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Google Cloud

Salesforce と Google、Gemini を Agentforce に導入を発表 パートナーシップ強化により顧客の選択肢をさらに拡大

2025年2月28日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2025 年 2 月 24 日に Google Cloud Press Release に公開されたプレスリリースの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。

  • Agengtforce で Google の Gemini モデルを使用できるようになり、AI エージェントが画像、音声、動画を扱い、Gemini のマルチモーダル機能と 200 万トークンのコンテキストウィンドウを使用して、より複雑なタスクを処理し、Vertex AI と Google 検索に基づいたリアルタイムのインサイトと回答を用いた行動が可能に
  • Salesforce Service Cloud と Google Customer Engagement Suite との統合がさらに強化され、リアルタイムの音声翻訳、インテリジェントな AI エージェント間の引き継ぎ、パーソナライズされた AI エージェントの推奨、AI 駆動の会話インサイトなど、すべてのチャネルにわたる AI 対応のコンタクトセンター機能の強化を実現
  • Salesforce の Agentforce、Data Cloud、Customer 360 アプリが Google Cloud のインフラ上で稼働し、Google Cloud Marketplace を通じて新しいリージョンへのアクセスや調達の簡素化が可能に

米国 Salesforce(以下、Salesforce)と米国 Google は、戦略的パートナーシップの大規模な拡大を発表しました。これにより、企業が AI 搭載のエージェントを構築・展開する際に使用するモデルや機能の選択肢が提供されます。現在の絶え間なく進化する AI 環境において、自律型 AI エージェントのようなイノベーションが急速に登場しており、企業はこれらのイノベーションへの追随に苦労しています。今回の両社のパートナーシップ拡大により、極めて重要な柔軟性が提供され、顧客は単一のモデルプロバイダーに縛られることなく、各社のニーズに合った AI ソリューションを開発することが可能となります。

Google Cloud は、企業向け AI イノベーションの最前線に立っており、数百万人もの開発者が Google の最先端の Gemini モデルと Google Cloud の AI に最適化されたインフラを使用して構築をしています。今回のパートナーシップ拡大により、Salesforce の顧客は Gemini を使用して Agentforce の AI エージェントを構築し、Salesforce を Google Cloud 上に展開できるようになります。これは、ゼロコピーテクノロジー(英語)により Google BigQuery と Salesforce のデータを双方向に利用できる、既存のパートナーシップの拡大です。これにより、顧客は自律型 AI エージェントをビジネスに導入するために必要なデータや AI、信頼性、アクションをさらに強化することができます。

「Google Cloud とのパートナーシップ拡大とプラットフォームやアプリケーション、インフラレイヤーの深い統合により、顧客が使用したいアプリケーションやモデルを選択できるようになります」と、Salesforce のプレジデント 兼 最高テクノロジー責任者(CTO) 兼 最高カスタマーサクセス責任者(CSO)であるスリニ・タラプラガダ(Srini Tallapragada)は述べています。「Salesforce はエンタープライズグレードの自律型 AI エージェント向けプラットフォームを包括的に提供しており、新しい機能を容易に展開し、迅速にビジネス価値を実現できます。Google Cloud は企業向け自律型AIのパイオニアであり、世界でも極めて強力で高性能なモデル、AI エージェント、AI 開発ツールを提供しています。 両社は協力して、企業がデジタル労働力(英語)を活用してビジネスを拡張できる最高の環境を構築しています」

「Salesforce が主要なインフラプロバイダーとして Google Cloud を選択したことにより、エンタープライズのお客様は、最も重要なアプリケーションの一部を Google Cloud のセキュアで AI に最適化されたインフラ上にスムーズに展開できるようになりました」と、Google Cloud の CEO であるトマス・キュリアン(Thomas Kurian)氏は述べています。「両社の共通のお客様から、Salesforce と Google Cloud 間でよりシームレスに連携できるよう要望をいただいています。今回のパートナーシップ拡大により、自律型 AI エージェント、最先端の AI モデル、データ分析などを活用したAI変革の加速を支援できることを嬉しく思います」

「Wayfair では、データと AI を活用して卓越したカスタマーエクスペリエンス / 顧客体験を創出することに深くコミットしています」と、Wayfair の CTO であるフィオナ・タン(Fiona Tan)氏は述べています。「Salesforce と Google Cloud のパートナーシップ、特に Google Cloud インフラ上での Salesforce の可用性、および Agentforce と Gemini の統合により、パーソナライズされた顧客対応を可能にする強力な新機能が提供され、当社のチームはより良い顧客サービスを提供できるようになります」

