コンテンツに移動
コンピューティング

Google Cloud のワークロードに最適化されたインフラストラクチャ最新情報

2024年4月24日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Next24_Blog_blank_2-03.max-2500x2500.jpg
Google Cloud Japan Team

Gemini 1.5 モデル をお試しください。

Vertex AI からアクセスできる、Google のもっとも先進的なマルチモーダル モデルです。

試す

※この投稿は米国時間 2024 年 4 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

いたるところで、急速なスピードでイノベーションが巻き起こっています。その結果、カスタマイズした 3 層アプリやクラウドネイティブ アプリなどのエンタープライズ ワークロードから、SAP、ハイ パフォーマンス コンピューティング(HPC)、さらに生成 AI アプリケーションなどのビジネス クリティカルなワークロードにいたるまで、コンピューティング パフォーマンスと信頼性に対するお客様のニーズはますます高まっています。Google のお客様はイノベーションのペースを加速し続けていますが、コストの上昇を相殺し、持続可能なインフラストラクチャを選択する必要性も抱えています。 

ワークロードに最適化されたインフラストラクチャの必要性 

ムーアの法則の恩恵が鈍化する中、過去 10 年間の価格パフォーマンスの向上を持続させるためのイノベーションが不可欠となっています。このような需要に対応するために、Google ではインフラストラクチャの設計を見直す必要があることが、かなり以前から明らかでした。このため、この数年間、ワークロードの最適化と計画的な設計をインフラストラクチャ プラットフォームの基本方針として採用しています。専用のインフラストラクチャ、規範的なアーキテクチャ、オープン エコシステムを組み合わせたワークロードに最適化されたインフラストラクチャを提供し、シリコンからお客様のワークロードまでにいたる最良パスを構築しています。 

このインフラストラクチャを支えているのが Titanium です。Titanium は、専用に構築されたカスタム シリコンと複数層のスケールアウト オフロードからなるシステムであり、CPU を解放してワークロードのパフォーマンスを最大化することで、お客様のワークロードのパフォーマンス、信頼性、セキュリティをまとめて向上させます。第 3 世代以降のすべての Compute Engine マシンタイプ、ネットワーク ブロック ストレージ サービスである Hyperdisk、そして Google のネットワーキングには Titanium が採用されており、その恩恵を受けています。 

本日、Google Cloud のコンピューティング ポートフォリオの大幅な拡張を皆様にお知らせいたします。汎用ワークロード向けのコンピューティングやストレージ、SAP やハイ パフォーマンス データベースなどのより特殊なワークロードにも対応した主要プロダクトをリリースしました。もちろん、AI ワークロードを最適化するために、AI ハイパーコンピュータ アーキテクチャのあらゆるレイヤにもイノベーションを導入しています。 

第 4 世代 C および N マシン ファミリーが誕生

第 5 世代 Intel Xeon プロセッサを搭載した大手ハイパースケーラー初の新しい汎用 VM、C4 と N4 のリリースをお知らせします。Titanium によって実現される C4 および N4 は、高性能、柔軟性、コストのバランスを兼ね備えており、あらゆる汎用ワークロードをサポートできるように設計されています。C4 は、最も要求の厳しいエンタープライズ アプリケーション向けに、業界屈指のコスト パフォーマンスとエンタープライズ グレードのツールを提供します。N4 は、ピーク時の処理能力を常時必要としない大多数の汎用ワークロードをサポートするパフォーマンスとともに、コストを最適化する柔軟性も提供するように設計されています。C4 と N4 を組み合わせることで、優れたパフォーマンスと総合的なワークロード TCO が実現します。 

C4: 妥協のないパフォーマンス、大規模な VM シェイプ、高度な機能 

C4 マシンシリーズは、コンピューティング、ネットワーキング、ストレージの最新イノベーションを単一の VM で実現します。汎用 VM である C4 は、ミッション クリティカルなワークロードに対して、高いパフォーマンスと管理されたメンテナンス エクスペリエンスを提供するように特別に調整されています。C4 は以下を実現します。

  • 主要クラウド プロバイダの同等製品と比較して、コスト パフォーマンスが 19% 向上

  • 前世代の C3 VM と比較して、コスト パフォーマンスが 25% 向上 

  • 高頻度の取引やゲームなどのリアルタイム ワークロードにおいて、前世代と比較して CPU の応答性が 80% 向上。より高速な取引とよりスムーズなゲーム エクスペリエンスを実現。 

