ハイブリッド クラウド

クラウドへの移行だけでなくモダナイゼーションにも Google Cloud を活用

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※この投稿は米国時間 2019 年 11 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google Cloud のお客様のご要望は、A 地点から B 地点にアプリケーションを移行することだけでなく、クラウド ネイティブなテクノロジーと手法であらゆるアプリケーションをモダナイズすることへと広がってきています。

今回は、Anthos を活用してアプリケーション ポートフォリオを変革している、Google Cloud のさまざまな新規のお客様をご紹介します。また、クラウド移行、API 管理、アプリケーション開発の新しい方法もご紹介します。

  • オンプレミス環境、クラウド環境、エッジ環境での多様なユースケースへの対応に Anthos を活用している新たなお客様

  • Migrate for Anthos の一般提供

  • Apigee ハイブリッドの一般提供

  • Cloud Code の一般提供

Anthos でアプリのモダナイゼーションを加速

Anthos は、多様なクラウド環境(マネージド クラウド、オンプレミス、エッジ)にわたる統一されたコントロール プレーンとサービスを提供する、初めてのオープンなアプリ モダナイゼーション プラットフォームです。この春に一般提供を開始して以降、多種多様な業界や地域の組織が、クラウドやコンテナ、マイクロサービスのメリットをアプリケーションで活かすために Anthos を採用しています。

Forrester による Total Economic Impact(総合的経済効果)の調査結果では、Anthos を採用した顧客は、ライセンスとサポートの継続に伴う経費の抑制と、オペレーション改善およびデベロッパーの生産性向上による漸進的なコスト削減により、費用対効果が最大で 5 倍になっているとされています。金融サービス業界のお客様の一例を挙げると、以前はバンキングのコア アプリケーションで新機能やアップデートを公開するまでに少なくとも 1 四半期はかかっていました。Anthos の導入後は、数か月かかっていた開発とリリースのサイクルを大幅に短縮して週単位でのリリースが可能になり、以前と比較してアップデートが 13 倍速くなりました。

11 月 20 日、 21 日に開催した Google Cloud Next'19 UK では、ヨーロッパに拠点を置く新規のお客様が登壇し、Anthos を活用した IT 運用の変革の方法についてご紹介いただきました。 

Kaeser Kompressoren SE 社は、ドイツのコーブルクを拠点とする圧縮空気関連の製品とサービスを提供する企業です。同社は既存のオンプレミスの SAP ワークロード(SAP Data Hub など)をデプロイして管理できる一貫性のあるプラットフォームを必要としていました。また、そうした環境からさらに価値を引き出すために、Google Cloud で実行されるサービスを利用できるようにしたいと考えていました。

CIO の Falko Lameter 氏は次のように述べています。

「アプリケーションのモダナイゼーションにより、社内のビジネス変革を実現できています。データからより詳細な分析情報を得るには、最先端の機械学習とデータ分析の技術をすべてのアプリケーションに組み込む必要があることはわかっていました。Google Cloud の Anthos を選んだ理由は、ビジネスを中断することなく従来のオンプレミスのアプリケーションを徐々にモダナイズできる柔軟性を備えているからです。同時に、他のアプリケーションを Google Cloud 内の Anthos で実行して、マネージド データ分析や、機械学習、人工知能のサービスを利用できることも魅力でした。」

次にご紹介するのは DenizBank 社です。トルコを拠点とする DenizBank 社は、さまざまな商用バンキング サービスを提供しています。2012 年には、トルコで初めてのデジタル バンキング部門も設立しました。同社はオープンなアプリケーション モダナイゼーション プラットフォームとして Anthos を採用し、次世代のモバイル バンキング アプリケーションの開発に役立てています。

DenizBank 社 COO の Dilek Duman 氏は、次のように述べています。

「弊社は 11 か国で事業を展開しており、データの局所性、データ主権などに関するさまざまな法規制に準拠する必要があります。こうした法規制により、ある国では一部またはすべてのアプリケーションをオンプレミスで管理することが義務付けられている一方で、その他の国ではアプリケーションを比較的自由にクラウドに移行できています。オペレーションのセキュリティとガバナンスを向上させつつ、既存アプリケーションへの投資を容易にモダナイズし、さらに、人工知能や機械学習を活用したソフトウェアの開発も迅速化できる柔軟性があることから、Google Cloud の Anthos を採用しました。Anthos を活用すると、ハイブリッド デプロイメントを統合管理ビューで確認できるため、さまざまな環境でバンキング ワークロードを実行できる一貫性のあるプラットフォームを実現できます。」

