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リテール

激動の時代にブランドを成長させるには

2021年8月13日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 7 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2020 年、世界中で消費者の行動がかつてないほど変化し、買い物客が新しい方法で商品を見つけ、評価し、購入するようになりました。これにより、ブランドと小売業者の双方が消費者との距離を縮め、デジタル時代に対応して、業務をより機敏で持続可能な形に変革できる見込みが新たに出てきました。これらのテーマは、日用品業界のお客様との会話においても最重要事項であり、今週終了した Google Cloud Summit for Retail and Consumer Goods にもその方向性がうかがえました。セッションとイベントについては、Google のチームをこの上なく誇りに思うとともに、これらへの参加を通じて Google をご支援いただいたお客様に感謝いたします。

私は日用品業界で長年働いたのち、2021 年 1 月に Google Cloud に入社しました。サミットでの日用品に関する基調講演でもお話ししましたが、Google の力によって日用品業界のイノベーション推進の支援ができることを、とてもうれしく思っています。Google では、この「ニューノーマル」を「トランスフォーメーション クラウド時代」と呼んでいます。ストレージやコンピューティングの費用を節約するためだけでなく、ビジネス全体の機動力を高めるためにクラウドやデジタル技術を利用したいと考えているお客様を支援する時代です。また私は、現代を「消費者乗り換え」の時代と呼んでいます。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)によって、消費者がブランドや買い物の手段を切り替える可能性が高まっているためです。このような変化は今も続いています。Google が実施した最近の調査では、対象となった買い物客の 40% 以上が、2021 年 3 月にブランドを変更した、または以前は店舗で購入していたものをオンラインで購入したと回答しました。

Google には、この数年にわたり消費者行動の多くの側面を調査、観察、分析している優秀なストラテジスト チームがいます。Google の Human Truths チームは、小売日用品サミットの幕開けを飾る開会基調講演「Capturing the Hearts and Minds of Today's Consumers(今日の消費者の心をつかむ)」で、パンデミック後の社会にも持ち越されそうな行動パターンは何かといった消費者に関する知見を紹介しました。こうした知見は、日用品購入客の考え方に関する Google の最新調査結果の一部にも触れており、ブランドにとって特に重要なものだと思います。

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Accenture は、消費者がブランドと行動を変えることで、企業間で 3 兆ドル規模の価値の移行が発生する可能性があると予測しています。この価値の移行の勝者が誰になるのかは定かではありませんが、ひとつ確かなことは、データと分析を最も早く活用した者が、この激動の時代から最も大きな恩恵を受けるということです。私は、「激動の時代にブランドを成長させる方法」という基調講演の中で、Google Cloud が日用品企業のブランド浸透を支援している以下の 3 つの主要分野と合わせて、日用品業界にとって重要な点をいくつかお話ししました。

  1. データを活用した情報分析で消費者を増やす

  2. オムニチャネル エコシステムで市場開拓を変革する

  3. ネットワークでつながった、効率の良い、持続可能な事業運営を推進する

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それぞれの分野について簡単に説明しましょう。

データを活用した情報分析で消費者を増やす

デジタル マーケティングのエコシステムは、プライバシー重視の環境に向けて変化しており、ブランドはマーケティング活動の効果において直接的な影響を受けています。日用品業界が消費者をより重視し、消費者直接取引(D2C)ビジネスモデルへと移行していく中で、同意を得たうえで消費者に関する自社データを取得、活用することで、明らかに消費者の新たな需要を取り込みやすくなります。

