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通信

Telecom Subscriber Insights のご紹介: AI 主導のデジタル化とパーソナライズで CSP のビジネスの成長をサポート

2023年3月7日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 2 月 28 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

通信サービス プロバイダ(CSP)は、デジタルに精通した顧客ベースを持ち、市場競争がかつてないほど激化するという新たな状況に直面しています。顧客を理解し、関連するプロダクトやサービスを状況に応じて顧客に提示できるようにすることが、CSP の重点事項となっています。デジタル化と高度なパーソナライズは、新しい世界での CSP の成長を後押しすることでしょう。  

データによれば、パーソナライズされたサービスの提供により、売上が 30% 増加し、顧客のライフタイム バリューが 35% 増加することがわかっています。事実、Delta Partners Global Telecom Executive Survey の調査対象に選ばれた CSP の 90% 以上が、パンデミック後の世界においてデジタルを通じた売上とクエリが増加することを予想しており、97% がデジタル成長チャネルの改善と投資に取り組む姿勢を示しています。

Google Cloud は、デジタル マーケティングに関連する Google の学習、機能、テクノロジーを活用し、それを Google Cloud のプロダクトやソリューションと組み合わせることで、CSP を含むさまざまな業界のお客様が、次の成長の波に備えて、デジタル トランスフォーメーションを加速できるようサポートしています。

Google はこのたび、Mobile World Congress 2023 Barcelona において Telecom Subscriber Insights を発表しました。これは、CSP がサブスクライバーの成長、エンゲージメント、定着を加速できるように設計された新しいサービスです。使用量の記録、サブスクライバー プランやお支払い情報、顧客管理(CRM)、アプリ使用統計情報など、CSP による利用が認められている既存のデータソースからインサイトを引き出すことで、この設計意図を実現します。こうしたインサイトを利用すれば、CSP はサブスクライバーのとるべき行動をより適切に推奨でき、複数のチャネル全体でそうした行動を活発化できます。

主なユースケース

Telecom Subscriber Insights は人工知能(AI)を利用したプロダクトです。CSP の基幹業務(LOB)のオーナーは、顧客の獲得とエンゲージメント、アップセル / クロスセル、顧客離れの低減など、サブスクライバーのライフサイクル全体にわたる重要業績評価指標(KPI)の改善のためにこのプロダクトを使用できます。

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サブスクライバーの獲得

サブスクライバーの新規獲得数を増やしながら獲得のコストを低減することは、CSP の重要な目標です。Telecom Subscriber Insights は、CSP によるこの目標の達成に役立ちます。サブスクライバーが煩わしさを感じないようにオンボーディング プロセス全体でサポートし、ワンクリックで行えるプロビジョニングによって顧客体験をシンプルかつエレガントなものにします。

サブスクライバー エンゲージメント

CSP が実店舗を超えてデジタルの世界に拡大するにつれて、消費者との関わり方も変化を遂げています。すなわち、デジタル チャネルを利用してサブスクライバーの関心やニーズに精通することで、提供するサービスをパーソナライズできるようになっています。この新しいエンゲージメント モデルにおいて、CSP は、アプリを通じてデジタル エンゲージメントを向上させるだけでなく、そのエンゲージメントの質を再定義して向上させることも目指しています。

Telecom Subscriber Insights は、状況に応じ、かつパーソナライズされた推奨事項を提供します。これにより、CSP はアプリ内でサブスクライバーと対話することが可能になり、デジタル エンゲージメントに関連する主要な KPI を改善することができます。

アップセル / クロスセル

質の高いサブスクライバー エンゲージメントは、双方にとってメリットがあります。サブスクライバーは、より状況に応じ、よりパーソナライズされたサービスを享受でき、ビジネス オーナーは、プロダクトのクロスセル / アップセルの機会を通じて、顧客ロイヤルティを向上させ、収益を増やすことができます。

状況に応じ、かつ高度にパーソナライズされたサービスの提供をサポートする Telecom Subscriber Insights により、CSP はターゲットを絞ったエンゲージメントを提供し、プロダクトやサービスを通じてサブスクライバーのニーズを満たすことができ、サブスクライバーは不要なサービスにより過負荷に陥ることがなくなります。

顧客離れの低減

CSP は、顧客のライフタイム バリューを高め、顧客離れの可能性を低減できるように、顧客のライフサイクル全体を通じて、高品質のプロダクトとサービスを提供することに重点を置いています。

