企業データを Google の新しい Antigravity IDE に接続する
Rahul Deshmukh
Senior Product Manager, AI for Databases
Averi Kitsch
Staff Software Engineer, AI for Databases
※この投稿は米国時間 2025 年 12 月 16 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
AI の最先端技術は、単純なチャット インターフェースから、複雑なワークフローを計画、実行、改良できる自律型エージェントへと急速に移行しています。こうした新たな状況においては、これらのインテリジェント エージェントを企業データにグラウンディングする能力こそが、真のビジネス価値を引き出す鍵となります。Google Cloud はこの変革の最前線に立ち、堅牢なデータドリブン アプリケーションを迅速かつ正確に構築できるようお客様を支援しています。
先月、Google は AI ファーストの統合開発環境(IDE)である Antigravity を発表しました。そして今回、Antigravity で構築した AI エージェントに、組織を支える信頼できるデータ インフラストラクチャへの直接的かつ安全なアクセスを提供できるようになりました。これにより、抽象的な推論が具体的なデータ認識型アクションへと変わります。Antigravity 内で MCP Toolbox for Databases を利用した Model Context Protocol(MCP)サーバーが利用可能になったことで、開発ワークフロー内で AI エージェントを Google のデータクラウド内の AlloyDB for PostgreSQL、BigQuery、Spanner、Cloud SQL、Looker などのサービスに安全に接続できます。
Antigravity で MCP を使用する理由
Antigravity は、ユーザーがフローを維持できるように設計されていますが、AI エージェントの能力は「知っていること」によって制限されます。本当に役立つアプリケーションを構築するには、エージェントがデータを理解する必要があります。MCP はユニバーサル トランスレータとして機能します。AI 向け USB-C ポートのようなものと考えることができます。これにより、IDE の LLM が標準化された方法でデータソースに接続できるようになります。事前構築済みの MCP サーバーを Antigravity に直接統合することで、手動で構成する必要がなくなります。エージェントがデータベースと直接会話できるようになり、IDE を離れることなくより迅速に構築と反復処理を行えるようになります。
MCP サーバーを使ってみる
Antigravity では、エージェントをデータに接続する作業は UI を使用して行われるため、データベース接続を動作させるためだけに複雑な構成ファイルと格闘するという、誰もが経験したことのある課題が解消されます。使用を開始する方法は以下のとおりです。
1. 発見とリリース
Google Cloud 向け MCP サーバーは、Antigravity MCP ストアで入手できます。「AlloyDB for PostgreSQL」や「BigQuery」など必要なサービスを検索し、[インストール] をクリックして設定プロセスを開始します。


Antigravity MCP ストアのリリース
2. 接続を構成する
Antigravity には、プロジェクト ID やリージョンなどのサービスの詳細を追加できるフォームが表示されます。また、パスワードを入力するか、Antigravity に Identity and Access Management(IAM)認証情報を使用させることで、セキュリティを強化することもできます。これらは安全に保存されるため、エージェントはチャット ウィンドウで未加工のシークレットを公開することなく、必要なツールにアクセスできます。


AlloyDB for PostgreSQL MCP サーバーのインストール
エージェントの活用事例を見る
Antigravity に接続すると、エージェントはユーザーを支援するために使用できる「ツール」(実行可能な関数)のスイートを獲得し、さまざまなサービスにわたって開発とオブザーバビリティのエクスペリエンスを変革するのに役立ちます。一般的なシナリオをいくつか見てみましょう。
AlloyDB for PostgreSQL によるデータベース タスクの効率化
PostgreSQL などのリレーショナル データベースに対して構築する場合、スキーマ名の確認やクエリのテストのために IDE と SQL クライアントを切り替えるのに時間がかかることがあります。AlloyDB MCP サーバーを使用すると、エージェントがそのコンテキストを処理し、データベース管理を実行して、アプリに含めることができる高品質の SQL コードを生成する機能を獲得します。これらすべてが Antigravity インターフェース内で実行されます。
例:
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スキーマの探索: エージェントは list_tables と get_table_schema を使用してデータベース構造を読み取り、関係を即座に説明できます。
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クエリの開発: エージェントに「上位 10 ユーザーを検索するクエリを作成して」と指示すると、execute_sql を使用してクエリを実行し、結果をすぐに確認できます。
- 最適化: コードをコミットする前に、エージェントを使用して get_query_plan を実行し、ロジックがパフォーマンスに優れていることを確認します。


MCP ツールを使用した Antigravity エージェント
BigQuery で分析を促進する
大量のデータが必要になるアプリケーションの場合、エージェントは有能なデータ アナリストとして機能します。BigQuery MCP サーバーを活用することで、たとえば以下のようなことが可能になります。
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予測: forecast を使用して過去のデータに基づいて将来の傾向を予測します。
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カタログの検索: search_catalog を使用してデータアセットを検出、管理します。
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拡張分析: analyze_contribution を使用してさまざまな要因がデータ指標に与える影響を把握します。
Looker で真実を構築する
Looker は、ビジネス指標における信頼できる唯一の情報源として機能します。Looker の MCP サーバーにより、エージェントはコードとビジネス ロジックのギャップを埋めることができます。たとえば、
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指標の整合性の確保: フィールド名が total_revenue なのか revenue_total なのかを推測する必要がなくなります。get_explores と get_dimensions を使用して、エージェントに「ネット リテンションの正しい指標は何ですか?」と質問し、セマンティック モデルから正確なフィールド参照を取得します。
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ロジックを即座に検証: ダッシュボードをデプロイして理論をテストするまで待つ必要はありません。run_query を使用して、IDE で直接 Looker モデルに対してアドホック テストを実行することで、アプリケーション ロジックがライブデータと一致するようになります。
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監査レポート: run_look を使用して、既存の保存済みレポートから結果を抽出します。これにより、アプリケーションの出力が公式のビジネス レポートと一致していることを確認できます。
Antigravity でデータを活用して構築する
Google のデータクラウド MCP サーバーを Antigravity に統合することで、AI を使用した分析情報の発見や新しいアプリケーションの開発がこれまで以上に簡単になりました。ビジネスを運営するさまざまなデータソースにアクセスできるようになった今、コードに話しかけるだけでなく、ユーザーに新しいエクスペリエンスを提供できるようになりました。
実際にやってみるには、以下のリソースをご覧ください。
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ドキュメント: MCP を使用して AlloyDB に接続する
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GitHub: MCP Toolbox for Databases
-データベース向け AI 担当シニア プロダクト マネージャー Rahul Deshmukh
-データベース向け AI 担当スタッフ ソフトウェア エンジニア Averi Kitsch


