「自分でも信じられない」粘り強い学習と積極的な行動でテクノロジー業界への道を切り開いたブラジル在住の Google 社員
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 3 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: José Neto は、Google Cloud サンパウロ支社でハイブリッドおよびオンプレミスのクラウド コンピューティング システムを利用するお客様の支援と、クラウド向けコンピュータ アプリケーションのモダナイズを担当しています。この職業は彼にうってつけです。というのも、ブラジルのサルヴァドール出身の彼は、過去と未来を調和させること、急激な変化に対応すること、不安定な状況下でも動じないことを数十年も経験してきたからです。
ご自分の働き方をどのように捉えていますか?
経験を積むことができる機会です。お客様を担当する際は、お客様の問題解決や新規サービスの構築を支援したいと思っています。私個人としてそうしたいのです。
私は結果に向けて努力することが大好きです。問題を解決したら人々にどのような影響を与えられるかを常に考えています。お客様が顧客のためにより優れた体験を作り出そうとしていることが伝わってくると、ますますそのお客様と一緒に仕事をしたくなります。
経験を積むことの何に魅力を感じ、なぜそのことに思い入れがあるのですか?
前向きで新しい経験というのは、自分の可能性を見いだす経験でもあると思います。
私にとって教育、すなわち学習過程というのは、飽きることのない経験です。私は毎日の食事に困るほどの貧しい環境で育ちましたが、13 歳のときに祖母の家に引っ越したことをきっかけに、より良い学校に通い、より幅広い学習を進められる機会を得ました。祖母はさまざまな方法で粘り強く私を教育しました。
たとえばどのような方法ですか?
たとえば、お小遣いが欲しければ、まず本を一冊読み、祖母が出すその本の内容のクイズに答えなければもらえませんでした。18 歳のとき、祖母の友人がパソコン ショップの仕事を紹介してくれました。そこの従業員はパソコンに関する経験が私より遙かに豊富で、私の 2 倍依頼をこなしていました。歩合制の仕事だったので、報酬を得るためには自分で仕事を獲得しなければならないことに気づきました。幸い、私は好奇心が旺盛だったため、コンピュータに関する知識を他の従業員より多く身に付け、しまいには、ウイルスに再感染した顧客のパソコンなど、他の従業員が見逃した箇所も直せるようになりました。おかげで私の評判は上がり、よりお得な依頼を受けられるようになりました。
それでもまだエンタープライズ クラウド コンピューティングとはかけ離れていますよね。
パソコン ショップでの経験は原点でした。その後 IT 企業で仕事を得て、Linux オペレーティング システム、メールサーバー、ウェブサーバーについて学びました。27 歳のときにアンゴラに引っ越し、教育関連の企業向けにインターネット通話システムを構築する仕事に取り組みました。アンゴラでは他にも、ミッション クリティカル システムについて学び、石油企業やガス企業で働くことができました。最終的にはリオデジャネイロの銀行に雇われ、同行のシステムを担当しました。そして数年後にサンパウロに引っ越し、そこでクラウド コンピューティングを学びました。別の大手クラウド企業に数年努めた後、Google Cloud に辿り着きました。
かなりの経験ですね!
たくさんの経験を積むことができました。当時の私の状況についてお話しすると、アンゴラに移住したのは結婚と貯蓄のためでもありましたが、ブラジルのようにポルトガル語を公用語とするアンゴラを見てみたかったという理由があります。アンゴラは黒人が大半を占めるため、さまざまなことを学びました。これまでを振り返ると、さまざまな経験が糧になって今の自分があるとともに、まだまだ学ぶことがあると感じます。
自分がこれまでに成し遂げてきたことについて、深く考えることはありますか?
他の人を同じように、私はただ自分の人生を歩み、新しい経験と機会を求めているだけです。18 歳の自分に、今の自分が成し遂げてきたことを伝えても信じられないでしょう。あの頃の私は毎日食べるために必死でしたから、1 年間は食べ物に困らない蓄えができるなんて考えられなかったと思います。自分が扱うことになるテクノロジーも、本だけでなく、クラウド コンピューティングの重要な部分を構築した Google Cloud の従業員から学ぶことになるとも、想像もできなかったでしょう。
ところで、お祖母様はあなたにどんな本を読ませたんのでしょうか?科学や数学の本ですか?
シェイクスピア、オスカー ワイルドの『ドリアン グレイの肖像』、それからドストエフスキーの『罪と罰』です。ラスコーリニコフのキャラが良い!自己改革といえば、今でも気に入っている本は『嵐が丘』ですね。
意外な答えでした。
これらの本からコンピュータの知識を得ることはありませんでしたが、他人のことや、他人が経験し得ることを理解するのに役立ちました。優れた物語は共感力を高めてくれます。共感力は、お客様との関係だけでなく、自分の経験や人生をより良いものにします。
- Google Cloud コンテンツおよび編集担当チーム