AI を活用した BigQuery 移行サービスを使ってデータ プラットフォームの移行を簡素化

Mohit Virendra
Head of Product Management, Data & Analytics
Sajal Agarwal
Senior Product Manager, Data & Analytics
※この投稿は米国時間 2025 年 4 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
「データから AI への統合プラットフォーム」である BigQuery にデータ ワークロードを非常に簡単に移行できるようになりました。今後は、最新のデータ プラットフォームに移行してデータアセットを最大限活用するか、リスクを抑えるため現状を維持するかで迷う必要はありません。BigQuery 移行サービスを使えば両方を実現できます。BigQuery 移行サービスは、無料で使えるクラウドネイティブ サービスのコレクションで、移行プロセスを分割して、テンプレート化された繰り返し実行できる管理しやすいステップにすることにより、データ ウェアハウスとデータレイクの大規模な変換を可能にします。オンプレミスとクラウド プラットフォームからデータ、コード、ビジネス ロジックを BigQuery に移行でき、その際には、「次に取るべき最適なアクション」のアプローチを使用して、移行にかかる時間をできる限り短縮し、ビジネス変革の ROI を最大化します。
Google Cloud Next 25 では、データ サイエンスへの対応や、データ エンジニアリングとデータ分析のワークロードに対するサポートの拡大など、BigQuery 移行サービスの新たなイノベーションを発表しました。新しい機能はデータ プラットフォームの移行における 4 つの段階、1)自動評価と計画、2)自動コード変換、3)データ移行、4)検証のそれぞれに導入されています。


BigQuery 移行サービス
BigQuery 移行サービスの新しいイノベーションについてご紹介します。
1. 総所有コストの試算を含む自動検出と評価
データ プラットフォームの移行は、移行元の環境の自動検出と評価から始まります。BigQuery 移行サービスの自動評価では、既存の環境に関する詳細情報、BigQuery に移行した場合のワークロードの想定される状態(パフォーマンスや総所有コストの試算など)に関する役に立つ分析ビュー、そして BigQuery への移行方法(移行計画)について確認できます。Google Cloud コンソールのボタンを押すだけで評価を実行でき、詳細な Looker Studio レポートと BigQuery データセットが出力されます。評価は Teradata、Snowflake、Redshift で利用できます。さらに Oracle の Exadata と Cloudera の Hive の評価が今すぐ利用できるようになったことと、Databricks の評価が近日公開されることをこのたび発表しました。
体系立てて移行を実行し成功させるため、プレビュー版のソースリネージ サービスも発表しました。このサービスはワークロード間の依存関係を自動的に識別してグループ化し、ワークロードを処理する明確な順序を特定することで、リスクとサービスの中断を最小限に抑え、価値創出までの時間を短縮します。
2. 自動コード変換
過去数年間の BigQuery 移行サービスに対する投資のうち、特に大規模なものの一つが、15 種類以上のソースからコードを移行できるコード変換サービスです。今回、Google は Gemini 拡張コード変換の機能強化を発表しました。この機能はこれまでインタラクティブ モードでのみ利用できましたが、今後は言わば Google 翻訳のようにコードを変換できるようになります。
Gemini 拡張コード変換はバッチモードと API モードでも利用可能となり、大規模な移行において役に立ちます。3 種類のモードすべてをサポートする新しい統合 Translation API と組み合わせて、まずバッチモードまたは API モードで大量のコードを変換し、その後インタラクティブ モードを使ってファインチューニングとデバッグができます。


Gemini 拡張変換
Gemini でコードの前処理もできるようになったため、SQL だけでなく、XML 内に SQL が埋め込まれた ETL ジョブなど、その他の種類のコードも移行できます。つまり、完全にクリーンな SQL を送信する必要はありません。まだコンパイラに完全対応していないソースからもコードを変換できます。
最後に、コンソールのユーザー エクスペリエンスを改善しました。変換プロセスの各ステップで手順について説明があり、移行を完了するための次に取るべき最適なアクションが提案されます。


ユーザー エクスペリエンスの改善
このような機能強化によって、コード変換にかかる時間が大幅に短縮されると同時に、95% 超の精度を確保したまま、より効率的に大規模な移行作業を実施できるようになります。
3. データ、メタデータ、権限の移行
これまで、BigQuery 移行サービスでは Teradata と Amazon Redshift からの大規模なデータ移行をサポートしていました。このたび BigQuery 移行サービスは Teradata からの増分アップデート、Cloudera からのバッチおよび増分ファイルと権限の移行、Snowflake からのバッチおよび増分データの移行をサポートするようになります。これらはすべてプレビュー版です。移行されるデータはすべて、移行プロセスの一環で自動的に検証が行われます。
4. インテリジェントなエンドツーエンドの検証
移行プロセスの各ステップには、スキーマとデータ型のアップデートを組み込める、インテリジェントな検証メカニズムがまもなく導入されます。これまでの検証は静的データのチェックサム比較でした。検証にソースリネージを組み合わせることで、移行元の環境と移行先の環境の不一致を簡単にすばやく特定できます。この包括的なコード、データ、依存関係の検証により、ビジネス アプリケーションをそのまま維持して、段階的に移行できます。
データ プラットフォーム移行の 4 つの段階それぞれにおいて、これらのイノベーションにより、移行プロセスを自動化すると同時にリスクを軽減し、確実な成果の実現と ROI の早期達成が可能になります。
お客様成功事例
お客様はミッション クリティカルなワークロードの移行に関して、BigQuery 移行サービスに信頼を置いています。BigQuery 移行サービスの利用は、前年比 3 倍に増加しており、何千ものお客様がこのサービスを使用して、ワークロードを BigQuery に移行しています。
「Databricks から BigQuery に移行し、当社独自のモデルを Google Cloud が提供するモデルと組み合わせることで、ML プロセスのパフォーマンスと効率が向上し、継続的な成長に向けてより良い体制を整えることができました。」- Yassir、AI 責任者 Hamdi Amroun 氏
「BigQuery により、VMO2 はこれまでにないスケーラビリティと柔軟性を手に入れました。データ プラットフォームの可用性と稼働時間が改善し、その結果としてカスタマー エクスペリエンスが向上しました。また、すべての主要機能を Google Cloud に移行することで、TCO を同等のオンプレミス プラットフォームと比べて約 30% 削減できました。」- Virgin Media O2、データ アーキテクチャ責任者 Vinay Pai 氏
次のステップ
データ プラットフォームを BigQuery に移行される際は、いつでもサポートいたします。
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BigQuery 移行サービスの詳細をご確認いただき、無料でお試しください。
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Google Cloud コンサルティングにご連絡いただき、BigQuery 移行サービスに対応している移行パートナーを選べば、確実で費用対効果が高い成果を実現できます。
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-データ分析担当プロダクト管理責任者 Mohit Virendra
-データ分析担当シニア プロダクト マネージャー Sajal Agarwal