用されており、組織が競合に打ち勝つには、データの保存場所にかかわらず従業員がデータにアクセスして分析できるようにする必要があります。Google は、データのサイロ化を解消し、大規模な分析を容易に実行できる最適なマルチクラウド分析ソリューションの提供に取り組んでいます。この取り組みが最新の Gartner 2020 Magic Quadrant for Cloud Database Management Systems レポートで評価され、Google がリーダーに選出されたと考えています2。
セキュアでフルマネージドのプラットフォーム上で、Google Cloud、AWS、Azure(近日提供予定)にあるデータを横断して分析する必要がある場合には、BigQuery Omni をご検討ください。
BigQuery では、コンピューティングとストレージをネイティブに分離するため、組織は分析を柔軟に拡大して大規模に実行できます。BigQuery Omni により、この分離されたアプローチを拡張してコンピューティング リソースをデータに移行することで、使い慣れた BigQuery のインターフェース内で必要な分析情報をすべてのユーザーが簡単に得られるようになります。
今年初めに BigQuery Omni を発表して以降、大きな需要に驚かされています。お客様には、企業特有の問題の解決に BigQuery Omni を役立てていただいています。実際のユースケースのいくつかをこのブログでご紹介します。最新のマルチクラウド分析ソリューションを導入するにあたっての指針にしていただければ幸いです。3 つのユースケースを見ていきましょう。
生物医学データ分析のユースケース: 多くのライフ サイエンス企業は、顧客および社内の関係者に一貫性のある分析サービスを提供したいと考えています。生物医学データは一般的に各クラウドに分散している大規模なデータセットとして存在し、1 つの画面で包括的な分析情報を得ることは困難です。Broad Institute of MIT and Harvard は BigQuery Omni を採用したことで、複数の主要パブリック クラウドのリポジトリに保存されている生物医学データを使い慣れた BigQuery インターフェース内から分析できるようになりました。これにより、そのデータを使用してゲノム バリアントの検索と抽出が可能となりました。かつては、この種の分析を実行するには、継続的なデータ抽出と読み込みプロセスが必要で、技術的な負担が増大していました。BigQuery Omni を使用することで、Broad Institute は研究の質を向上させつつ、同時に下り(外向き)料金の削減も行うことができています。
アグリテックのユースケース: データ ラングリングは、データドリブンへの変革を進めるアグリテック組織にとって、以前から大きなボトルネックとなっています。そのような組織の一つは、データ アナリスト、サイエンティスト、エンジニアがデータ ラングリング作業に費やす時間と費用の削減を目標に掲げました。研究開発データセットは AWS に保存されており、そこには植物育種パイプラインと植物バイオテクノロジーのテスト オペレーションの主な特徴が記述されています。すべての重要なデータセットは、Google BigQuery に存在します。このお客様は BigQuery Omni を導入して、両方のクラウドに存在するデータに SQL ベースで安全にアクセスできるようにすること、データの見つけやすさを向上させて豊富な分析情報を得ることを計画しています。また、データセットがどのクラウド プラットフォームに存在するかにかかわらず、データ コンシューマ向けの 1 つの包括的な BigQuery インターフェースから、農業と市場にフォーカスした分析モデルを開発できるようになります。
ログ解析のユースケース: ログデータを活用し、隠された知見を引き出す方法を多くの組織が求めています。あるメディア&エンターテイメント企業では、AWS でユーザー アクティビティのログデータを保有し、Google Cloud でユーザー プロフィール情報を保有しています。その企業の目標は、ユーザーの行動プロセスとコンテンツの消費パターンを分析することにより、メディア コンテンツの需要の予測を改善することでした。AWS のデータセットと Google Cloud のデータセットはどちらも頻繁に更新されていたため、データの更新頻度を落とすことなくすべての情報を集約することが課題となっていました。このお客様は BigQuery Omni を使用することで、一方のクラウドから他方のクラウドへデータセット全体の移行やコピーをしなくても、AWS と Google Cloud のログデータを動的に結合できるようになりました。これにより、別のクラウドに保存されたデータをクエリするカスタム スクリプトを記述する労力が削減されました。
このユースケースと似通った例として、複数のクラウドを横断して課金データを集約するという課題があります。公共サービスを提供するある企業は、Google Cloud、AWS、Azure にあるすべての課金データをリアルタイムで確認できる、単一で使いやすいビューを作成するため、これまでさまざまな方法を試してきました。この企業は、最小限の労力と費用でデータのサイロ化を解消し、1 つの画面から分析を実行することを目的として、BigQuery Omni を使用しています。
BigQuery Omni の使用を開始して、マルチクラウド分析への移行を簡略化するには、こちらからご登録ください。AWS 向けの BigQuery Omni は現在プレビュー中で、Azure 向けは近日提供予定です。
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1. Gartner、「2021 Planning Guide for Data Management」、Sanjeev Mohan 氏、Joe Maguire 氏、2020 年 10 月 9 日
2. Gartner、「Magic Quadrant for Cloud Database Management Systems」、Donald Feinberg 氏、Merv Adrian 氏、Rick Greenwald 氏、Henry Cook 氏、Adam Ronthal 氏、2020 年 11 月 23 日
-BigQuery Omni カスタマー エンジニア兼 GTM リード Anjali Warier
-BigQuery Omni プロダクト マネージャー Emily Rapp