Google Cloud の新しいイノベーションでデータクラウドを統合
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 5 月 26 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
優れたデジタル環境を顧客に提供する、AI を活用して業務を改善する、データの隠れたパターンを見つけて意思決定を改善するなど、その目的は違っても、データドリブン型を目指す取り組みが業界を問わず多くの企業で進められています。
こうした変革を支援するために、データベース、分析、AI をオープンなデータクラウドに完全統合し、データの価値を最大限に引き出せるように設計された Google の新しいプロダクトとサービスを発表いたします。
ここでは、今日のデータドリブンな世界で企業の成功を後押しする Google の最新のイノベーションをいくつかご紹介します。
Dataplex を使用すると、データレイク、データ ウェアハウス、データマートのデータを一元で管理、モニタリング、制御できるだけでなく、1 つのビューでさまざまな分析ツールやデータ サイエンス ツールからこうしたデータに安全にアクセスできます。詳しくは、こちらをご覧ください。
サーバーレスの変更データ キャプチャ(CDC)およびレプリケーション サービス(プレビュー版)として Google が提供する Datastream を使用すると、異種のデータベース、ストレージ、アプリケーション間でデータを確実に移動、同期して、リアルタイム分析、データベース レプリケーション、イベント ドリブン アーキテクチャをサポートできます。詳しくは、こちらをご覧ください。
Analytics Hub を使用すれば、組織間の境界を越えて貴重なデータセットや分析アセット(BigQuery ML モデル、Looker Blocks、データ品質レシピなど)にアクセスし、共有することが可能になります。BigQuery 上に構築されたフルマネージド サービスの Analytics Hub なら、ガバナンスを念頭に置いた効率的かつ安全なデータ共有エコシステムを作成できます。Analytics Hub のプレビュー版に登録して詳細をご確認ください。また、こちらのブログ投稿もぜひご覧ください。
Vertex AI により、AI プロジェクトのテストをスピードアップし、ビジネス価値を生み出すまでにかかる時間を短縮できます。Vertex AIはデータ サイエンティストや機械学習(ML)エンジニアが ML モデルのビルド、トレーニング、デプロイのプロセス全体を効率的に大規模なスケールで行うことを可能にする包括的な AI プラットフォームで、AI プロジェクトのテストをスピードアップし、ビジネス価値を生み出すまでにかかる時間を短縮できます。詳しくは、こちらをご覧ください。
Anthos、BigQuery Omni、Looker をはじめとする Google の柔軟なデータ プラットフォームを組み合わせたマルチクラウドを導入すれば、クラウド戦略に関係なく、意思決定の高速化が図れます。
データドリブン型変革の導入事例
顧客の要求は刻々と変化し続け、データはさらに複雑になり、ビジネスの意思決定はこれまで以上に難しくなってきています。その結果、データの価値を引き出すインサイト ギャップが拡大し続け、業務全体のデータサイロ化が進み、セキュリティ リスクが増大します。デジタル変革を推し進める企業は、オープンなデータクラウドを活用してこの複雑さから抜け出し、顧客に高い価値を提供しています。
Carrefourでは、2018 年にクラウドで実行していたアプリは 5% 未満でした。それが、2020 年末には、アプリの 25%(約 800 個)以上がクラウド化されています。Carrefour の 700 TB のデータレイクは、サービスを中断することなく、わずか数か月でオンプレミスから Google Cloud に移行され、現在では 1 日あたり 2 TB 以上スケールしています。BigQuery を使用することで、Carrefour のデータ サイエンティストは、大量のデータにアクセスし、モデル開発にほとんどの時間を費やすことが可能になりました。また、Carrefour では、Looker を使用してデータに基づいた分析情報をサプライヤに提供し、コラボレーションを最適化しています。
北米最大級の輸送物流会社の一社である JB Hunt は、Google のデータクラウドを使うことで、より正確に結果を予測し、ユーザーの利便性を高め、情報に基づく意思決定を行えるようになりました。さらに迅速なサービスや貨物の透明性に対する顧客の期待が高まるにつれて、リアルタイムのデータは 1 兆ドル規模の物流業界の礎となってきています。
また、Etsy では、セラー(販売者)がそれぞれのアイデアをビジネスの成功へと転換できるよう、セラー コミュニティを支援しており、クリエイターと何百万人もの購入者を結び付けるマーケットプレイスを提供しています。Etsy は、検索機能とおすすめ機能を改善して購入者維持率とビジネス収益を伸ばすことで規模を拡大し、同時に自社のサステナビリティの向上も実現することができました。