重要な理由:自律型 AI は登場したばかりではなく、その波はすでに到来しており、2 兆ドルの市場機会を創出していることが Salesforce の調査で判明しています。実際、84% の CIO が、AI はインターネットと同様にビジネスにとって重要になる(英語)と考えています。この可能性を十分に実現するためには、企業にはオープン性、信頼性、選択肢を重視した AI エージェント戦略が求められます。

これには以下が含まれます。

  • データ:ゼロコピーアーキテクチャとより深いインサイトを得るために強化されたメタデータにより、データのレジデンシーに関わらず、すべてのデータへの高度に安全で統合されたアクセスが可能です。これにより、プラットフォーム全体にわたるデータサイロが解消され、一貫性のある体験のために選択肢を犠牲にする必要がなくなります。これは、データアクセスを独占したり、ユーザーに異なるソリューションを組み合わせることを強いるソリューションとは異なります。
  • AI:予測や生成、マルチモーダル分析など、最先端の AI モデルによる比類のない選択肢と柔軟性が提供されます。これにより、企業はそれぞれのニーズに合わせてソリューションをカスタマイズでき、単一プロバイダーの AI 機能に縛られることはありません。
  • 信頼:暗号化やデータレジデンシーのオプション、インフラプロバイダーの選択肢など、多層的なアプローチでデータとインフラを保護します。さらに、責任ある AI の開発と展開を確保するために強固なガードレール、バイアスの検出、説明可能性、有害性の制御が組み込まれています。
  • アクション:プラットフォーム全体にわたる自動化、分析、アプリケーションのシームレスな統合により、ワークフローを合理化し、組織全体の効率性を向上させます。これにより、企業は AI エージェントを既存のツールやシステムに接続することで、その効果を最大限に高めることができます。これは、限定的で閉鎖的なエコシステムを持つソリューションとは異なります。

データ:Google 検索による Agentforce のリアルタイム応答

Agentforce は、Salesforce Data Cloud と Google BigQuery のゼロコピーパートナーシップにより確立されたセキュアなデータ基盤を基に、Vertex AI を通じてGoogle 検索を活用したグラウンディングをすることが可能になります。この統合により、Agentforce の AI エージェントは、最新のデータ、ニュース、時事イベント、信頼性の高い引用を参照できるようになり、コンテキストの理解と、正確で裏付けのある回答を行う能力が大幅に強化されます。

例えば、サプライチェーン管理やロジスティクスでは、Agentforce の AI エージェントが Salesforce Commerce Cloud で出荷状況を追跡し、在庫レベルをモニタリングするとともに、Google 検索のリアルタイムデータ(天候、港湾の混雑状況、地政学的イベントなど)を活用して、潜在的なリスクを事前に特定することができます。 本機能は、今後数か月以内での提供開始を予定しています。

AI:Gemini と Agentforce で選択肢と柔軟性を最大化

企業は、特定のベンダーに縛られるのではなく、ニーズに最適なモデルの選択を求めています。2025 年内には、Google の Gemini モデルも Agentforce 内で直接、プロンプトの作成および推論での利用が可能になります。

Gemini と Agentforce により、企業は以下のメリットを得ることができます。

  • マルチモーダル機能を備えた AI エージェント: Gemini のネイティブなマルチモーダル機能により、AI エージェントは世界を「見て」解釈することができ、AI が画像(エラーコードなど)を認識したり、音声から感情を検出したりすることが可能となります。これが Agentforce に統合されることで、音声や動画、テキストに対応する、よりスマートな AI エージェントが生まれます。
  • 拡張されたコンテキストの理解と推論:Gemini の 200 万トークンのコンテキストウィンドウにより、AI エージェントはコードベース全体、長年にわたる顧客とのインタラクション、製品ドキュメントなど、膨大な量の情報を保持し参照することができます。
  • スピードと効率性の向上:Google の NotebookLM で使用されているような高度な技術と組み合わせた Google の Tensor Processing Units(TPU)により、Gemini は非常に高速かつ効率的に情報を処理および理解し、複雑な問い合わせに対してもリアルタイムで応答することが可能になります。これにより、応答時間が短縮され、運用コストが削減されます。

例えば、保険会社の顧客は損害の写真や目撃者の音声メールを添付して保険金の請求を行うことができます。 Gemini を活用して Agentforce は、これらのすべての入力を処理し、保険金の請求の正当性を評価し、場合によってはテキストを音声に変換して顧客に解決策を連絡することで、保険会社がより良い顧客体験を提供できるよう支援し、従来は長時間を要した保険金の請求プロセスを合理化します。本機能は、 今年中の提供開始を予定しています。

信頼性:Salesforce プラットフォームの Google Cloud 上での展開

顧客は、Google Cloud のセキュアで AI に最適化されたインフラ上で、Salesforce の統合プラットフォーム(Agentforce、Data Cloud、Customer 360)を活用できるようになります。また、Einstein Trust Layer が提供する動的グラウンディング、ゼロデータリテンション、有害性検出などの機能も利用できます。

