KubeCon EU と Google Cloud: 新しいプロジェクト、更新されたサービス、交流方法

※この投稿は米国時間 2022 年 5 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

クラウドネイティブの魅力にワクワクさせられる時期が今年もやってきました。KubeCon EU 2022に向けて、デベロッパーや技術者と交流して情報共有し学び合うための準備が進んでいます。Google Open Source チームと Kubernetes のチームからの最新ニュース速報と、今週のこのイベントで交流する方法をお知らせします。

オープンソース コミュニティに対する Google の継続的コミットメント

Google は 20 年以上にわたり、オープンソースへのコミットメントを通してコンピューティング形態の確立を促進してきました。Google は Kubernetes を考案し、2015 年以来 Cloud Native Computing Foundation（CNCF）に貢献してこのプロジェクトの発展を支えてきました。Kubernetes がクラウドネイティブ コンピューティングの中心となった理由は、オープンソースであり、中立的組織の管理下にあるからです。それ以降、Google はお客様のためにクラウドネイティブなオープンソース テクノロジーへの多大な投資を継続してきました。最近も Knative から CNCF への移行を完了し、Istio を組織に提供する意向を発表しました。これは、Kubernetes および Knative と並ぶクラウドネイティブ インフラストラクチャの重要な要素です。Google はこのプロジェクトの発展を引き続きサポートし、KubeCon EU で KnativeCon を主催します。この機会に当プロジェクトの詳細をご確認いただき、コミュニティに参加してその成長をご支援いただければ幸いです。

クラウドでの重要なワークロード用に新しい機能を構築する

Kubernetes は変革を引き起こすテクノロジーであり、多くの業界にクラウドネイティブなベスト プラクティスとデザイン パターンを提供してきました。しかし、AI / ML、バッチ、HPC ワークロードは企業による従来型の同等機能の陰で停滞しています。その理由は、複雑なスケジューリングとリソース割り当て要求のために、こうした科学的ワークロードのデプロイとスケーリングが困難だからです。

Google および他の多くの コミュニティ メンバーは、Kubernetes をこれらのワークロード向けの最高級プラットフォームにすることを目指して取り組みを進めています。具体的には バッチ API の改善、スケジューリングのパフォーマンス向上、Kubernetes ネイティブなワークキュー kueue 開発の主導です。こうした取り組みに Google Cloud の先進的ハードウェアと自動スケーリング機能を組み合わせることで、Google Kubernetes Engine（GKE）は AI / ML およびバッチ コンピューティング向けの理想的なプラットフォームとなります。これらの重要な機能をプロジェクトに追加するうえで Google が果たしている役割をご覧になるには、KubeCon のオンサイトで Batch and HPC Day および Kubernetes AI Day にご参加ください。

新しいオープンソース プロジェクトを通してお客様のために Kubernetes の使いやすさを向上させる

Google はオープンソース コミュニティの一員として、このコミュニティがイノベーションを促進し、誰でも簡単にクラウドで構築できるようにする力を秘めていると確信しています。今週、Google は重要なマイルストーンとして新しいオープンソース オファリングの提供を開始します。具体的には、Config Connector および Config Sync がオープンソース（Config Connector , Config Sync）として入手可能になり、Gatekeeper の一部となります。今や、Anthos Config Management 全体がオープンソース ベースです。また、Config Sync、および新しいパッケージ オーケストレーターを kpt プロジェクトに追加しました。これらのプロジェクトは統合的に 1 つのエンドツーエンド ポータブル ソリューションとなります。こうして「見た目どおりの結果が得られる」構成記述、自動化、デリバリーが可能になり、大規模な Kubernetes プラットフォームと KRM ドリブン インフラストラクチャの管理が容易になります。このプロジェクトでイノベーションを進めるにはコミュニティからの支援が必要です。私たちは、Kubernetes に基づくプラットフォームの構築がさらに普及することを願っています。コミュニティとお客様からの kpt への貢献に感謝いたします。このプロジェクトの発展に寄与する方法については、こちらをご覧ください。

大量使用ティアを Managed Service for Prometheus に追加する

今年 3 月、Google は Google Cloud Managed Service for Prometheus を導入し、Kubernetes ユーザーの皆様からモニタリング サービスの使いやすさとスケーラビリティを熱烈に歓迎していただきました。お客様にとっての利点を知るには、家具やインテリアを提供するフランスの企業である Maisons du Monde の事例をご覧ください。同社は最初にオープンソース版を稼働した後、Managed Service for Prometheus を採用しました。

実際、Managed Service for Prometheus のスケーラビリティは非常に強力で、毎月 5 千億を超える指標サンプルを使用する超大容量のお客様向けに設計された新しい大量使用ティアが導入されています。この新しい価格ティアは、以前の最大ティアの正規価格と比べて半分の価格です。さらに、小使用量ティアの正規価格も 25% 下げました。Managed Service for Prometheus を使い始めるには、新しい Managed Service for Prometheus qwiklab をお試しください（6 月 15 日まで無料提供）。また、KubeCon の火曜日のプレゼンテーション「Managed Service for Prometheus を使った簡単でスケーラブルな Kubernetes 指標」にご参加ください。

自動化とスケーラビリティに優れたマネージド Kubernetes

KubeCon で 5 月 17 日から始まる同時開催イベント「自動化とスケーラビリティに優れたマネージド Kubernetes での構築」（Google Cloud 主催）では、Google の Kubernetes スペシャリストと直接交流できます。Google Cloud におけるコンテナと Kubernetes の新しい世界を学び、技術デモをご覧ください。

KubeCon EU で Google スペシャリストと交流するその他の方法

Google の仮想ブースにアクセスすると、Kubernetes を始めるための興味深いコースが見つかります。たとえば、Learn Kubernetes with Google 動画シリーズで製作された優れたセッションのほか、Google Cloud での Kubernetes 学習を支援してくれるコンテンツなどがあります。また、このイベントでは Google 社員による 25 以上のセッションにオンサイトで参加できます。

Kubernetes の基礎となっているのは、15 年以上にわたり Google のコンテナ化ワークロードを実行してきた経験と、オープンソース コミュニティからの極めて貴重な貢献です。ご質問をお寄せください。Google Cloud の最新情報に興味がある方、Kubernetes のスペシャリストと話したい方は、#6-kubecon-googlecloud チャンネルの CNCF slack にバーチャルでご参加ください。Google Cloud とクラウドネイティブ オープンソース コミュニティの数多くのメンバーがご質問にお答えします。また Google のチームと直接話す時間をリクエストすることもできます。今週のイベントでデベロッパーの皆様と交流し、Kubernetes スペシャリストの専門知識を共有できることを楽しみにしています。

- Google Cloud オープンソース マーケティングおよびコミュニティ担当責任者 Alexandra Bush