さらなるデータクラウドの変革
前述の新しいプロダクトに加えて、BigQuery、Dataflow、Looker、Spanner の各テクノロジーも更新されました。
Azure 向け BigQuery Omni(現在プレビュー版)は、マルチクラウドへの Google の取り組みをベースにして構築されており、パブリック クラウド全体のデータを 1 つの画面で分析できるようになっています。昨年リリースした AWS 向け BigQuery Omni に続く今回のリリースにより、Google Cloud、AWS、Azure のデータにアクセスし安全に分析できるようになったので、分析機能に柔軟性がもたらされました。Google のセッション「Unlock Innovation and Flexibility with a MultiCloud Strategy(マルチクラウド戦略でイノベーションと柔軟性を実現)」では、Electronic Arts などの企業が、BigQuery Omni、Looker、Apigee を使ってアプリケーションを開発し、マルチクラウド環境にあるデータを分析してイノベーションを加速している様子を紹介します。ぜひご参加ください。
Microsoft Azure 上でホストされる Looker の一般提供が開始され、Google のホスティング オプションに Azure が加わりました。Looker を使用すると、データチームは 60 以上の異なるデータベース言語をサポートするクラウド上のデータに接続し、データ戦略に適した場所(Google Cloud、AWS、Azure、自己ホスト)で Looker をホストし、最大の価値を引き出せる場所にデータと分析情報を提供できるようになります。
Dataflow Prime は、ストリーミング ETL や継続的な分析などのユースケースで、リソースの活用、徹底した簡素化、ML のインテグレーションを実現します。Dataflow Prime には、垂直自動スケーリング、Right Fitting、予防診断などの革新機能が備わっており、インフラストラクチャのサイズ設定、プロビジョニング、調整タスク、パフォーマンスやデータの更新頻度に関する問題のデバッグに伴う運用上の労力を軽減できます。Dataflow Prime では、ML インテグレーション、オープンなフレームワーク、API を提供するとともに、リアルタイム アプリケーション向けにバッチとストリーミング データ処理が統合されています。詳しくは、こちらのブログ投稿をご覧ください。
強整合性をサポートし無制限にスケール可能な Google のフルマネージド リレーショナル データベースである Cloud Spanner のエントリ価格を 90% 引き下げて、多くのお客様にご利用いただきやすくしました。また、スケーラビリティと信頼性はそのままで、インスタンスのより細かいサイズ変更を可能にする機能を近日中にリリースいたします。これにより、Spanner をさらに多くのワークロードでご利用いただけるようになります。さらに、近日提供予定の Spanner への BigQuery フェデレーションにより、Spanner に存在するトランザクション データに対して BigQuery からクエリを実行し、リアルタイムの詳細な分析情報を得られるようになります。Key Visualizer(現在公開プレビュー版)のインタラクティブなモニタリングを使用すると、デベロッパーは Spanner でトレンドと使用パターンをすばやく特定し、より適切な意思決定を行うことができます。最後に、Firestore と Spanner に続き、Bigtable が SLA で業界トップクラスの 99.999% の可用性が保証されることになりました。詳しくは、こちらのブログ投稿をご覧ください。
BigQuery ML 異常検出は、銀行での不正行為検出や製造業での欠陥分析など、さまざまなユースケースで問題のあるデータパターンをより簡単に検出する方法を提供します。
BigQuery を活用したデータ分析パートナー エコシステム
Google Cloud には、成長著しいデータ分析のパートナー エコシステムがあります。Google は、BigQuery を利用してデータドリブン アプリケーションを構築し、顧客に新しい分析サービスを提供しているこのようなパートナーの皆様を称える新しい方法を検討しています。Quantum Metric や Shape Security、Trax などのパートナーは、顧客分析、セキュリティ、データ交換などの顧客の課題を解決するために、BigQuery の処理、収集、ストレージ、分析を活用しています。
BigQuery をアプリケーションにどのように活用できるかについて詳しくは、Partner Advantage プログラムを利用してお問い合わせください。また、オンデマンドで視聴可能な Data Cloud Summit の基調講演や戦略プレゼンテーションでは、データの新しい活用方法について紹介していますので、ぜひご覧ください。
- データベースおよびアナリティクス担当バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャー Gerrit Kazmaier