Telecom Subscriber Insights は、解約の傾向が強いサブスクライバーのセグメントを特定できるように CSP をサポートし、顧客の定着に役立つ次善策を推奨します。

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インサイトを推進するテクノロジー

Telecom Subscriber Insights は AI を利用したクラウドベースの Google 製プロダクトで、実証済みの Google Cloud ツールを土台に構築されており、さまざまなソースからデータを取り込んでサブスクライバーの行動を予測できるようにし、アップグレードの可能性が高いサブスクライバーのセグメント、解約の可能性が高いサブスクライバーのセグメントについて推奨事項を提供します。また、このソリューションは、特定されたセグメントに基づいて次善策(NBO)を提案するなど、適切なアクションを CSP に推奨します。CSP は複数のアクティベーション チャネルとの統合が可能なため、推奨されるアクションに基づいてサブスクライバーとのエンゲージメントを完遂できます。Google Cloud は、同じ Google Cloud ツールを使用して構築された独自のサービスを通じて Telecom Subscriber Insights を継続的に補完する他の独立系ソフトウェア ベンダー(ISV)を高く評価しています。

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Telecom Subscriber Insights は、次のようなさまざまな機能を提供します。

Telecom サブスクライバー データの取り込みと正規化

さまざまなデータソース(CSP の OSS システム、CRM、その他のさまざまなソース)を BigQuery に取り込むことができます。その後、データは事前定義データモデルに正規化されます。データは、シンプルな API を使用して一括アップロードで取り込むか、標準的な Google Cloud テクノロジーを使用してストリーミングできます。

トレーニング済みの AI モデル

事前定義データモデルは、さまざまな機械学習(ML)モデルを継続的にトレーニングして、高い有効性を備えた結果を提供するために役立ちますこのモデルは、パフォーマンスを細かく調整するために、デプロイごとにさらに微調整できます。傾向、解約、NBO、セグメンテーションなど多数の ML モデルが、CSP のビジネス目標を満たすために厳選されています。Telecom Subscriber Insights は、必要に応じて他の実績済みの ML モデルと統合し、エコシステム アプローチを通じて CSP に対するサービスの提供を充実させることができます。

自動化されたデータ パイプライン

Telecom Subscriber Insights は、データの取り込み、変換、正規化、保存、クエリ実行、視覚化など、データ処理のさまざまな側面をつなぎ合わせる自動化されたデータ パイプラインを提供しているため、お客様が利用を開始する際に必要となる手間がほとんどありません。

マルチチャネル アクティベーション

サブスクライバーには、SMS、アプリ内通知などの各種インターフェースを含む、さまざまなチャネルを通じてリーチできます。サブスクライバーに新しいインターフェースを導入させることなく統合を容易にするために、CSP はソフトウェア開発キット(SDK)を現行のアプリおよびインターフェースの一部として埋め込むことができます。Telecom Subscriber Insights は、マーケティング ダッシュボード上のワンクリック アクティベーションを使用して、複数のアクティベーション チャネルを呼び出すことを前提に構築されているため、CSP は状況に応じた適切な方法でサブスクライバーにリーチできます。

ワンクリックでのデプロイと構成

Telecom Subscriber Insights は、お客様によるセルフホスト型、セルフ運用型モデルとして利用できます。このソフトウェアは、使いやすい Google Cloud プロジェクトにパッケージ化されており、プロダクトの購入時にビルドされ、お客様に転送されます。Google Cloud プロジェクトには必要なソフトウェア コンポーネントが含まれており、Google がコントロール プレーンを介してリモートで管理およびアップグレードします。このモデルは、お客様がソフトウェアを自ら完全に制御して操作することのメリットを享受できる一方で、最新の AI モデルとソフトウェアを使用するために継続的に取り組む必要のある作業がほとんどありません。

Telecom Subscriber Insights の利用を今すぐ始めましょう

Telecom Subscriber Insights は、分析対象のサブスクライバー データの母集団に対してのみ課金される非常にシンプルな従量課金制の料金モデルを特徴としています。これにより、顧客はサブスクライバー ベース全体にロールアウトする前に、小さいサブスクライバー フットプリントで概念実証(PoC)を行って価値を証明できます。Telecom Subscriber Insights の詳細については、プロダクト ページをご覧ください。また、telecom_subscriber_insights@google.com からお問い合わせいただくこともできます。


- Telecom Apps & Analytics、プロダクト責任者 Anoop Mohan
- Telecom Apps & Analytics、エンジニアリング リード Dutt Kalapatapu
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