Spanner 外部データセットを作成する
このドキュメントでは、BigQuery で Spanner の既存のデータベースにリンクされる外部データセット(連携データセット)を作成する方法について説明します。
外部データセットは、BigQuery と外部データソース間のデータセット レベルでの接続です。これにより、Spanner から BigQuery ストレージにデータを移動することなく、GoogleSQL を使用して Spanner データベース内のトランザクション データをクエリできます。
外部データセット内のテーブルは、対応する外部データソース内のテーブルから自動的に入力されます。BigQuery では、これらのテーブルに対して直接クエリを実行できますが、変更、追加、削除はできません。ただし、外部データソースでの更新は、BigQuery に自動的に反映されます。
必要な権限
外部データセットを作成するために必要な権限を取得するには、BigQuery ユーザー(roles/bigquery.user
)IAM ロールを付与するよう管理者に依頼してください。ロールの付与については、プロジェクト、フォルダ、組織へのアクセス権の管理をご覧ください。
この事前定義ロールには、外部データセットの作成に必要な bigquery.datasets.create
権限が含まれています。
カスタムロールや他の事前定義ロールを使用して、この権限を取得することもできます。
BigQuery における IAM ロールと権限の詳細については、IAM の概要をご覧ください。
外部データセットを作成する
外部データセットの作成手順は次のとおりです。
コンソール
Google Cloud コンソールで [BigQuery] ページを開きます。
[エクスプローラ] パネルで、データセットを作成するプロジェクトを選択します。
[アクション] オプションを開いて、[データセットを作成] をクリックします。
[データセットを作成する] ページで、次の操作を行います。
- [Dataset ID] に、データセットの一意の名前を入力します。
- [ロケーション タイプ] で、データセットのロケーション(
us-central1
やマルチリージョンのus
など)を選択します。データセットの作成後にロケーションを変更することはできません。 [外部データセット] で、次の操作を行います。
- [外部データセットへのリンク] の横にあるチェックボックスをオンにします。
- [外部データセットのタイプ] で [
Spanner
] を選択します。 - [外部ソース] に、Spanner データベースの完全な識別子を
projects/PROJECT_ID/instances/INSTANCE/databases/DATABASE
の形式で入力します。例:projects/my_project/instances/my_instance/databases/my_database
。 - 省略可: [データベース ロール] に、Spanner データベース ロールの名前を入力します。詳細については、Spanner 接続の作成に使用されるデータベース ロールをご覧ください。
その他のデフォルトの設定はそのままにします。
[データセットを作成] をクリックします。
SQL
CREATE EXTERNAL SCHEMA
データ定義言語(DDL)ステートメントを使用します。
Google Cloud コンソールで [BigQuery] ページに移動します。
クエリエディタで次のステートメントを入力します。
CREATE EXTERNAL SCHEMA DATASET_NAME OPTIONS ( external_source = 'SPANNER_EXTERNAL_SOURCE', location = 'LOCATION');
次のように置き換えます。
DATASET_NAME
: BigQuery での新しいデータセットの名前。SPANNER_EXTERNAL_SOURCE
: ソースを識別する接頭辞を含む Spanner データベースの完全修飾名(google-cloudspanner://[DATABASE_ROLE@]/projects/PROJECT_ID/instances/INSTANCE/databases/DATABASE
の形式)。たとえば、google-cloudspanner://admin@/projects/my_project/instances/my_instance/databases/my_database
や、google-cloudspanner:/projects/my_project/instances/my_instance/databases/my_database
です。LOCATION
: BigQuery での新しいデータセットのロケーション(例:us-central1
)。データセットを作成した後に、そのロケーションを変更することはできません。
[
実行] をクリックします。
クエリの実行方法については、インタラクティブ クエリを実行するをご覧ください。
bq
コマンドライン環境で bq mk
コマンドを使用して外部データセットを作成します。
bq --location=LOCATION mk --dataset \ --external_source SPANNER_EXTERNAL_SOURCE \ DATASET_NAME
次のように置き換えます。
LOCATION
: BigQuery での新しいデータセットのロケーション(例:us-central1
)。データセットを作成した後に、そのロケーションを変更することはできません。デフォルトのロケーション値を設定するには、.bigqueryrc
ファイルを使用します。SPANNER_EXTERNAL_SOURCE
: ソースを識別する接頭辞を含む Spanner データベースの完全修飾名(google-cloudspanner://[DATABASE_ROLE@]/projects/PROJECT_ID/instances/INSTANCE/databases/DATABASE
の形式)。たとえば、google-cloudspanner://admin@/projects/my_project/instances/my_instance/databases/my_database
や、google-cloudspanner:/projects/my_project/instances/my_instance/databases/my_database
です。DATASET_NAME
: BigQuery での新しいデータセットの名前。デフォルト プロジェクト以外のプロジェクト内にデータセットを作成するには、PROJECT_ID
:DATASET_NAME
の形式でそのプロジェクト ID をデータセット名に追加します。
Terraform
google_bigquery_dataset
リソースを使用します。
BigQuery に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、クライアント ライブラリの認証を設定するをご覧ください。
次の例では、Spanner 外部データセットを作成します。
