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Anthos

Anthos で Windows Server アプリケーションにも広がる Kubernetes のメリット

2021年8月4日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 7 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

現在、組織のデータセンターで実行されているアプリケーションの多くが、Windows Server で実行されています。これらの従来の Windows アプリを Kubernetes にモダナイズすることで、環境全体で一貫性のあるプラットフォーム、優れたポータビリティ、スケーラビリティ、可用性、シンプルな管理、デプロイの迅速化など、さまざまなメリットがもたらされます。ではどのようにモダナイズすればよいのでしょうか。.NET Core を使用して、従来の .NET アプリケーションを Linux で実行するよう書き換えるのは困難で時間のかかる作業ですが、手間のかからない、デベロッパー向けのオプションがあります。

昨年 Google Cloud は、Google のクラウドベースのマネージド Kubernetes サービスであるGoogle Kubernetes Engine(GKE)で実行される Windows Server コンテナのサポートを発表いたしました。これは、アプリを .NET Core に移行したり、Linux 用に書き換えたりすることなくコンテナを活用できるようにするものでした。本日、さらに一歩踏み込んだ、オンプレミス環境の Anthos clusters on VMware 上の Windows Server コンテナのサポートを発表いたします。こちらはこのたびプレビュー版の提供が開始されました。オンプレミスと Google Cloud の垣根を越えて、あらゆる Windows オペレーションを統合することが可能となります。

Google Cloud で実行する GKE、どこでも実行できる Anthos など、Kubernetes ベースのサービスのファミリー製品に Windows Server のサポートを導入することで、すべて同じ操作性でアプリのモダナイズを迅速化でき、ハイブリッド環境とクラウド環境の垣根を越えて、一貫性のある開発とデプロイメントのエクスペリエンスを実現できます。さらに、Windows と Linux のワークロードを並行して実行できるため、運用の一貫性と効率性が得られます。さまざまなワークロードを管理するために、ツールやプラットフォームごとに専門チームをいくつも編成する必要はありません。また、単一画面での表示と中央のコントロール プレーンからのポリシー管理機能により、管理操作が簡素化されるほか、複数の Windows アプリケーションをビンパッキングすることでリソース使用率が向上し、インフラストラクチャやライセンスの節約にもつながります。

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Google Cloud Console が提供する単一画面での表示で、異なる環境のクラスタを一元的に管理

このような利点により、航空宇宙やセキュリティ サービスを専門とするフランスの多国籍企業 Thales を始めとするお客様が、Windows アプリケーションを GKE に移行することで大きなメリットを得られたのは当然のことといえるでしょう。

「Windows アプリケーションを VM から GKE 上の Windows コンテナに移行したことで、Linux と Windows ベースのアプリケーションの管理、スケーリング、ロギング、モニタリングの仕組みを統一できました。以前は、これらのアプリケーションを VM に設定し、高可用性を確保するよう構成するのに 1 週間もかかったうえに、アプリケーションのスケーリングも容易ではありませんでした」と、Thales でソリューション アーキテクトを務める Najam Siddiqui 氏は述べています。同氏はさらに次のように続けます。「現在は GKE を使用していますが、設定はほんの数分で完了します。また、GKE の自動スケーリングと組み込まれた復元機能により、スケーリングや高可用性の設定がシームレスに行えます。手作業での面倒な VM のメンテナンスやセキュリティ パッチの適用も、今では GKE が対応してくれます。」

では、Windows コンテナベースのワークロードをオンプレミスで実行するためのアーキテクチャについて詳しく見ていきましょう。

Anthos を使用したオンプレミスでの Windows Server の実行

下図は、Anthos を使用してオンプレミスの GKE クラスタで Windows コンテナベースのワークロードを実行する場合のアーキテクチャの概要を示しています。Windows Server ノードプールは、既存または新規の Anthos クラスタに追加できます。Kubelet と Kube-proxy は Windows ノードでネイティブに実行できるため、同じクラスタで Windows コンテナと Linux コンテナを混在させて実行できます。管理クラスタとユーザー クラスタのコントロール プレーンは引き続き Linux ベースで、Windows のワークロードでも Linux のワークロードでも一貫したオーケストレーション体験を提供し、容易に管理できるようにします。

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Windows Server コンテナと Linux コンテナを同じ Anthos オンプレミス クラスタ内で並行して実行

使ってみる

オンプレミスの Windows 資産のモダナイズを検討する際、自社のデータセンターにおいて Anthos 上で Windows Server コンテナを実行することをおすすめします。Anthos を初めて使用する場合は、Anthos を使ってみるのページを参照し、Coursera のコース(Architecting Hybrid Cloud with Anthos)の受講をおすすめします。また、詳細なドキュメントをウェブサイトにもご用意しています。公開されているソリューションに関連するご質問については、GCP セールスチームはもちろん、Google のパートナー各社でも対応させていただきます。ご不明な点がある場合や、ユースケースの活用についてご支援が必要な場合には、anthos-onprem-windows@google.com までお問い合わせください。

-プロダクト マネージャー Madhu Yennamani

-プロダクト マネージャー Venkat Gattamneni

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