コンテンツに移動
API 管理

API を活用したデジタル トランスフォーメーションの年

2021年1月20日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 1 月 9 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2020 年は、消費者の行動やマーケットの動向が急激に変化し、多くの企業にとって厳しい年となりました。デジタル チャネルへの移行は今に始まったことではありません。2019 年の時点で、多くの業界にまたがるコマースとコラボレーションにおいて、すでにデジタル チャネルが推奨されていました。しかしパンデミックが世界に拡大したことで、多くの企業にとってデジタル チャネルが最初で唯一の選択肢となりました。推奨だったデジタル チャネルが短期間のうちに必須となったのです。

Adobe Analytics によると、2020 年のブラック フライデーの売り上げは 2019 年と比較すると、22% の伸びを記録し、サイバー マンデーの売り上げは 15.1% 増加となっています。さらに重要なのは、この傾向が長く続くと予測されることです。McKinsey の調査では、顧客の 60% が 2020 年にショッピング行動を変えたと報告されています。

この 1 年、対面、実店舗の販売形式が世界の多くで停滞してしまいました。この状況の下、企業のデジタル チャンネルへの移行能力と、顧客と新しい方法で交流する能力が企業に求められています。API はこうしたデジタル インタラクションの活用において基盤となるメカニズムで、API 管理機能は、多くの企業が COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響を乗り越えるために欠かせないものとなっています。

API 管理プラットフォームのロール

Google は、API 管理に投資している多くの企業が、このような困難な時期でも、さまざまな面でメリットを得ていることを目にしています。次に例を示します。

  • イノベーションを迅速に実現: 従来のシステムに課題を抱えている企業が API を使用して貴重なデータとサービスを活用し、デベロッパーが新しい環境を迅速に構築できました。詳しくは、Google Cloud Next ‘20: OnAir で公開された、こちらの動画をご覧ください。Australian Energy が、API を活用してオープンデータ向けハブを構築した方法を解説しています。

  • ビジネス エコシステムを構築: 企業は API を通じてパートナー エコシステムと連携、迅速に統合することで、ビジネスモデルを変革できました。こちらの記事で、CHAMP Cargosystems が、COVID-19 による混乱を航空会社が切り抜けられるよう、エコシステム戦略をどのように実施したか、ご覧ください。

  • AI でオペレーションを自動化: ブラック フライデーやサイバー マンデーのようなオンライン アクティビティがピークに達するときでも、トラフィック予測、異常検出などの AI を活用した機能と、API モニタリングによって、ビジネス クリティカルな問題に注力し、サービスを中断することなくオンライン状態に保つことができました。こちらの動画で、TMobile による API 活用の仕組みと、モバイル サービスから機械学習、モノのインターネットなど、多様なテクノロジー エコシステムにまたがり、API によって実現したプロセスの自動化をご覧ください。

  • 新たな収益源を開拓: 2020 年は、多くの企業が総収益の減少に苦しみました。しかし、API プロダクトの収益化によって、一部の企業は新たな収益源を見出し、競争力を維持することができました。こちらのオンデマンド ウェブセミナーで、多国籍通信企業大手の MTN Group が、どのように API を活用して新たな収益機会を見出しているか、ご覧ください。

API 管理における Google Cloud の継続的なイノベーション

企業が 2020 年の困難な状況を乗り越えると同時に、数年にわたり展開してきた企業の IT を最新状態にするため、Google Cloud は API 管理でお客様を支援するため、年間を通して次のような新機能を公開しました。

ソート リーダーシップ、ベスト プラクティス、API コミュニティとのエンゲージメント

Google は、API をさらに活用しようとしているデベロッパー、技術者、ビジネス リーダーのコミュニティとのエンゲージメントを継続しました。

たとえば、Google はエンタープライズ API プログラムの構築とスケーリングをサポートする、現場で実証されたベスト プラクティスと実際のユースケースを共有するポッドキャスト シリーズの That Digital Show を公開しました。加えて Business Innovation Roadshow で、未来学者のような思考で新たなビジネス チャンスを評価する方法、重要なテクノロジー シグナルを見極める方法、API ファーストの戦略を構築するための対処のタイミングと方法をご紹介しました。

Google の新しい電子書籍 The Path of Most Resilience では、業務の効率化、イノベーションの加速化、カスタマー エクスペリエンスの向上を通じて API をビジネス レジリエンスの構築に役立てる 3 つの具体的な方法について説明しています。

さらに、お客様が見逃している場合に備え、さまざまなブログ投稿や記事も公開しました。API のメリットのすべてはこちらでご覧ください。

Google のソート リーダーシップの取り組みには、次のような業界固有のディスカッションも含まれています。


最後にご紹介するのは、Google が Oxford Economics と協力し、世界各地のさまざまな業種の大企業(収益が 20 億ドル以上)の 1,000 人を超える CIO を対象として、デジタル ビジネス エコシステム戦略と、この戦略の導入から企業が得たメリットを把握するために行った調査についてです。主要な調査結果と、デジタル エコシステムの構築とスケーリングでの API のロールについては、こちらでご確認いただけます。

次のステップ

マーケットの動向の変化の多くは、パンデミックにより世界中の企業が業務の停滞を余儀なくされ、デジタル トランスフォーメーションの実現が急務となる前から、消費者の行動とビジネスの運営方法に長期間影響を及ぼしています。Oxford Economics による調査から、ビジネス リーダーが、競争力を高めるために必要な最新のデジタル エクスペリエンスと効率性に API を連携させていたことがわかっています。オフィス、店舗、自宅、現場など、さまざまなフォーム ファクタにまたがるデジタル エクスペリエンスでは、仕事のやり方、お客様と企業との交流方法、企業同士の交流方法など、定めることが増えていきます。さまざまなシステムのデータと機能間での交流と自動化は、このエクスペリエンスを強化します。API は今後も、この交流を強化し続けます。

2021 年に向け、企業が取り組みを変革し、グローバルに展開するため、企業にはデジタル トランスフォーメーションにとらわれない考え方が必要になります。この考え方は、企業がリーダーとして際立つよりも重要な課題となっています。企業にはデジタル エクセレンスを普及させることが求められます。これは API 管理機能の重要性が増すことを意味します。API の使用は成功の前提条件ではありますが、使用するだけでは不十分です。企業は、より充実した広範囲に及ぶカスタマー エクスペリエンスを確立するため、対象外のユーザー層のデータを収益化するなどの新たなビジネスモデルの創出や、企業の独自の API をソーシャル ネットワークのパートナーシップと連携するなどの新たなパートナーシップの構築に向けて API を活用する必要があります。企業は、デベロッパーとエンドユーザーの行動の傾向を見極め、デジタル サービスをさらに強化して攻撃者に対抗するため、機械学習を適用した API から学ぶ必要があります。そして、企業の API を新しい方向に拡張し、これを従来型のデベロッパーだけでなく、新しいタイプのノーコード アプリケーション デベロッパーに開放する必要があります。

お客様の取り組みをデジタル エクセレンスの普及に生かすため、Google は来年いくつかの新機能をリリースする予定です。この新機能により、Google Cloud から提供される業界トップクラスのサービスをお客様が活用することで、API プログラム導入が推進されます。ぜひご活用ください。

-ビジネス アプリケーション プラットフォーム部門プロダクト管理ディレクター(担当責任者) Bala Kasiviswanathan
投稿先