コンテンツに移動
パートナー

NEAR、ブロックチェーン向けアプリ開発の簡素化を通して、Web3 の導入を加速

2024年1月26日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2024 年 1 月 18 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

ブロックチェーンと Web3 が金融サービスやその他の業界に変革をもたらし続けているなかで、テクノロジーの専門家は IT 環境の開発と管理に対する要件の変化に適応することを余儀なくされています。アプリケーションの開発が特に影響を受けるのが Web2 から Web3 への移行時ですが、幸いにも NEAR が、オープンウェブにおける開発上の課題の軽減に取り組んでくれています。

使いやすい、カーボン ニュートラルのブロックチェーン プロトコルとして、NEAR はセキュリティ、スケーラビリティ、高パフォーマンスを実現するためにゼロから構築されました。「NEAR はデベロッパー指向で、Web3 アプリケーション向けの堅牢なサービスを提供して、分散型アプリを簡単に公開できるようにしています」と、NEAR データ プラットフォーム チームのスタッフ データ エンジニアである Eduardo Ohe 氏は語ります。「私のチームの目標は、社内外のチームが可能な限り簡単に NEAR ブロックチェーン内のデータにクエリを実行できるようにすることです。」

NEAR は、データクエリを実行しやすくし、NEAR ブロックチェーン運用システム(B.O.S)でのアプリからの分析の取得を劇的に加速することを目指して、Google Cloud との連携と Databricks とのパートナーシップを決断しました。

ブロックチェーンでのデータクエリの最適化

これまで NEAR は、顧客が作成したか NEAR Protocol が提供したインデクサに依存していました。インデクサがブロックチェーン データを取得して正規化し、PostgreSQL に読み込むために使用していたプロセスは複雑なものでした。

Ohe 氏は次のように言います。「以前のプロセスは多大な時間とリソースを要していました。データフローが適切であることを確認するために、インデクサとデータベースの両方を常時モニタリングする必要がありました。そのうえ、インデクサの構築と設定には数週間かかるため、その間デベロッパーは NEAR B.O.S に構築したアプリでデータのクエリも分析の実行もできなくなります。」

変革の必要性を認識した NEAR は、ブロックチェーン データのオフロードとインデックス作成を改善する方法として、Databricks Spark エンジンに注目しました。また、チームは、BigQueryと緊密に統合される Google Cloud 上の Databricks Lakehouse の実装が可能であることも認識していました。

「Databricks プラットフォームへの移行の決断は明快でした」と、Ohe 氏は語ります。「Google Cloud チームと Databricks チームは、きわめて協力的で、当社が最善のソリューションを設計できるようサポートしてくれました。Databricks と Google Cloud のパートナーシップにより、当社は両社からのベスト プラクティスを基盤とした統合 IT 環境を構築できました。目標を達成するためのきわめて効率的で明確な戦略であったことが証明されたのです。」

また NEAR は、BigQuery 上に一般公開データセットを配置することで、迅速により多くのブロックチェーン データをユーザーに提供しています。一般公開データセットを Google Cloud 上の Databricks とともに活用することで、デベロッパーがほぼリアルタイムでデータにアクセスすることや、簡単な SQL を使用して開始後数分でアプリケーションにクエリを実行することが可能になっています。さらに、この新しい構成により、以前のインデクサで必要だったメンテナンスが不要になりました。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/NEAR.max-900x900.png

より高度なシステムでメンテナンスを軽減

NEAR は Google Kubernetes Engine(GKE)を使用して、コンピューティング リソースを実行、管理しています。GKE は Databricks コンピューティング クラスタを起動するための基盤レイヤとして機能します。

「GKE 上の Databricks は簡単にスケールできるため、当社のスペシャリストは、標準化された信頼性の高い Kubernetes ポリシーの下でプロセスを管理できます」と、Ohe 氏は話しています。「クラスタのダウンという問題が生じません。実行している Databricks プロセスに GKE が安定性をもたらしてくれています。」

NEAR にとってスケーラビリティはきわめて重要です。B.O.S 内での新しいアプリケーションのオンボーディングによって、数百万人ものユーザーが同じ日に同じチェーンを利用することもあるからです。GKE の自動スケーリングによって、NEAR の社内チームはメンテナンスで手を止めることなく、こういったユーザーの急増にスムーズに対処できています。

「当社が実現した信頼性が、ユーザーに提供するデータの確実性の基盤となっています」と、Ohe 氏は言います。「社内チームは、こういったユーザーの爆発的な急増時も、ユーザーが必要な分析情報を得られないのではないかという心配はしていません。」

Google Cloud 上の Databricks ソリューションと NEAR BigQuery Public Dataset のリリース以降、NEAR は類のない大規模で高速のオンチェーン データクエリを提供できています。NEAR の直感的なシステムが提供する使いやすいクエリ機能では、数週間ではなく数分でクエリの結果を得ることができます。さらに、大量の NEAR プロトコル データの保存と処理の必要性をなくしたことで、費用面でのメリットも得ています。

この費用削減は、BigQuery での NEAR データのクエリを 1 テラバイトまで無料で提供することに活かされています。

より多くのデベロッパーがブロックチェーンを利用できるように

新しい Google Cloud 上の Databricks と BigQuery の導入は社内で肯定的に受け止められ、NEAR が人材を引き付け、維持することにつながっています。社外的には、新しい構成によって、より多くの人がオープンウェブを利用できるようにするという NEAR の目標が推進されています。

「これまで開発者は自身のアプリと専用マシンで分析を構築する必要がありました」と、Ohe 氏は語ります。「こういった複雑さや費用のすべてが、開発者による NEAR プロトコルの使用を妨げていたと思われます。Google Cloud 上の Databricks の力を得て障害を取り除いた今、開発者はより簡単にオンボーディングして迅速にテストを開始できるようになりました。」

NEAR は今後、分散型アプリを模索している開発者にとって同社のプラットフォームが重要なリソースになると予測しています。ユーザー層を拡大し、より多くの開発者に NEAR ブロックチェーンの知識を持ってもらうために、同社は Google Cloud Marketplace でソリューションを提供しており、これはすべて Web3 の導入を促進するという目標につながっています。

「オープンウェブは今後数年間でさらに急速に成長します。当社は Web3 アプリケーションの構築と維持に必要なツールを開発者に提供することに取り組んでいきます」と、Ohe 氏は語っています。「Google Cloud と Databricks はこの取り組みにおける当社のパートナーです。両社のサービスのスケーラビリティと信頼性を信頼しており、開発者のために最高水準のソリューションを構築できると確信しています。」

Databricks などのパートナーが Google Cloud でお客様の IT パフォーマンスの強化をどのようにサポートするかについて詳しくはGoogle Cloud Marketplace をご覧ください。

-Google Cloud、エンタープライズ向けフィールド営業担当者 Colleen Pimentel

-Google Cloud、プリンシパル アーキテクト Luis Gachuz

投稿先