こうした特徴を備える C4 は、データベースやキャッシュ保存、ネットワーク アプライアンス、トラフィック量の多いウェブサーバー、オンライン ゲーム、分析、メディア ストリーミング、そしてリアルタイムの CPU ベースの推論に最適です。 

また、C4 には、インフラストラクチャのメンテナンスを実行する際にワークロードへの影響を最小限に抑える機能も搭載されています。C4 では、ホスト オペレーティング システムとインスタンスの更新の大部分が、ヒットレス アップグレードとライブ マイグレーションを組み合わせて実施され、お客様への影響はほとんどありません。さらに C4 には、長い通知やメンテナンス イベントに対してより直接的な制御が必要な場合のワークロードや時間帯向けにエンタープライズ グレードの制御が含まれており、これらの目標達成を支援します。 

C4 インスタンスは、最大 192 の vCPU、1.5TB の DDR5 メモリまでスケールアップできる 24 VM サイズ、最大 500K IOPS の Hyperdisk のサポート、最大 200 Gbps の Tier_1 ネットワーキングを提供します。高 CPU(2GB/vCPU)、標準(4GB/vCPU)、高メモリ(8GB/vCPU)の構成で利用できます。C4 は現在、Compute Engine および Google Kubernetes Engine(GKE)のお客様向けに、プレビュー版として goo.gle/C4Preview で提供されています。

N4 VMs: フレキシブルな形状でコストを最適化する効率的なアーキテクチャ 

N4 マシンシリーズは、合理化された機能、形状、次世代の動的リソース管理の効率的なアーキテクチャにより、費用の最適化とコスト パフォーマンス向上を目指してゼロから構築された汎用 VM です。前世代の N シリーズ マシン ファミリーと比較して、ワークロードのコスト パフォーマンスが最大 18% 向上し、MySQL などの主要なワークロードでは最大 39% の向上が認められました 1カスタム マシンタイプのサポートにより、固定サイズのインスタンスに余分な料金を支払う必要がなくなり、既存のワークロードを再構成することなく Compute Engine に簡単に移行できるため、ワークロードのコストを最適化できます。第 5 世代 Intel Xeon スケーラブル プロセッサと Titanium 上に構築された N4 は、開発 / テスト環境、仮想デスクトップ、マイクロサービス、ビジネス インテリジェンス、コード リポジトリ、データ分析、ストレージとアーカイブ、中程度のトラフィックのウェブサーバー、内部アプリケーションなど、常にピーク時の処理能力を必要としない幅広い汎用ワークロードに適しています。 

N4 は、高 CPU(2GB/vCPU)、標準(4GB/vCPU)、高メモリ(8GB/vCPU)構成で事前定義されたカスタム シェイプが提供されており、最大 80 個の vCPU(640GB の DDR5 メモリ)を搭載し、最大 160k Hyperdisk IOPS と最大 50 Gbps のインスタンス ネットワーキングをサポートします。N4 は現在一般提供中です。

「私たちは、Google Cloud の新しい C4 マシンと N4 マシンに期待を寄せています。新しい C4 VM は、リアルタイム ML 脅威検出においてパフォーマンスが 35% 向上し、N4 VM は、マルウェア サンプルの動的分析において、前世代よりも低いコストで 20% 高いスループットを実現しました。」- Cloud Delivered Security Services、VP、Xu Zou 氏

「Bluecore では、コスト削減を重視しています。N4 は開発 / テストやベンチマークのワークロードに最適であり、あらゆる点で私たちの期待に応えてくれました。N1 と比較して約 66% のパフォーマンス向上が確認されたため、間違いなく N4 を採用します。」– Bluecore、ソフトウェア アーキテクト、Michael Hurowitz 氏

C3 ベアメタル マシンの概要

2023 年にリリースした C3 マシン ファミリーを拡張した、ネイティブ ベアメタル C3 マシンタイプのプレビュー版が間もなくご利用いただけるようになります。ハイパーバイザーなどの特殊なワークロード、仮想環境ではサポートされていないワークロード、特別なパフォーマンスやライセンス制限のあるワークロードを持つお客様は、Google Cloud の他の利点を維持しながら、基盤となるサーバーの CPU やメモリリソースに直接アクセスできる C3 ベアメタル インスタンスを利用できます。他の C3 VM と同様に、C3 ベアメタル マシンは Titanium と第 4 世代 Intel Xeon スケーラブル プロセッサをベースにしており、Intel Data Streaming Accelerator(DSA)、Intel In-Memory Analytics Accelerator(IAA)、Intel Quick Assist(QAT)などの Intel の統合 CPU 機能を独占的に利用できます。 

