新たな Data Residency (DRZ) 保証で生成 AI の活用を支援
Google Cloud Japan Team
生成 AI へのアクセスおよび Data Residency(保存時の暗号化)に日本が新たに追加
※この投稿は米国時間 2023 年 11 月 14 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
エンタープライズ向けの生成 AI に対する需要が世界中で高まっています。多くの企業が生成 AI を最大限に活用する方法を模索する中、多くの企業がデータ主権の探求や厳しさを増す国際的な規制要件に対応するため、データの保存先を管理したいと考えるようになっています。
本日より、Google Cloud の生成 AI サービスをご利用のお客様は、日本を含むアジア、北米、欧州の 10 か国から Data Residency(DRZ: データ所在地)を選択することが可能になります。これは、Data Residency を継続的に拡大し、業界の要求に応え続けることへの Google Cloud の継続的なコミットメントの表れです。
新たな Vertex AI の Data Residency
Vertex AI の生成 AI 機能向けの新たな Data Residency に対するコミットメント により、Google Cloud の 一般サービス規約 に基づき、お客様が選択した場所での顧客データの保存を保証します。詳細は以下の通りです。
- Vertex AI における生成 AI: PaLM 2、Codey、Imagen モデル、および Text Embeddings と Multimodal Embeddings API を対象にお客様に以下のデータ保存のオプションを提供
- 北米: 米国、カナダ
- 欧州: オランダ、フランス、英国、ドイツ、ベルギー
- アジア: 日本、シンガポール、韓国
- Vertex AI Search: 以下のデータ保存を提供
- 北米: 米国(マルチリージョン)
- 欧州: EU(マルチリージョン)
- Vertex AI Conversation: 以下のマルチリージョンのデータストアのオプションを提供
- 北米: 米国(マルチリージョン)
- 欧州: EU(マルチリージョン)
*今後数週間以内に Data Residency に関するコミットメントページに反映予定
「大規模言語モデルである PaLM2 をはじめとする生成 AI の基盤モデルのデータレジデンシーが日本リージョンに対応し、データの保存場所をコントロールすることが可能となるのは、金融業界を始めとする高いセキュリティとガバナンス基準を求める業界にとって非常に重要なアップデートであり喜ばしく思います。」
- 株式会社みんなの銀行 執行役員 CIO 宮本昌明氏
Google Cloud は、今後も世界中のより多くの地域で、Data Residency のコントロールを備えた生成 AI 機能を提供していきます。
エンタープライズ対応の 生成 AI
Google Cloud の新たな Data Residency 保証は、エンタープライズ グレードのスケール、安全性、セキュリティ、プライバシーを備えた AI サービスの提供に対するコミットメントを裏付ける発表です。Google Cloudは、世界中の企業が AI の力を活用できるよう、Google の 研究を製品に反映させる重要な役割を担っていることを認識しています。
顧客データとプライバシーの保護は、Google Cloud の中核的なミッションの一つです。AI の進化と普及が進むにつれ、この取り組みはさらに重要になっています。今回発表した Data Residency の対象地域外では、以下のようにお客様のデータを扱っています。
- お客様は、データとモデルを管理し、アクセスをコントロールできます。誰がデータやモデルにアクセスでき、それらの資産をどのように使用できるかを決めることができます。
- お客様は、データやモデルの保存場所および保存方法を制御できます。指定の場所にデータを保存し、指定された地理的境界の外への展開を防ぐことができます。
- Google がお客様のデータを使用することはありません。Google のモデルや、他社が使用するモデルのトレーニングに、許可なくお客様のデータを使用することはありません。
- お客様はいつでもデータにアクセスできます。 Google のデータセンターとネットワーク アーキテクチャは、高い信頼性と耐障害性を実現する設計となっています。Google の AI 製品は、ほかの Google Cloud サービスと同様の高い可用性基準に準拠しています。
- お客様にデフォルト設定でエンタープライズ グレードのセキュリティとプライバシーを提供しています。Google Cloud の AI サービスでは、特定のセキュリティ ニーズや規制要件を満たすため、プライバシー保護ときめ細やかなセキュリティ制御をデータとモデル全体に適用できます。
さらに、これらの保証は、技術的な管理、契約条件、業界で認められた認定および監査によって裏付けられています。Google は、リスク管理に対して 運命の共有アプローチを用いており、お客様が Google の AI プラットフォームでモデルを構築またはチューニングする場合、Google はお客様とパートナーシップを結び、データとモデルを保護します。こうした取り組みには、サイバーセキュリティに対する協力的なアプローチや、企業が AI 特有のリスクを軽減するための実践的な考察を提供する セキュア AI フレームワーク(SAIF) の開発などが含まれます。
Google Cloud は、今後も Data Residency の拡大に取り組んでいきます。Google Cloud がどのように AI サービスを開発しているかについての詳細は責任ある AI への取り組み を、Google Cloud の AI プラットフォームの詳細についてはこちらをご覧ください。
-Cloud AI, Product Management, Sr. Director,Warren Barkley