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クラウド マイグレーション

クラウドとその先へ: データセンター移行のためのプログラム管理アプローチ

2021年7月2日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 6 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 本ブログ投稿では、データセンターの移行を成功させるためのプログラム管理アプローチについてご説明します。今回はブログシリーズの第 2 回です。第 1 回は、クラウドとその先へ: データセンターの複数年にわたる移行を計画するです。

クラウドへのデータセンターの移行は複雑な取り組みとなる可能性があり、既存のハードウェア、ソフトウェア、オペレーションをまったく新しい環境に移行するために数年を要することもあります。Google Cloud はこのプロセスを合理化するために、高速評価および移行プログラムを提供しています。

Google のコンサルティング サービスがお客様と連携し、データセンターの Google Cloud への移行を共に実現いたします。Google のアプローチは次のとおりです。

  • IT インフラストラクチャのクラウドへの迅速な移行を可能にする

  • ソリューションの安定性を確保する

  • 速度と安定性を生み出す

これを実現するために Google はプログラム プランニング、プログラム ガバナンス、プログラム実行を 3 つの柱として、重点を置いています。

プログラム プランニング

コンサルティング サービスでは、クラウドを効果的に活用し、全体的な顧客満足度を高めることで、IT オペレーションを移行、変革、モダナイズするための支援を行います。Google はこの目標を達成するために、確立された実績のあるプロセス、テンプレート、アクティビティを使用することにより、プログラム管理の基本原則を遵守します。

複数年にわたる移行の場合、プランニングは継続的なプロセスであり、プログラムの全期間にわたって再検討されます。

プランニングは、お客様の成功を念頭において開始します。正しい基礎を築くには、プランとソリューションに取り組む前に、ご自身の能力を知ることが重要です。プランニングには、次の 5 つのフェーズがあります。

  1. 無料のクラウド能力評価でビジョン / ロードマップを定め、ギャップと改善戦略を見極めます。クラウド能力評価は 45 の質問と 1~2 時間のワークショップで構成され、ビジネス目標に沿った優先度の高い項目の成熟度を向上させるために、次なるステップ、オーナー、タイムラインを含むアクション プランを策定します。クラウド能力評価は新規のお客様に対して少なくとも 1 回実施しますが、クラウドの導入が進んでいるお客様もご利用いただけます。

  2. カスタマー サクセスプランでは、ビジネス目標と技術目標を文書化します。これは Google とお客様の双方が優先順位に沿って行動し、双方で責任を持つ機会となります。アカウント チームのメンバーとの社内ディスカッションに基づいてプランの初版を策定し、お客様との共同作業セッションでさらに改良を加えます。プランは顧客エンゲージメントのオンボーディング フェーズで策定し、四半期ごとに更新する必要があります。

  3. エンゲージメントから 1 か月以内の学習評価では、知識のギャップとおすすめのトレーニング ソリューションを見極めます。Google Cloud の導入を促進し、データセンターの移行を推進するには、ニーズに合わせた学習プランが必要不可欠です。

  4. 容量管理の取り組みにより、クラウド移行費用とキャパシティ プランニングの重要性について理解できます。Google Cloud の無料の IT および費用評価では、お客様の状況を把握し、移行にかかる総費用を見積もることが可能です。

    また Google のサポートにより、お客様はサービス利用状況の予測を把握できます。これによりお客様は、重要なイベント(リリースや繁忙期など)の際に自社の顧客を適切にサポートでき、重要性の高い負荷に対する可用性を確保できます。キャパシティ プランニングは、エンゲージメントの初期から 6 か月ごとに実施する必要があります。

  5. 毎週、毎月、毎四半期のミーティングを伴うコミュニケーション プランにより、プログラムとプロジェクトのサブコンポーネントが軌道に乗り、問題管理とリスク管理が含まれるようになります。Google Cloud のプログラム マネージャーやテクニカル アカウント マネージャーは、こうしたプロジェクトやプランを効果的に管理しレビューを促進するために必要な、規律と厳格さをもたらします。ミーティングでは、コミュニケーション、コラボレーション、意思決定を行い、クラウド移行の過程で各マイルストーンに到達しやすくなるタスクやアクティビティを行うためのアクションを割り当てます。

プログラム ガバナンス

ガバナンスを通じて、コンサルティング サービスでは、移行プロセスと Google Cloud のサポートの全体にわたってプラットフォームの健全性が確保されます。プランニングと同様に、ガバナンスは継続的なプロセスであり、複数年の移行プログラムの全期間にわたります。

ガバナンスは、コミュニケーション プランを実施することから開始します。移行を成功させるには、さまざまなプロジェクトやプログラムの全体について話し合えるよう、適切な頻度でミーティングを開催することが必要不可欠です。実際の作業は見えない場所で行われるかもしれませんが、重要な会話、アクション アイテムの割り当て、意思決定は、毎週、隔週、毎月、毎四半期のミーティングで行います。

ほとんどの場合、Google Cloud のアカウント チームとコンサルティング サービス スタッフはお客様とともに毎週のミーティングを開催して、定期的な確認を行い、戦略的なトピックや問題をレビューします。この毎週という頻度は通常、戦略的プロジェクト管理に適したベースラインであり、移行プロセスの進捗状況を確認する最前線です。追加としてなされる毎月のミーティングと毎四半期のミーティングでは、マイルストーンの確認とプログラム レベルのレビューが行われます。