resource "google_bigquery_dataset" "dataset" { provider = google-beta dataset_id = "example_dataset" friendly_name = "test" description = "This is a test description." location = "us-central1" external_dataset_reference { external_source = "google-cloudspanner:/projects/my_project/instances/my_instance/databases/my_database" } }
Google Cloud プロジェクトで Terraform 構成を適用するには、次のセクションの手順を完了します。
Cloud Shell を準備する
- Cloud Shell を起動します。
-
Terraform 構成を適用するデフォルトの Google Cloud プロジェクトを設定します。
このコマンドは、プロジェクトごとに 1 回だけ実行する必要があります。これは任意のディレクトリで実行できます。
export GOOGLE_CLOUD_PROJECT=PROJECT_ID
Terraform 構成ファイルに明示的な値を設定すると、環境変数がオーバーライドされます。
ディレクトリを準備する
Terraform 構成ファイルには独自のディレクトリ(ルート モジュールとも呼ばれます)が必要です。
-
Cloud Shell で、ディレクトリを作成し、そのディレクトリ内に新しいファイルを作成します。ファイルの拡張子は
.tf
にする必要があります(例:main.tf
)。このチュートリアルでは、このファイルをmain.tf
とします。mkdir DIRECTORY && cd DIRECTORY && touch main.tf
-
チュートリアルを使用している場合は、各セクションまたはステップのサンプルコードをコピーできます。
新しく作成した
main.tf
にサンプルコードをコピーします。必要に応じて、GitHub からコードをコピーします。Terraform スニペットがエンドツーエンドのソリューションの一部である場合は、この方法をおすすめします。
- 環境に適用するサンプル パラメータを確認し、変更します。
- 変更を保存します。
-
Terraform を初期化します。これは、ディレクトリごとに 1 回だけ行います。
terraform init
最新バージョンの Google プロバイダを使用する場合は、
-upgrade
オプションを使用します。terraform init -upgrade
変更を適用する
-
構成を確認して、Terraform が作成または更新するリソースが想定どおりであることを確認します。
terraform plan
必要に応じて構成を修正します。
-
次のコマンドを実行します。プロンプトで「
yes
」と入力して、Terraform 構成を適用します。terraform apply
Terraform に「Apply complete!」というメッセージが表示されるまで待ちます。
- Google Cloud プロジェクトを開いて結果を表示します。Google Cloud コンソールの UI でリソースに移動して、Terraform によって作成または更新されたことを確認します。
API
datasets.insert
メソッドを、定義済みのデータセット リソースと Spanner データベースの externalDatasetReference
フィールドを指定して呼び出します。
外部データセット内のテーブル名は、大文字と小文字が区別されません。
外部データセット内のテーブルを一覧表示する
外部データセット内のクエリに使用できるテーブルを一覧表示するには、データセットの一覧表示をご覧ください。
テーブル情報を取得する
スキーマの詳細など、外部データセット内のテーブルの情報を取得するには、テーブル情報の取得をご覧ください。
テーブルへのアクセスを制御する
Spanner 外部データセットは、エンドユーザー認証情報(EUC)をサポートしています。つまり、外部データセットからの Spanner テーブルへのアクセスは Spanner によって制御されます。ユーザーは、Spanner でアクセス権が付与されている場合にのみ、これらのテーブルに対してクエリを実行できます。
Spanner データにクエリを実行する
外部データセット内のテーブルのクエリは、他の BigQuery データセット内のテーブルに対するクエリと同じです。ただし、データ変更オペレーション(DML)はサポートされていません。
Spanner 外部データセット内のテーブルに対するクエリでは、デフォルトで Data Boost が使用されます。これは変更できません。そのため、このようなクエリを実行するには追加の権限が必要です。
外部データセットにビューを作成する
外部データセット内にはビューを作成できません。一方、外部データセットのテーブルに基づく標準データセットには、ビューを作成できます。詳細については、ビューの作成をご覧ください。
外部データセットを削除する
外部データセットの削除は、他の BigQuery データセットの削除と同じです。外部データセットを削除しても、Spanner データベース内のテーブルには影響しません。詳細については、データセットの削除をご覧ください。
制限事項
- BigQuery 連携クエリの制限事項が適用されます。
- Spanner データベースのテーブルに、BigQuery でサポートされていない型の列が含まれている場合、この列には BigQuery 側からアクセスできません。
- Spanner 外部データセットのテーブル内のデータやメタデータは、追加、削除、更新できません。
- Spanner 外部データセットには、新しいテーブル、ビュー、マテリアライズド ビューを作成できません。
INFORMATION_SCHEMA
ビューはサポートされていません。- メタデータのキャッシュ保存はサポートされていません。
- テーブルの作成のデフォルトに関連するデータセット レベルの設定は、テーブルを手動で作成できないため、外部データセットには影響しません。
- PostgreSQL 言語を使用する Spanner データベースはサポートされていません。
- Write API と Read API はサポートされていません。
- 行レベルのセキュリティ、列レベルのセキュリティ、データ マスキングはサポートされていません。
- Spanner 外部データセットのテーブルに基づくマテリアライズド ビューはサポートされていません。
- Dataplex とのインテグレーションはサポートされていません。たとえば、データ プロファイルとデータ品質スキャンはサポートされていません。
- テーブルレベルのタグはサポートされていません。
- クエリの作成時に、Spanner 外部テーブルで SQL 自動補完は機能しません。
- Sensitive Data Protection によるスキャンは、外部データセットではサポートされていません。
- 外部データセットでは Analytics Hub との共有はサポートされていません。
- Spanner 外部データセットを参照する承認済みビューを作成できます。ただし、このビューに対してクエリが実行されると、クエリを実行したユーザーの EUC が Spanner に送信されます。
次のステップ
- Spanner 連携クエリの詳細を確認する。