その結果、日用品ブランドは、さまざまなマーケティング ツール、ウェブサイト分析、メール キャンペーン、ポイント プログラムなどから得られる異質なデータすべてを統合して管理したり、そうしたデータの質を高めたり、データのセキュリティを強化したりするために、消費者データ プラットフォーム(CDP)を利用するようになっています。日用品ブランドは、Google Cloud とパートナーのエコシステムを利用することで、プライバシーを重視した CDP を構築できます。この CDP は、すべての顧客データとマーケティング データを最新のデータ ウェアハウスに統合したもので、予測データの視覚化ツールとモデルも組み込まれています。Google Cloud 上に構築された CDP を使用すると、Google マーケティング プラットフォームのデータを統合して、予測マーケティングとメディアの効果を高めることができます。また、ビルド済みのコネクタを利用して Google 以外のメディアと、SAP や Oracle などの他のエンタープライズ プラットフォームのデータを統合し、消費者データをより一貫性のある意思決定に活用することも可能です。ビジネス インテリジェンス ツールの Looker を使用して組織全体で誰もがデータにアクセスできるようにし、マーケティングからサプライ チェーン、プロダクト イノベーションまで、リアルタイムで迅速な意思決定を実現しましょう。

小売日用品サミットでは、Procter & Gamble が、消費者へのサービスを改善して、マーケティング効果を最大限に高め、事業全体の成長を促進するために、プライバシーを確実に保護できる方法で消費者データを構築し、有効活用した経験に焦点を当て、小売業者とブランドがプライバシーを重視した社会で消費者との距離を縮められる方法を紹介しました。また、Constellation Brands のデモでは、Looker を使用して複数の商用ソースからのリアルタイム データを活用し、分析情報をまとめてアクション プランを策定する手順が紹介されました。

オムニチャネル エコシステムで市場開拓を変革する

COVID-19 流行による行動制限と段階的ロックダウンが続く中、e コマースによる取引が後戻りできない水準まで増加しています。D2C ブランド、すなわちオンライン直販ブランドは、優れたオンライン体験を提供することで、パンデミック中の消費者乗り換えを最小限に抑えることができました。対面でのショッピングは依然として重要ですが、消費者はより多くのデジタル体験とオムニチャネル体験を期待しており、多くの消費者は新しいブランドを探索し、オンラインでの買い物を続けると考えられます。市場でのリーダーシップを維持したい日用品ブランドは、小売業者と消費者の両方の注目を集めるうえでオムニチャネル機能が果たす重要な役割を、もはや無視できなくなっています。D2C の売上が事業の中で大きな割合を占めていなくても、自社データを活用することで、より役に立つ分析情報を得て、プロダクト イノベーションを推進できます。

日用品ブランドは、使いづらい旧式の注文方式を最新のデジタル ショッピング体験に作り変えたいと考えています。従来型のソリューションを Google Cloud 上に再構築することで、アプリケーションのイノベーションが加速するだけでなく、新機能や新製品の迅速な立ち上げが容易になります。Google Cloud では、大手 D2C ブランドと従来の小売業者向けに e コマースを変革してきましたので、業界最高の D2C 体験がどのようなものかを理解しています。また、この知識をお客様のブランドのために活用することができます。私たちはすでに、小売業界の大手ブランドが e コマースをモダナイズし、Visual Search や Recommendations AI などのソリューションで商品検索機能を強化できるよう支援しています。これらはすべて、お客様のブランド力をオンラインと実店舗の両方で最大限高めるのに役立ちます。

オムニチャネル体験の向上について Google が開催したセッション

Macy’s を特集した検索の放棄が重要な指標である理由と、Albertsons を特集した Google との会話型コマースのセッションでは、Google が提供する会話体験によって、消費者がどこにいても、いつでも必要なときに企業にメッセージを送れるようにした事例を紹介しました。

ネットワークでつながった、効率の良い、持続可能な事業運営を推進する

AI と ML の並外れた能力は、マーケティング以外にも役立ちます。MIT と Google Cloud の調査により、AI や ML を使用する企業では、データドリブンな意思決定が 2 倍増え、意思決定のスピードが 5 倍、決定事項を実行するスピードが 3 倍速くなっていることがわかっています。この結果はご存じでしたか?検索、トレンド、天気、モビリティなどの需要シグナルと業務をリアルタイムに結びつけ、このデータを AI や ML で強化することで、よりスマートで迅速なビジネス上の意思決定を行うことができます。たとえば、検索トレンドを利用して需要予測を推進し、人気商品の生産量を増やすことができます。

