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アプリのモダナイゼーションで小売ソリューション プロバイダが実店舗とデジタル コマースを統合

2020年8月28日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 8 月 18 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。


Google Cloud の CEO である Thomas Kurian は今年初めに、小売業界におけるデジタル変革は必要不可欠というだけでなく競争となっていて、最も迅速に変革した小売業者が、長期的には最も成功を収めるだろうと述べています。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の小売業界への影響により、この課題はさらに助長され、小売業者は店頭受け取りや非接触型決済などのサービスを提供して、デジタルと実店舗のエクスペリエンスを急速に融合せざるを得なくなってきました。

サプライチェーン、在庫、オムニチャネル e コマース テクノロジーのリーダーである Manhattan Associates が 2020 年よりはるか前から実感していたのは、市場状況の変化に適応しようとする小売業者にとって、実店舗からデジタル コマースに移行する際に直面するギャップの橋渡しとなるプラットフォームが必要だということです。そこで同社は、小売、製造、流通の顧客向けに Manhattan Active Solutions ポートフォリオを立ち上げました。同社を代表する倉庫管理システムのクラウドネイティブ バージョンである Manhattan Active Warehouse Management や、クラウドベースの在庫管理、POS、顧客エンゲージメント ツールのスイートである Manhattan Active Omni などのソリューションはバージョンレス仕様のため、常に最新の機能を利用でき、自動拡張機能によってピーク時の需要にも対応できます。

ただし、Manhattan Associates がソリューション ポートフォリオをバージョンレス、アジャイル、スケーラブル、拡張可能にするというビジョンを実現するには、まずアプリケーション環境をモダナイズする必要がありました。モノリシック アーキテクチャのクラウドへのリフト&シフト移行では自社やエンドユーザーが必要とするレベルのアジリティを達成できないことを承知していた Manhattan Associates は、マイクロサービスを採用し、Manhattan Active Warehouse Management と Manhattan Active Omni を根本から再構築してクラウドのメリットを最大限に活用できるようにしました。

Manhattan Associates のクラウドネイティブ アプローチの背後にある基本原則

Manhattan Associates はまず、クラウドネイティブ アプリケーション設計の道しるべとなる重要なアーキテクチャの原則をいくつか確立しました。以下に概説するこれらの基本原則は、Manhattan Associates のソリューションにより、エンドユーザーの要求する開発スピードの達成だけでなく変革の費用削減の実現も目的としています。

  • 変革のスピード: Manhattan Associates はマイクロサービスベースのクラウドネイティブ アプローチを採用して、競合他社よりも、そして自社が以前に行っていた方法よりも迅速に新機能を提供できるよう尽力しました。

  • 拡張機能: 社内で行われる変革の加速以外に、顧客とパートナーが Manhattan Associates に頼らずとも追加機能を簡単に構築して統合できるよう、同社はオープンで拡張可能なエコシステムの確立を目指していました。

  • 柔軟性: Manhattan Associates は、主力製品のマネージド型 SaaS バージョンにより、エンドユーザーのニーズに基づいてパフォーマンスとリソースをスケールできるようにする柔軟性を必要としていました。

  • 低費用の変革: 最後に、Manhattan Associates は、オープンソース テクノロジーを活用してポータビリティを高め、ベンダー ロックインを回避できる機能を必要としていました。さらに、費用の管理を維持するために、詳細なロギングとモニタリングのツールが必要でした。

Google Cloud と提携してビジネス目標を達成

Manhattan Associates は、前述の原則の要件を満たすために、クラウド プラットフォームとして Google Cloud を選定しました。次に、Manhattan Associates が基本原則で定めた目標を達成するために、主要な Google Cloud サービスをどのように活用しているか簡単にご紹介しましょう。

  • Google Kubernetes Engine でアジリティ、拡張性、復元力を実現: Manhattan Associates は Kubernetes に対する豊富な経験を礎に、リージョン全体の高可用性、自動スケーリング、ノードの自動プロビジョニング、自動修復機能など、Google Kubernetes Engine で管理される機能を活用して、コンテナ化されたワークロードのスケーラビリティと復元力を実現しました。

  • Cloud SQL for MySQL で使いやすさとオープン性を確保: Manhattan Associates のチームメンバーは、MySQL も長期に渡って使用しています。Cloud SQL for MySQL により、引き続きオープンソース ソフトウェアを使用してマネージド MySQL データベースを実行できるようになりました。さらに、Cloud SQL を活用して、環境のセットアップや顧客ニーズのサポートもできるようになりました。たとえば、プロジェクトごとに Cloud SQL データベース インスタンスを作成し、各プロジェクトを、開発 / テスト環境や本番環境など、あるいは特定の顧客に対応させることができます。また、追加のデータベース インスタンスで高可用性を実現するなど、顧客ごとにオプションのアドオンをサポートする柔軟性も得られます。

  • 詳細なモニタリングとロギングによる可視性と制御: 最後に、Manhattan Associates は、顧客の環境がスタック全体で効果的に実行されていることを確認するために、きめ細かいモニタリングとロギングを必要としていました。そこで、オープンソース ツール、カスタムツール、Cloud Logging、Cloud Monitoring、CloudRun などの Google Cloud ツールの他に、社内ツールも組み合わせて環境を監視して、必要に応じて自社チームが対応できるようにアラートをトリガーするようにしました。

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その結果、Manhattan Associates はマイクロサービスを使用して構築された、真にクラウドネイティブな倉庫管理と統合コマース プラットフォームを提供できるようになりました。また、開発スピードという目標も達成しており、以前のモノリシック アーキテクチャでは 1 年ごとだった機能のリリースは、四半期ごとになっています。さらに重要なのは、この変革のスピードがエンドユーザーにも恩恵をもたらすことです。

Manhattan Associates がクラウドでプラットフォームを再構築した方法の詳細については、Manhattan Associates のデジタル イベント Momentum Connect で、Google Cloud バーチャル ブレイクアウト セッションの Manhattan Active Warehouse ManagementManhattan Active Omni をご覧ください。これらのセッションでは、クラウド ネイティブなアプローチ、ユースケース、Google Cloud とオープンソースおよび自社製のツールをどのように組み合わせて Manhattan Active Warehouse Management と Manhattan Active Omni のソリューションを市場に投入したかについて深く掘り下げて説明しています。

 

-Google Cloud 業界 ISV パートナー マーケティング担当シニア マネージャー Tina Liu

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