積極的な移行シナリオでは、運営委員会はエグゼクティブ レベルのミーティングであり、移行プログラム全体をレビューし、特定のプロジェクトやマイルストーンについて確認します。

もう一つの重要なチャネルは四半期ビジネス レビューです。これは運営委員会に加えて、または運営委員会の代わりに開催できます。ここでは、主要な意思決定者が前四半期の業績をレビューし、翌四半期の計画を立てます。四半期ビジネス レビューは、過去の業績と新たな共同事業に関して、カスタマー サクセスプランで定めた長期目標に沿って、エグゼクティブとビジネスについて話し合う機会です。

サポートは、全体的なプログラム管理と健全性に構造と支援をもたらす、もう一つのコンポーネントです。プレミアム サポートを選択すると、お問い合わせ回数が無制限となります。

しかし、サポートと効果的に連携する方法を知ることは重要です。

  • 問題が発生した場合はいつでも、早期にサポートにご連絡ください。Cloud Console、電話、ライブチャットでサポートにご連絡いただけます。

  • 迅速な解決のために、必要なことを明確に説明し、詳細な状況およびその問題がおよぼす影響についてお知らせください。重要なケース コンポーネントは、時間、プロダクト、場所、識別子、有用な資料、問題のタイプです。

サポートがカスタマー アウェア サポートを提供できるよう、コンサルティング サービスは、お客様固有のサポートメモ(お客様の状況を伝えるメモ)をサポートに提供し、Google チームがニーズを適切に把握できるようにします。Google サポートチームのサポートメモとお客様についてのサポートメモは、四半期ごとに更新されます。

オプションの健全性レビューはサポートのサブコンポーネントです。Google Cloud でのユーザー エクスペリエンスについて率直に話し合い、あらゆる課題に対処し、サポート インターフェースや使用状況の指標におけるネガティブな傾向を特定して修正する機会が得られます。この毎四半期のミーティングは、運用の健全性を調整、確保し、データセンター移行プログラム全体の速度を維持するための重要なフィードバック メカニズムです。

データセンターの複数年にわたる移行では、イベント プランニングを必要とする特別なイベントが発生する可能性があります。Google Cloud で重要性の高いワークロードを実行するお客様は、場合によりまたは季節により、トラフィックの大幅な増加を経験することが想定されます。コンサルティング サービスはお客様や Google のサポートチームと協力することで、ダウンタイムを最小限またはゼロに抑えながら優れたパフォーマンスを提供することを目標に、このようなイベントに備えます。イベント管理サービスの準備を通じて、イベント中に問題が生じた場合、サポートチームは正確なトリアージを行って解決までの時間を短縮し、お客様のイベントに及ぼす影響を低減します。

エスカレーション管理では、問題を可視化して軌道修正や懸念事項の解決を図ります。エスカレーション管理の作法には、上級管理職へのエスカレーションが保留されている場合はまずマネージャーに連絡する、というものがあります。

プログラム実行

コンサルティング サービスは、データセンターの複数年にわたる移行を簡単に行うために、プログラム管理を監督します。アクティビティ トラッキングなど、基本的なものから始めます。毎日または必要に応じて、Google Cloud とお客様や関係者がアクティブなワーク ストリーム、サポートケース、プロジェクト ドキュメントに関連する情報にアクセスするための、唯一の情報源を維持します。

複数年にわたる期間の中で、データセンターの移行を可能にし迅速化するために新しい機能が必要な分野を見つけることになります。コンサルティング サービスは、お客様に代わって機能リクエストを行います。大規模な移行作業では、まだ利用できない機能が定期的にリクエストされます。コンサルティング サービスは、クラウド ブロッカー プロセスを介して該当するプロダクト チーム関係者とともに、新機能の要件が理解、記録、追跡され、適切に優先順位付けされるようにすることで、お客様に代わって提案を行います。最適な支援を実現するには、できるだけ多くの関連機能情報(機能、パフォーマンス、ビジネスへの影響)をコンサルティング サービス担当者に提供することが重要です。

新しいプロダクトや機能のアップデートは、プロダクト ロードマップを通じて共有されます。これにより、優先順位やワーク ストリームを社内のリリース タイムラインに合わせることができます。

お客様のタスクに応じて、さまざまなレベルのアーキテクチャ レビューを提供できます。このレビューは、サービスの中断、リスクの増大、費用の増加を引き起こす可能性のある、陥りやすい誤りを避けるために役立ちます。レビューは移行の過程でいつでも実施できます。

開始方法

データセンターの移行では、時間をかけて慎重に検討することになります。Google は、お客様が成功するために必要なすべてのツール、ノウハウ、サポートをパートナーに提供します。移行をご検討中であれば、無料のクラウド能力評価または無料の移行費用評価に登録して、移行をすぐに始めましょう。あるいはもっと簡単なものから始めるには、新しいクラウド移行ガイドとチェックリストをご確認ください。

次回は、イベント管理やエスカレーション管理など、プログラム ガバナンスに関するトピックについて詳しくご説明します。

-Google Cloud テクニカル アカウント マネージャー Khalid Medhat

-Google Cloud プロフェッショナル サービス担当ロサンゼルス地域リード Min Lee
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