「Google Cloud の新しいベアメタル マシンタイプの発表は待望のものでした。Nutanix は Google と協力し、組織がクラウドのメリットを最大限に活用しながら、レガシーアプリや最新の AI 対応アプリ向けにユニバーサルなハイブリッド マルチクラウド オペレーティング モデルを実現できるよう支援するのを心待ちにしています。」- Nutanix、最高商務責任者、Tarkan Maner 氏

X4 メモリ最適化ベアメタル インスタンスの概要

現在プレビュー版で提供中の、Compute Engine の新しいメモリ最適化インスタンスである X4 をご紹介します。Titanium および第 4 世代 Intel Xeon スケーラブル プロセッサを搭載した X4 は、最大 1,920 個の vCPU と 32TB の DDR5 メモリにより、業界トップクラスのコンピューティング性能とブロック ストレージのパフォーマンスを提供します。X4 のプレビュー版には 3 つのマシンタイプ構成があり、Hyperdisk Balanced と Hyperdisk Extreme をサポートします。Compute Engine のメモリ最適化された 99.95% の単一インスタンス SLA に裏打ちされた X4 は、SAP などの最もビジネス クリティカルなワークロードに対して業界屈指の信頼性を提供します。 

「SAP Enterprise Cloud Services では、RISE with SAP 用の X4 および C3 Metal システムのインテグレーションを評価、検討しており、その信頼性、パフォーマンス、管理の容易さには驚かされています。」– SAP SE、Enterprise Cloud Services、RISE with SAP 担当 CTO、Lalit Patil 氏 

X4 は現在、米国、EMEA、APAC 地域でプレビュー版を提供中です。詳細、またはプレビュー版の利用申し込みに関するお問い合わせは、こちらのお問い合わせフォームをご利用ください。 

Google 初のストレージ最適化 VM ファミリー、Z3 の概要

このたび、Z3 VM の一般提供開始をお知らせいたします。Z3 VM は、SSD を必要とするストレージ密度の高いワークロードに対して、一貫したパフォーマンス、予測可能なメンテナンス、TCO の削減を実現します。Z3 マシンシリーズは、第 4 世代 Intel Xeon スケーラブル プロセッサ、Titanium アーキテクチャ、さらに最新世代 SSD を搭載し、エンタープライズ グレードのパフォーマンスと信頼性を兼ね備えています。Z3 は、主要クラウドの中でストレージ最適化インスタンスの IOPS に優れ、ランダム読み取り IOPS が 6M 100%、書き込み IOPS が 6M を記録しています。また、Z3 は、前世代のインスタンスと比較して最大 3 倍のスループットと、前世代の SSD よりも最大 35% 低いレイテンシを実現します。Z3 は、1.4T の DDR5 メモリを備えた 176 vCPU、そして 704 GB の DDR5 メモリを備えた 88 vCPU という 2 つの初期形状を提供し、どちらも 36T のローカル SSD を搭載しています。Z3 は、Aerospike や ScyllaDB などの水平方向のスケールアウト データベース、Elastic や Splunk などのログおよび検索分析ワークロード、またはフラッシュ最適化データベース、データ ウェアハウス、高密度ストレージ要件のあるその他のアプリケーションに最適です。Z3 は現在一般提供中です。 

「Z3 インスタンスは、リアルタイムのデータベース ユーザーに優れたコスト パフォーマンスを提供するという Aerospike のコミットメントと合致しています。大規模なワークロードの場合、70% 少ないノードでクラスタを実行できるため、複雑さと全体的なコストを大幅に軽減できます。」- Aerospike、最高技術責任者、Srini Srinivasan 氏

Arm ベースの新しい CPU、Google Axion プロセッサの概要

本日、Google 初の Arm ベース CPU である Google Axion を発表いたしました。業界屈指のパフォーマンスと効率性を誇る Axion プロセッサは、Google のシリコンに関する専門知識と Arm の最新コンピューティング コア設計を組み合わせることで、以下の最大性能を実現するインスタンスを提供します。 

  • 現在クラウドで利用可能な最速の汎用 Arm ベースのインスタンスよりも 30% 優れたパフォーマンス

  • 同等品となる現行の x86 ベースの VM よりも 50% 優れたパフォーマンス

  • 同等品となる現行の x86 ベースの VM よりもエネルギー効率が 60% 向上

Google ではすでに Axion を使用して BigTable、Spanner、BigQuery、Blobstore、Pub/Sub、Google Earth Engine、YouTube 広告プラットフォームなどの Google サービスを Google Cloud にデプロイし始めており、今後さらに拡張する予定です。Axion ベースのインスタンスは、今後数か月以内にプレビュー版で利用可能になります。Axion の詳細については、こちらをご覧ください。

