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サステナビリティ

24 時間 365 日カーボンフリー エネルギーの政策ロードマップ

2022年4月22日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 4 月 14 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2020 年、Google はこれまでで最も野心的なサステナビリティ目標を設定し、2030 年までに、世界中のデータセンターとオフィスを 24 時間 365 日カーボンフリー エネルギー(CFE)のみで運用することを目指します。これは、Google が事業を展開しているすべての地域で、毎時間の電力消費量を電力網のカーボンフリー電力源と一致させることを意味します。

24 時間 365 日カーボンフリー エネルギーを確保することは、Google にとって重要なだけでなく、世界が気候変動という緊急課題を解決するためにも不可欠です。この取り組みの要となるのが電力部門です。この部門は世界の炭素排出の大きな要因であると同時に、建物、交通、重工業など他の経済部門の脱炭素化を可能にするツールでもあるためです。

Google は、24 時間 365 日カーボンフリー エネルギー(CFE)運用という目標を発表した際、この目標に向かって前進するための 3 つの方法を特定しました。1 つ目は、24 時間クリーン エネルギーを購入するための新しいトランザクション アプローチの開発です。2 つ目は、次世代のクリーン エネルギー技術の商業化をサポートし電力需要を管理するためのスマート ソリューションを開発することです。3 つ目は、世界中の電力網の脱炭素化を加速させるためのパートナーシップを構築し、ポリシーを提唱することです。

この最後の柱が非常に重要です。さらに広範な Google の事業と経済の両方で 24 時間 365 日 CFE を達成するためには、単にクリーン エネルギーを購入するだけでなく、電力システムの変革に取り組まなければなりません。この変革を実現するためには、1 世紀以上にわたって電力業界を形成してきた政策や規制を改革するために協力し合う以外、道はありません。そこで本日、Google は新しいクリーン エネルギーの政策ロードマップをリリースします。これは、世界中の大規模な電力ユーザーおよび主要なクリーン エネルギーのバイヤーとしての 10 年以上の経験に基づくものです。

費用対効果の高いカーボンフリー エネルギー技術の急速な進歩によって電力網の脱炭素化は手の届くところまで来ていますが、それは必然ではありません。適切な公共政策がなければ、この移行は遅滞し、費用はかさみ、不確実なものになってしまいます。Google は、世界中のステークホルダーと提携し、すべての人のために電力網の脱炭素化を加速させる政策を提唱しようと尽力しています。

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電力網の脱炭素化に向けた政策の優先順位

政策ロードマップでは、信頼性が高く、費用対効果の高い、包括的でカーボンフリーな電力システムへの移行を促進させるために、政策立案者が優先的に取り組むべき 3 つの基本目標(技術の発展、市場の拡大と改革、消費者の支援)を定めています。

技術の発展: 政策は、カーボンフリーのエネルギー技術の幅広いポートフォリオの開発、商業化、展開をサポートし、既存のカーボンフリー リソースを維持し、炭素を排出する資源の代替を促進する必要があります。これらの政策には、クリーン エネルギー基準、CFE 投資インセンティブ、クリーン電力を発電所から必要な場所に費用対効果の高い方法で供給するために不可欠な送電インフラストラクチャへの障害を取り除く措置などが含まれます。

市場の拡大と改革: Google は、世界の数十の地域で電力を購入する大手企業としての経験から、クリーン エネルギーの導入を加速して電力消費者への費用を下げるには、地域的かつ競争力のある卸売電力市場が重要な手段であることを学びました。政策立案者は、現在は存在しない地域的で競争力のある卸売電力市場を創設し拡大するよう取り組む必要があります。また、すべてのカーボンフリー エネルギー源の貢献を評価するよう市場を改革し、需要と供給がより統合された柔軟性のあるモデルへ移行する必要があります。

消費者の支援: クリーン エネルギーへの移行を加速させるためには、顧客の需要力を引き出すための政策改革が必要となります。これはつまり、すべての消費者にクリーン エネルギーへの合法的で費用対効果の高い道筋を作り、透明できめ細かい高品質のエネルギー データへのアクセスを提供し、消費者の参加を促すような規制構造を設計することを意味します。たとえば、政策立案者は消費者が脱炭素化のインパクトを高めることを可能にする時間ベースのエネルギー属性証明書(T-EAC)の開発をサポートできます。

クリーン エネルギー政策の推進に向けた提携

適切な政策の見極めは、最初の一歩にすぎません。今後 10 年間に必要な政策と市場の変化を推進するためには、民間企業を含むすべての人の努力が必要です。私たちは皆、電力システムを形成する政策や規制に利害関係があり、完全で迅速かつ費用対効果の高い脱炭素化という共通の目標に向かって声を上げ、組織化しなければなりません。このため、Google は国連エネルギーおよび万人のための持続可能なエネルギーのパートナーと協力し、24 時間 365 日カーボンフリー エネルギー コンパクトを立ち上げました。これは、24 時間 365 日 CFE を推進するために、エネルギー購入者、エネルギー供給者、行政機関、システム運用者、ソリューション プロバイダ、投資家、その他の組織が行う一連のコミットメントとアクションです。米国や世界各国でクリーン エネルギーを推進するための法案を声高にサポートしてきたのも、そのためです。

2030 年までに 24 時間 365 日 CFE を実現させるという目標に向けて、Google は他の企業と協力し、すべてのエネルギー消費者に 24 時間 365 日 CFE を可能にするクリーン エネルギー政策を提唱し、世界の気候変動の緊急課題に対処するために必要な規模とペースで電力網を脱炭素化することに尽力しています。

カーボンフリーの未来を実現するためにぜひご参加ください。Google と連携する方法や世界の電力網の変革を加速させる方法の詳細は、gocarbonfree247.com をご覧ください。

- エネルギー市場開発および政策担当グローバル責任者 Caroline Golin 博士
- エネルギー政策担当グローバル責任者 Nick Pearson
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