割り当ての調整

このページでは、割り当て調整を使用して割り当てを調整する方法について説明します。

割り当て調整は、リソース消費量を監視し、ユーザーに代わって割り当ての調整リクエストをプロアクティブに送信します。リソース使用量をモニタリングし、割り当て調整リクエストを事前に送信することで、割り当て値に達したことによるサービスの停止を防ぐことができます。割り当て調整を使用すると、リソース使用量の予期しない増加を監視する必要がなくなり、割り当ての調整を手動でリクエストする回数を減らすことができます。

割り当て調整の仕組み

割り当て調整を有効にすると、該当するすべての割り当てがモニタリングされ、次のロジックが適用されます。

  • 割り当て調整は、指定された期間にピーク使用量が割り当て値に近づいたかどうかを確認します。
  • その場合、割り当て調整は割り当て値の引き上げを試みます（通常は 10～20%）。

割り当て値の引き上げが可能な場合は、その引き上げが承認され、割り当て値が調整されます。割り当て調整が有効であるかどうかにかかわらず、いつでも割り当て値の引き上げを手動でリクエストできます。

割り当て調整は、割り当て値を増やすための割り当て調整リクエストのみを送信します。引き下げは試みません。手動割り当て上限が設定されている割り当ての場合、割り当て調整は割り当て調整リクエストを送信しません。

割り当て調整によって行われたリクエストは、Google Cloud コンソールの [割り当て] ページで確認できます。割り当て調整によって開始された変更をモニタリングするためにアラートを設定することもできます。

制限事項

割り当て調整には次の制限があります。

  • 割り当て調整の設定は、プロジェクト単位でのみ利用できます。
  • 割り当て調整の設定には、Google Cloud コンソールからのみアクセスできます。

可用性

割り当て調整は、追加の割り当てをいつリクエストすべきかを正確に判断するために、十分な量の履歴データを必要とします。このため、割り当て調整を有効にするオプションは、正確な予測をサポートするために十分な履歴アクティビティがあるプロジェクトでのみ使用できます。

次の Compute Engine の割り当てを割り当て調整で自動的に増やすことができます。

  • CPU
  • C2 CPU
  • C2D CPU
  • 使用中のリージョン外部 IPv4 アドレス
  • N2 CPU
  • N2D CPU
  • Persistent Disk SSD（GB）
  • Persistent Disk Standard（GB）
  • プリエンプティブル NVIDIA A100 80 GB GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA A100 GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA H100 GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA H100 MEGA GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA K80 GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA L4 GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA L4 仮想ワークステーション GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA P100 GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA P100 仮想ワークステーション GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA P4 GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA P4 仮想ワークステーション GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA T4 GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA T4 仮想ワークステーション GPU
  • プリエンプティブル NVIDIA V100 GPU

調整の対象となる割り当ての一覧については、Google Cloud コンソールで [割り当て] ページの [構成] タブをご覧ください。

割り当て調整を有効にする

割り当て調整を有効にするには、次の IAM 権限が必要です。

  • cloudquotas.quotas.update
  • cloudquotas.quotas.get

Google Cloud プロジェクトで割り当て調整を有効にするには:

  1. [IAM と管理] > [割り当てとシステム上限] ページに移動します。
  2. [構成] タブをクリックします。
  3. [有効にする] トグルをクリックします。

[ステータス] 列に「有効」と表示されている場合、割り当て調整は使用量をモニタリングします。リソース使用量が割り当て値に近づくと、割り当て調整リクエストを発行します。

割り当て調整リクエストを表示する

割り当て調整リクエストを表示するには、次の IAM 権限が必要です。

  • resourcemanager.projects.get
  • serviceusage.services.list
  • serviceusage.quotas.get

割り当て調整によって発行された割り当て調整リクエストを表示するには:

  1. [IAM と管理] > [割り当てとシステム上限] ページに移動します。
  2. [リクエストの増加] タブをクリックします。[リクエストの増加] ビューでは、プロジェクトに対するすべての増加リクエストを確認できます。手動でリクエストした増加と割り当て調整によってリクエストされた増加の両方を確認できます。
  3. [フィルタ] フィールドをクリックします。
  4. メニューから [タイプ] を選択し、「Auto」と入力します。これにより、割り当て調整によって行われたリクエストがフィルタされます。

割り当て調整アラートを設定する

割り当て調整からアラートを受け取るには:

  1. [IAM と管理] > [割り当てとシステム上限] ページに移動します。
  2. [構成] タブをクリックします。
  3. [アラートを作成] をクリックします。
  4. アラート テンプレートのいずれかまたは両方を選択します。
    1. [割り当ての調整によるすべての調整] を選択すると、割り当て調整がこのプロジェクトの割り当て調整リクエストを発行するたびにアラートが送信されます。
    2. [割り当ての調整のエラーと失敗] を選択すると、割り当て調整が割り当て値を引き上げようとしたときにのみ、アラートが送信されます。
  5. 省略可: [オプションを表示] をクリックして、アラート間隔の最小時間とインシデントの自動クローズ期間のデフォルト値を調整できます。
  6. アラートを受信する通知チャンネルを選択します。通知チャンネルの設定を調整するか、新しい通知チャンネルを作成する場合は、[通知チャンネルを管理] をクリックします。
  7. [OK] をクリックしてアラートを保存します。

割り当て調整アラートを編集または削除する

割り当て調整アラートは、Google Cloud コンソールで編集または削除できます。

  1. Google Cloud コンソールの [ポリシー] ページに移動します。

  2. 割り当て調整アラート ポリシーを検索します。割り当て調整アラート ポリシーの名前は次のとおりです。

    • Quota adjuster errors and failures
    • All adjustments by quota adjuster

  3. 割り当て調整アラート ポリシーが表示されている行で、（その他のオプション）をクリックします。

  4. [編集] または [削除] をクリックします。

割り当て調整を無効にする

Google Cloud コンソールで、プロジェクトの割り当て調整を無効にするには:

  1. [IAM と管理] > [割り当てとシステム上限] ページに移動します。
  2. [構成] タブをクリックします。
  3. [有効にする] トグルをクリックします。 切り替えボタンがグレーに変わります。

切り替えボタンがグレーになり、[ステータス] 列に「無効」と表示されている場合、割り当て調整で使用量のモニタリングや割り当て調整リクエストの送信は行われなくなります。

割り当て増加の拒否に関するトラブルシューティング

まれに、割り当て調整によって開始された割り当ての増加が拒否されることがあります。これは、Google Cloud が特定のプロジェクト、リソース、リージョンの割り当てを特定の値を超えて増やすことができない場合に発生します。このような場合でも、手動での割り当ての増加をリクエストできます。

割り当て調整によって行われた割り当て調整リクエストが拒否されたときに通知を受け取るには、アラートを構成します。