Hyperdisk でストレージを節約 

昨年、Google は次世代ブロック ストレージ サービスである Hyperdisk をリリースしました。Titanium を基盤として、ストレージのパフォーマンスと容量をコンピューティング インスタンスから切り離すことで、お客様がニーズに合わせてストレージを調整できるようになり、小規模なコンピューティング インスタンスでも高い IOPS を実現します。 

本日、Google の最新機能である大容量 Hyperdisk Storage Pools の一般提供を開始したことをお知らせいたします。これまで、すべての主要なクラウド プラットフォームを使用するお客様は、ブロック ストレージの容量と使用率をディスクごとに管理する必要がありました。これは複雑で労力がかかるうえに、エラーが発生しやすく、リソースが十分に活用されないことが多々あります。Hyperdisk Storage Pools を使用すると、ワークロード間で共有されるプール内のブロック ストレージ容量を購入して管理できます。個々のボリュームは、これらのプールからシン プロビジョニングされます。データが実際にディスクに書き込まれるときにのみ容量が消費され、重複排除や圧縮などのデータ削減のメリットがあります。これにより、ストレージ使用率が大幅に向上し、主要なクラウド プロバイダと比較して、一般的なシナリオでストレージ TCO を 50% 以上削減できます。Google はストレージ容量プーリングを提供する最初にして唯一のクラウド ハイパースケーラーです。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Pools_TCO_Chart.max-1000x1000.png

顧客データの保護は、常に優先度の高い要件です。本日、Hyperdisk ボリューム向けの新しいクラウドネイティブ機能であるインスタント スナップショットも発表いたします。インスタント スナップショットは、他の大手クラウド プロバイダの製品と比較して、ほぼゼロの RPO / RTO を提供し、10 倍速い復旧時間を実現します。

ワークロードを最適化する新しい消費の柔軟性

本日、Compute Engine 仮想マシンの新しい柔軟なデプロイ方法をご紹介します。

  • ゾーンによる柔軟性では、VM をゾーン間で自動的に分散させることで、より高いレベルのレジリエンスとパフォーマンスを実現し、VM の取得を容易にします。 

  • VM ファミリーによる柔軟性では、一度のプロビジョニング アクションで事前定義されたファミリーのコレクションの中から利用可能な VM を見つけることが可能で、VM の調達が容易になります。 

  • オンデマンドとスポットでの消費を組み合わせることで、コストを最適化し、グループ内の個々の VM に使用する料金モデルを選択できます。 

これらの要素はすべて、ワークロードの特定のニーズに合わせて最適化できるポリシーによって制御できます。必要なものを、必要な場所で、ワークロード要件に合わせた料金で利用できます。

Google Cloud VMware Engine ライセンスのポータビリティ

Google Cloud VMware Engine は、VMware ワークロードを Google Cloud に迅速に移行したいお客様によく採用されています。Google Cloud VMware Engine を使用することで、何百社もの企業が弾力性と稼働時間の向上を実現し、クラウドネイティブなネットワーキングと、最新の Google Cloud データや AI サービスへの近接性のメリットを享受しています。

先日、Broadcom は、Google Cloud が新しい VMware Cloud Foundation BYOL ライセンス ポータビリティ オプションをサポートする最初のクラウドになると発表しました。このオプションを利用すると、新しい VCF サブスクリプションを所有しているお客様は、Google Cloud で VMware を使用するために新しいライセンスを購入する必要がなくなり、最大 35% のコスト削減が可能になります。既存の VMware Cloud Foundation ライセンスを保持したまま、VMware Engine サービスノードの料金を Google に支払うだけで済みます。

また、Google からライセンス込みの Google Cloud VMware Engine サービスを購入するオプションも引き続き利用できます。VMware ワークロードのクラウドへの移行が円滑になり、さらに加速していくことを期待しています。 

ワークロードに最適化されたインフラストラクチャのメリット 

ご紹介した新しいプロダクトと機能によって、さらに多くのワークロードを Google Cloud で最適に実行するための能力を直接、増強できます。Google の VM ファミリーの詳細を確認して、Google Cloud でのワークロード実行を始めましょう。

また、Next '24 に参加される場合は、次の関連セッションで Google のコンピューティングに関する発表の詳細をご確認ください:

- Google Compute Engine、プロダクト管理担当ディレクター Salil Suri


1 . Google Cloud Internal Data, March 2024
2. Google Cloud Internal Data, Aug 2023

投稿先