Google Cloud は、以前のビジネス アプリケーションをクラウドに移行し、AI、ML、スマート アナリティクスを活用してビジネス上の成果を上げることで、以前のビジネス アプリケーションをモダナイズできるよう支援します。SAP の例を見てみましょう。Forrester の調査によると、Google を使って SAP をモダナイズすることで、IT チームの効率が 56% 向上しただけでなく、3 年間の ROI が 160% に増加しました。

Google Cloud 上に SAP データを保存することで、SAP、マーケティング システム、製造システム、外部データソースの間にできるデータサイロをなくし、データをビジネスにより有効活用できるようになります。たとえば、SAP と Google Cloud を使用すると、SAP および SAP 以外のソースからのプロダクト、メディア、CRM、デジタル コマース、サイトデータを組み合わせて、より強力な消費者インサイトを見出し、購入に至るまでの商品検索機能を強化できます。SAP のプロダクト データと販売データを消費者、市場データ、Google の地域トレンドと統合して、ターゲットを絞ったプロモーションを推進し、小売チャネル全体でプロモーション費用の ROI を最大限高めることができます。また、SAP システムのサプライ チェーンと製造データを、消費者、マーケティング、Google の地理的市場データと統合して、需要予測を改善し、サプライチェーンのロジスティクスを最適化することもできます。可能性は無限大です。これこそ、Google が SAP モダナイゼーションを「永遠の贈り物」と表現する理由です。サミットの SAP に関するセッションをご覧いただき、Rodan + Fields が Google Cloud 上で SAP のモダナイゼーションを行った経験をぜひお聞きください。

私が面白いと思っているもう一つのソリューションは、需要予測のプロセスに変革をもたらす Vertex AI です。従来の需要予測の精度は、ほとんどの日用品ブランドにとって課題となっています。現在の予測方法では、地域の天候や人口動態、不測の事態など、需要に影響を与える細かな要因を考慮していません。Google が最近提供を開始した Vertex Forecast により、最先端の機械学習モデルを需要予測に利用することが従来よりはるかに簡単になっています。American Eagle Outfitters を特集した「需要予測: 直感ではなくインテリジェンスの時代」のセッションで、お客様独自のニーズに合わせた需要予測のためのデータ サイエンス手法の採用方法について紹介しています。

日用品取り扱い企業からは、新たな消費者の獲得、市場への新たなルートの開拓、ネットワークでつながった持続可能な事業運営の確立など、最も困難な問題を解決するために Google に相談が寄せられています。Google は、イノベーション、文化、インフラストラクチャ、AI/ML、消費者行動への深い理解を基に、最高水準のブランドの構築を支援しています。

最後に、私が個人的に関心を持っている話題を紹介したいと思います。それは、「小売業と日用品業界におけるサステナビリティ実現のための問題解決」です。Google の調査により、2020 年にオンラインで商品を購入した人の 62% がサステナビリティに関する 1 つ以上の話題に関心を持っていることがわかりました。また、昨年の出来事をきっかけに、消費者がブランドとの関係を考え直し、パンデミックの状況下でサステナビリティにより気を配るブランドを優先するようになりました。このセッションでは、小売業者や日用品取り扱い企業がテクノロジー、データ、機械学習を活用して、サステナビリティを業績回復の中核に据えるための方法を紹介します。

Google のセッション コンテンツは、すべてオンデマンドでご覧いただけます。Google が日用品ブランドと日用品メーカーの業績向上をどのように後押ししているかをぜひご覧ください。Google Cloud の日用品業界向けソリューションの詳細については、Google Cloud の営業担当者にご連絡ください。現在および将来のお客様のブランドの成長を Google がどのように支援できるかについて、より深く話し合う場をご用意させていただきます。

-Google Cloud 日用品担当バイス プレジデント Giusy Buonfantino

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