100% 再生可能エネルギーの 5 年間の実績と 24 時間 365 日カーボンフリーな未来への展望
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 6 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google は業界で最もクリーンなクラウドを運用しており、長年にわたって、世界中でクリーン エネルギーを推進しています。2010 年に再生可能エネルギーの購入を開始して以来、Google は 60 以上の新しいクリーン エネルギー プロジェクトを引き受けました。その合計容量は 7 ギガワット以上になり、ソーラーパネル 2,000 万枚分に相当します。Google のクリーン エネルギー事業への長期的な支援は、業界の急成長、太陽光や風力発電のコストの著しい低減、企業のクリーン エネルギーの調達を加速させる革新的な新しい 契約モデルや業界パートナーシップに貢献しています。
2021 年の時点で、Google は事業で消費する電力の 100% に相当する再生可能エネルギーを購入している唯一の大手クラウド プロバイダでした。Google はこの目標を過去 5 年間達成しています。これは、Google Cloud が業界で最もクリーンなクラウドであることを証明するもので、同時期に Google Cloud のデータセンターで行われたコンピューティングの急速な拡大を考えると、特に喜ばしいことです。このためには、再生可能エネルギーの購入をグローバルで大幅に拡大する必要がありました。Google は、2021 年だけでも、合計約 1,300 MW の新しい再生可能エネルギー プロジェクトからの電力購入契約を締結し、グローバル ポートフォリオを約 25% 拡大しました。
新しいフロンティア: 24 時間 365 日のカーボンフリー エネルギー
年間エネルギー消費量と再生可能エネルギーの購入量を一致させることは、Google のサステナビリティへの道のりにおける重要なステップです。しかし、クリーン エネルギーが利用できない地域や時間帯がまだあり、電力需要を満たすために化石燃料に頼らざるを得ない状況もあります。そのため、Google は現在、2030 年までに 24 時間 365 日カーボンフリー エネルギー(24/7 CFE)で運用するという壮大な目標に向けて取り組んでいます。これは、Google のグローバル オペレーションを完全に脱炭素化するための最後のステップとなるものです。
24/7 CFE での運用は、全世界の年間エネルギー使用量を再生可能エネルギー購入でまかなうよりもはるかに複雑で技術的に困難な目標です。これは、Google が事業を展開しているすべての地域において、毎日毎時、Google の電力需要とカーボンフリーのエネルギー供給を一致させることを意味しています。これまでどの企業も実現していませんし、これを実現するためのハンドブックもありません。
本日、Google は、透明性の精神に基づき、各データセンターの2021 年のカーボンフリー エネルギー比率(CFE%)を発表いたします。世界的に見ると、2021 年の運用におけるCFE 比率は 66%1 となっています。これは、2019 年より 5% 高く、2020 年より 1% 低い数字となっています。このような短期的な変動は予期されたものです。新しいクリーン エネルギーの構築は数年がかりのプロセスであり、CFE 比率の長期的な増加のための強固な基盤を構築することが当面の優先課題です。
最も増加率が高かったのは、チリ、オハイオ、ヴァージニアのデータセンターで 4% でした。その他の地域では、再生可能エネルギーの供給不足、サプライ チェーンの混乱や相互接続の問題による CFE 施設の建設の遅延など、新たな大きな逆風に見舞われました。注目すべき点として、Google が運用を行う地域のグリッドの大部分において、CFE 比率が横ばいまたは減少していることです。送電網レベルの脱炭素化を加速させるためには、より野心的な行動が必要であることは明らかです。Google は、行政機関、産業界、市民団体などのパートナーとともに、必要なスピードとスケールで進歩を遂げるためのグローバルな取り組みを構築しています。
2030 年までに 24/7 CFE での運用を目指す Google は、長期的な軌道に自信を持ち、資源の制約、政策の障壁、または市場の障害によりカーボンフリーなエネルギーが容易に利用できない地域や時間帯への取り組みを強めています。これらのギャップを埋めるために、Google は以下のようなソリューションを構築しています。
カーボンフリー エネルギーの多様なポートフォリオの購入に対する新しい アプローチ
グリッドレベルの CO2 排出削減を最大化する世界初のカーボン インテリジェント コンピューティング プラットフォームの開発
グリッドレベルの脱炭素化を加速させる公共政策の提唱に向けた取り組みの拡大
24/7 CFE を実現するのは簡単ではありませんが、Google は将来に向けて楽観的に考えています。Google の CFE 目標は、気候変動対策の第 3 段階の 10 年計画の一環です。この目標は、2030 年までに消費者向けハードウェア プロダクトを含む Google の事業とバリュー チェーン全体でネットゼロ排出を達成するという企業目標でもあります。Google は 2030 年までに排出量の大部分(2019 年基準)を削減することを目指し、残りの排出量を相殺するために、炭素除去ソリューションに投資する計画です。
Google は、今後も目標に向けた進捗状況や教訓を皆様と共有し、パートナーとともに、豊かでカーボンフリーな未来への世界の移行を加速していきます。
1. Google のカーボンフリー エネルギー(CFE)比率は、ある地域のグリッドにおける Google の電力消費量と CFE がどの程度一致しているかを 1 時間単位で測定したものです。これは、Google が契約している CFE と、全電力源における CFE の両方を用いて計算されています。全電力源における CFE は、第三者機関である ElectricityMap から取得したデータに基づいており、保証されているわけではありません。
- データセンター エネルギー部門グローバル責任者、Amanda Peterson Corio