Google Cloud で Windows アプリケーションを実行するエンドユーザーのエクスペリエンスに関する IDC の調査結果
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 10 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 本ブログ投稿では、IDC のプラットフォームおよびテクノロジー グループでインフラストラクチャ システムを担当するリサーチ ディレクター、Sriram Subramanian 氏からお話を伺います。Google は同氏に、Windows のワークロードをクラウドに移行しモダナイズするための動機付けとなる、戦略的要因の調査を委託しました。同氏は調査を通じて、Google Cloud が Windows Server ベースのアプリケーションにとって理想的なプラットフォームであるという確証を得ています。詳細については、このトピックに関するオンデマンド ウェブセミナーをご覧ください。
企業の成功には、基幹業務(LOB)アプリケーションとワークロードが欠かせません。したがって、エンタープライズ アプリケーションの継続的可用性こそが最も重要です。Windows Server ベースのワークロードは、エンタープライズ ワークロードの中でもかなりの割合を占めています。IDC の Server Workloads Tracker によると、2019 年に世界で出荷されたサーバーの約 45% が Windows Server オペレーティング システム ベースでした。
2 つの主要な Windows Server ワークロードは、Windows オペレーティング システムで .NET Framework を使用して構築されたビジネス アプリケーションと、SQL Server を使用したデータベース アプリケーションです。どちらも、パフォーマンス、セキュリティ、可用性は基盤となるインフラストラクチャ プラットフォームに依存しています。また、それらは密結合のコンポーネントで構成される傾向があります。たとえば、標準の 3 層モデル、ビュー、コントローラ(MVC)アプリケーションでは、「コントローラ」は、「ビュー」および「モデル」コンポーネントと同様に、データベース バックエンドに強く関連付けられます。Windows Server の場合、SQL Server データベース バックエンドは、高可用性とデータの整合性(たとえば、アクティブ - アクティブまたはアクティブ - パッシブ)を確保するために、ストレージ クラスタに依存しています。これには複雑なストレージ クラスタの設定が含まれます。これらの要件により、多くの場合、Windows Server ベースのアプリケーションをパブリック クラウド環境に移行する手順が複雑化します。
IDC は先日、Google Cloud から委託された調査の一環として、エンドユーザーにインタビューを行いました。この調査は、Google Cloud で Windows アプリケーションを実行するエンドユーザーのエクスペリエンスを理解することを目的としています。この調査により、さまざまな理由から、企業のお客様は Google Cloud が Windows Server ベースのワークロード向けに最適化されたプラットフォームであると感じていることがわかりました。
アプリケーションのモダナイゼーション向けプラットフォーム
調査の参加者は、Google Cloud が Windows ベースのワークロードをモダナイズするための信頼性の高いプラットフォームを提供していることに疑いの余地がないことを認めており、ほぼすべての参加者が、Windows アプリケーションを Google Cloud に移行するのに「リフト&シフト」パターンで始めていることを示しました。ただし、Google Cloud へのアプリケーション移行後に、参加者は Cloud SQL やマネージド Active Directory などのクラウドベースのサービスと、Google Kubernetes Engine(GKE)や Knative などのクラウドネイティブな技術を活用して、Google Cloud 上の Windows アプリケーションをリファクタリングまたは再設計することができました。Google Cloud のソリューションには、Migrate for Compute Engine や Migrate for Anthos などの移行ツールも含まれており、Windows アプリケーションを Google Cloud の VM や GKE のコンテナに簡単に移行できます。
回答者は、アプリケーションの移行とモダナイゼーションの際に Google Cloud の技術パートナーに頼ったことも示唆しています。また、Windows アプリケーションのコンポーネントを Linux ベースのサービスに置き換える計画もあり、最終的には Windows から完全に移行することを目標としていました。回答者は、Windows .NET Core、Kubernetes、Google Cloud 上の Linux の組み合わせが、Windows アプリケーションをモダナイズするための強力な基盤となることを認識しています。
テクノロジー機能
調査の回答者は、エンタープライズ向けのコア テクノロジー機能により、Google Cloud での Windows アプリケーションの実行が容易になることを実感しています。これらには、VM のサイジング、プラットフォーム / ネットワーク パフォーマンス、プラットフォーム セキュリティ、AI / ML およびデータ分析機能、最新のインフラストラクチャ構造が含まれます。
Windows ベースのアプリケーションをパブリック クラウド インフラストラクチャに移行するときに、エンドユーザーは通常、オンプレミスのサーバーと同等の仮想インスタンスをプロビジョニングするため、多くの場合はパブリック クラウドでのリソースの割り振りが非効率的になります。Google Cloud では、VM のサイズをカスタマイズできるため、回答者は仮想インスタンスのサイズを微調整して、最適なコスト パフォーマンスを実現できます。
また、Managed Service for Microsoft Active Directory(AD)などのセキュリティ機能により、複数のリージョンにわたって、サービスのデプロイと管理が容易になり、高可用性がもたらされていることもわかりました。また、BigQuery などのデータ分析機能により、運用上のオーバーヘッドなしに分析を活用できることもわかりました。
コストの最適化
調査の回答者は、Google Cloud を利用することで、短期的にも長期的にもコストを削減できることを認識しています。たとえば、SQL Server の BYOL(お客様所有ライセンスの使用)モデルを使用すると、エンドユーザーは既存のライセンスを利用できるため、コストを大幅に削減できます。ある回答者は、SQL Server インスタンスを別のパブリック クラウド サービス プロバイダから Google Cloud に移動することで、約 40% のコスト削減に成功したと述べています。回答者はまた、カスタム VM サイジングなどの機能を活用して、クラウド リソースの微調整を行うこともできました。
課題
回答者は、ワークロードを Google Cloud に移行する際の課題も指摘しています。これについては InfoBrief をご覧ください。Google Cloud はこれらの課題に積極的に取り組んでいます。お客様には、Windows ベースのワークロードの実行とモダナイゼーションのために、ぜひ Google Cloud をご検討いただきたいと存じます。
概要
全体として、調査回答者は、Google Cloud が Windows ベースのワークロードを実行するために最適化されたプラットフォームだと考えています。IDC は、ワークロードをパブリック クラウド インフラストラクチャに移行し、Windows Server ワークロードを Google Cloud に移行する際には、ワークロード中心の複数フェーズのアプローチを採用することを推奨しています。このようなアプローチにより、エンドユーザーはパブリック クラウド インフラストラクチャを採用する際の一般的な課題を軽減できます。また、エンドユーザーはパブリック クラウドでのリソース消費を最適化し、最終的にはビジネス クリティカル、ミッション クリティカルなアプリケーションもパブリック クラウドに移行することができます。
詳細については、IDC の InfoBrief、「Google Cloud Platform を使用して Windows Server ワークロードをモダナイズする」をご覧いただくか、付属のウェブセミナーをご覧ください。
-IDC プラットフォームおよびテクノロジー グループ、インフラストラクチャ システム担当リサーチ ディレクター Sriram Subramanian