Google Cloud で Salesforce 製品が利用可能になると、顧客は Google Cloud Marketplace を通じて Salesforce のサービスを調達できるようにもなり、グローバル企業が Salesforce と Google Cloud にまたがる投資を最適化する新たな可能性が開かれます。これは、既存の数千社に上る共同顧客にメリットをもたらします。

アクション:AI 統合による従業員の生産性向上と顧客サービスの強化

Salesforce と Google Cloud は、毎日何百万人ものユーザーに利用されています。 このパートナーシップは、選択肢と柔軟性を優先し、シームレスなクロスプラットフォームでの作業を可能にします。 Salesforce Service Cloud と Google Cloud のCustomer Engagement Suite(英語)、Slack と Google Workspace といったプラットフォーム間の新たなより深い連携により、AI エージェントとサービス担当者は、プラットフォームに関係なく、統一されたデータアクセス、合理化されたワークフロー、高度な AI 機能を活用できるようになります。

Salesforce と Google Cloud は、カスタマーサービスプラットフォームであるSalesforce Service Cloud と Google Cloud の Customer Engagement Suite を深く統合し、シームレスでインテリジェントなサポート体験を実現します。今年後半に予定されているこの統合アプローチにより、Service Cloud の AI エージェントは以下のような機能が強化されます。

  • リアルタイム音声翻訳とセンチメント分析:Service Cloud 内の Google Cloud AI により、言語の壁を越えたリアルタイム音声翻訳が可能になります。Service Cloud デスクトップ内の新しいオペレーター支援機能では、音声のトーンやオーディオキューを分析し、より深い顧客インテリジェンスの理解を実現します。
  • AI エージェント同士のインテリジェントな引き継ぎ:すべてのチャネルで、Google Cloud の 会話エージェントを基盤とする仮想エージェントが、Service Cloud の Agentforce とシームレスに接続し、複数ステップにわたる顧客インタラクションをより効率的に管理できるようになります。

Salesforce と Google Cloud は、Slack と Google Workspace のより深い統合も検討しており、チームや組織の生産性を向上させ、よりまとまりのあるデジタルワークスペースを構築します。 両社は現在、以下のようなユースケースを検討しています。

  • ユーザーが Slack のエンタープライズ検索を活用して Google Drive 内のファイルにアクセスし、操作を行う機能。
  • Gmail と Slack 間でより簡単に情報を共有し、コミュニケーションとナレッジシェアを強化する機能。

その結果、より人や情報のつながりが強化した生産的な職場環境が実現し、企業は従業員の生産性からカスタマーサービスまで、業務ごとのニーズに最適なツールを選択できるだけでなく、仕事のプラットフォーム全体にわたるシームレスでインテリジェントな業務フローの確立という利点も得られます。

パートナーシップ強化による機能と統合の拡大

本パートナーシップは、単なる製品の統合を超えて、ビジネスのためにより一体感のあるインテリジェントなデータ基盤を企業に提供します。これを始まりとして、Salesforce と Google Cloud は、継続的なイノベーションとより深いコラボレーションにコミットし、より強力なソリューションで企業を強化・支援していきます。2025 年中に以下の提供開始を予定しています。

  • Data Cloud、BigQuery、Cortex Framework 間のより深い統合により、顧客は自社の企業データ全体を AI エージェントに安全にグラウンディングすることがこれまで以上に容易になります。
  • 新しいネイティブの Tableau、Looker、BigQuery 統合により、顧客は標準化されたビジネスロジックとデータ定義を使用して、すべてのプラットフォーム上のビジネスデータを一つの UI で管理および可視化できるようになります。

Salesfoce について

Salesforce は、あらゆる規模の企業が AI を活用してビジネスを再構築できるよう支援します。企業向けとして初となるデジタル労働力を生み出すプラットフォームである Agentforce は、Customer 360 アプリケーション、Data Cloud、Einstein AI とシームレスに統合し、制限のない労働力を実現します。これにより人と AI エージェントが連携し、信頼性の高い単一のプラットフォームでビジネスを成功に導くことができます。

Google Cloud について

Google Cloud は、 AI、インフラストラクチャ、開発者、データ、セキュリティ、コラボレーション ツールを提供することで、企業の現在と未来に向けて変革をもたらします。独自かつ地球規模のインフラストラクチャ、カスタムメイドのチップ、生成 AI モデル、開発プラットフォーム、AI 搭載アプリケーションを備えた、強力で完全に統合および最適化された AI スタックを提供し、組織の変革を支援します。200 以上の国と地域のお客様が、信頼できるテクノロジー パートナーとして Google Cloud を利用しています。

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