24 時間 365 日カーボンフリーなエネルギー: 世界各地で新しいクリーン エネルギー プロジェクトを発進
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 4 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
2010 年、Google はアイオワ州で 114 MW の風力エネルギーを購入するという契約を初めて締結しました。この契約により、Google は企業による電力購入契約(PPA)の草分けとなりました。PPA とは、Google がデータセンターを運用しているのと同じ電力網のデベロッパーから、再生可能エネルギーを直接購入する契約のことです。2017 年以降 Google は毎年、年間消費量の 100% に相当する再生可能エネルギーの購入という目標を達成してきました。また、2030 年までに 24 時間 365 日カーボンフリー エネルギー(CFE)を達成するという壮大な目標の達成に向けて、Google は多様化の進むテクノロジーから生み出されるクリーン エネルギーを購入し、世界中の電力網を脱炭素化することに尽力しています。
PPA に署名することは、重要な最初の一歩ですが、こうした契約は通常、プロジェクトの開始前に締結されます。これは、クリーン エネルギーのインフラストラクチャを構築する長く複雑なプロセスの始まりにすぎません。このプロセスには、設計、エンジニアリング、許認可、建設、電力網への相互接続などが含まれます。本当に嬉しいのは、こうした契約によりクリーン エネルギーが生み出され、電力網に供給されるようになったときです。
本日、ベルギー、デンマーク、チリ、フィンランドにおいて、過去数年間に Google が締結したクリーン エネルギー プロジェクトが稼働を開始したことをお知らせします。これは、Google が事業を展開する地域の電力網に重要なクリーン エネルギー資源を提供するもので、24 時間 365 日の CFE に一歩近づいたことを意味します。
ヨーロッパと南アメリカに、風力、太陽光資源の新しい風を
嬉しいニュースがあります。3 つの大きな再生可能エネルギー プロジェクトが稼働しました。チリのキリクラ、フィンランドのハミナ、デンマークのフレデリシアにある Google データセンターに電力を供給する電力網へのカーボンフリー エネルギーの供給が始まったのです。
2019 年、Google は AES Chile と、チリのビオビオ地方に 23 機の風力タービンを建設する契約を結びました。このプロジェクトは、Google のラテンアメリカ最初のデータセンターのために、125 MW ものクリーン エネルギーを生み出す、風力と太陽光を組み合わせたハイブリッド ポートフォリオです。この風力発電所が稼働したことで、チリにある Google のデータセンターは 80% がカーボンフリー エネルギーで運用されることになります。
フィンランドにおいて、Google は Ilmatar と、2021 年 11 月に完成したフィンランド最大の風力発電所 Piiparinmäki の発電量 211MW の約 60% を購入する契約を締結しました。風力発電所の建設には、Google が発電出力を購入するという、早い段階でのコミットメントが不可欠でした。現在、この発電所はフル稼働し、Google のハミナ データセンターが属する電力網に電力を供給しています。Piiparinmäki 風力発電所の年間推定発電量は、フィンランド国内の約 36,000 戸の年間電力消費をまかなうことができます。Google が購入しない分は、他の消費者や企業顧客のカーボンフリー エネルギー調達に役立てられます。
最後にデンマークでは、Rødby Fjord 太陽光プロジェクトが Google のフレゼレシアのデータセンターに電力を供給する電力網へのカーボンフリー エネルギーの供給を開始しました。このプロジェクトにより、デンマークで Google の運営に使われている 100MW 以上の太陽光エネルギー資源が、さらに 54.5MW 増えることになります。
ベルギーのバッテリー
2020 年、Google は、ベルギーのサンギスランにあるデータセンターで、ハイパースケール データセンターにおいて初めてバックアップ電源としてバッテリーを使用するシステムを導入する計画を発表しました。この発表はクリーン データセンターにとっての大きな飛躍となりました。まれにですが、Google のデータセンターが停電の影響を受けた場合、それまではディーゼル発電機を使って数百万ワットのバックアップ電力を瞬時に立ち上げるという方法でこの困難な課題を克服してきたからです。
Google は現在、よりクリーンで優れたソリューションが、停電の際でもインターネットを維持するのに役立つと実証しようと取り組んでいます。さらに、バッテリーがバックアップ電源として使用されていないときは、地域の電力供給業者が送電のバランスをとるのに使用できます。これは、Google とそのパートナーである Centrica Business Solutions と Fluence、そしてベルギーの電力システムすべてにメリットがあります。
バッテリーの設置とテストは完了しており、現在、ベルギーの電力網の支援に使用できるよう準備を進めています。これはベルギーにおける Google のクリーン エネルギー目標を一歩前に進めるものですが、私たちを最も喜ばせているのは、バッテリー ベースの技術を、Google のグローバルなデータセンター・ポートフォリオ全体にまで広げられる可能性があることです。次世代地熱発電プロジェクトといった Google の革新的なソリューションと組み合わせれば、24 時間 365 日カーボンフリー エネルギー目標の達成に大いに貢献することでしょう。特に、電力市場における競争を推進し、革新的な技術の導入を奨励し、クリーン エネルギーの研究、開発、実証(RD&D)への投資を増加させるポリシーによる後押しがあればなおさらです。
今後の展望
これらのプロジェクトは、2030 年までに 24 時間 365 日の CFE を達成し、さらに広い意味では、2030 年までにすべてのオペレーションとバリュー チェーンでネット ゼロ エミッションを達成するという Google の目標を達成するのに不可欠なものです。Google の気候変動対策も始動から 20 年を超え、着実に歩みを進めています。世界各地の 5 つのデータセンターで、消費電力の 90% 近くが CFE でまかなわれています。こうした Google の取り組みからメリットを享受したいと考えるお客様は、Google の各クラウド リージョンで利用可能なカーボンフリー エネルギーに基づいて、どこでクラウド サービスを利用するかを選択できるようになりました。
同時に、電力システム全体の脱炭素化も進めていく必要があります。このために、Google は先週、初めての包括的なポリシー ロードマップを発表し、電力網レベルにおけるさらなる脱炭素化を目指しています。Google は、お客様、ユーザー、地球のため、カーボンフリーの未来を形作るために、今日も明日も、努力を惜しみません。
- Google データセンター エネルギーおよびインフラストラクチャ シニアリード Marc Oman
- 南北アメリカ データセンター エネルギー戦略シニアリード Ignacio Fernandez Stearns