Anthos はエッジ ロケーションでもデプロイされ始めています。完全にソフトウェアをベースとした設計であるため、ハードウェアの形状を問わず、どのデバイスでも実行できます。現在、エッジ環境でのユースケースに Anthos を使用する方法について、通信、小売、製造、エンターテイメントのほか、グローバルなハードウェア OEM のお客様と詳細なディスカッションを進めています。

Migrate for Anthos による移行とモダナイゼーション

お客様は、Anthos を使用してクラウド テクノロジーをオンプレミス環境で活用するだけでなく、クラウドへの移行とコンテナによるモダナイゼーションも実現したいと考えています。そのようなご要望にお応えするため、このたび Migrate for Anthos の一般提供を開始しました。このサービスは、さまざまなソース(オンプレミス、Amazon AWS、Microsoft Azure、Google Compute Engine)から、物理サーバーや仮想マシンを Anthos GKE のコンテナに直接変換するための迅速で負担の少ない実現方法を提供します。

Migrate for Anthos を使用すると、膨大な手作業や特別な訓練を必要とすることなく、アプリケーションを簡単にモダナイズできるようになります。Migrate for Anthos でオンプレミスのシステムを Google Kubernetes Engine 上のコンテナへアップグレードすると、OS レベルの管理とメンテナンスの削減、リソース活用の効率性向上のほかに、データ分析、人工知能、機械学習などの Google Cloud サービスとの容易な統合といったメリットを得られます。

DevFactory 社は、ソフトウェア開発における反復タスクをオフロードして、開発チームがコーディングと生産性向上に集中できるようにすることを目指しています。コンテナによる最適化を強く提唱している同社は、目標を達成するうえで Migrate for Anthos が重要な役割を果たすと判断しました。

DevFactory 社の CEO である Rahul Subramaniam 氏は、次のように述べています。

「データセンターでは、リソースの 1% 未満しか活用されていないことがよくあります。Migrate for Anthos は、データセンターのワークロードを簡単な手順でクラウドに移行できる驚くべきツールです。Migrate for Anthos でサーバーと仮想マシンをコンテナに自動変換することで、リソースの活用を促進しつつ、コストを大幅に削減できました。しかもマネージド インフラストラクチャを手に入れられるというおまけつきです。まさに、弊社が待ち望んでいたすばらしいソリューションです。」 

Migrate for Anthos は、追加料金なしで Anthos のサブスクリプションの有無にかかわらずご利用いただけます。

 Apigee ハイブリッドで API ファーストの環境をどこでも実現

モダナイゼーションとイノベーションを促進するために、ハイブリッド環境とマルチクラウド環境にわたるサービスの連携に API ファーストのアプローチを採用する企業がますます増えてきています。ハイブリッド API 管理のニーズに対処するため、Apigee ハイブリッドの一般提供が開始されます。Apigee ハイブリッドを使用すると、ハイブリッド環境に自社の API ランタイムをデプロイする一方で、デベロッパー ポータル、API モニタリング、アナリティクスといったクラウドベースの Apigee 機能を使用できる柔軟性が得られます。Apigee ハイブリッドは Anthos にワークロードとしてデプロイできるので、統合された Google Cloud スタックのメリットと Anthos の自動化とセキュリティのメリットの両方を得られます。

Gap Inc. 社は、Apigee を使用して API を公開、保護、分析し、そうした API で作業する開発チームの新規メンバーのオンボーディングを簡素化しています。これらの機能は、ビジネス クリティカルな API の管理において極めて重要です。Apigee ハイブリッドによって、オンプレミスとクラウドの間にこれまで存在していたトレードオフの関係を解消し、両方の環境の強みを最大限に生かすことがさらに可能になります。

Gap Inc. 社のエンタープライズ アーキテクトである Patrick McMichael 氏は、次のように述べています。

「Apigee ハイブリッドを採用することで、管理が簡単なローカライズされたランタイムを、レイテンシセンシティブかつデータ機密性が求められるシナリオで使えるようになりました。同時に、Apigee のデベロッパー ポータルや豊富な API ライフサイクル管理機能など、Apigee のメリットを引き続き活用できています。」

デベロッパーの作業を簡素化

Google Cloud のアプリケーション開発ツールは、コンテナや Kubernetes 用のアプリ作成を簡素化し、パイプラインにセキュリティとコンプライアンスを組み込めるように設計されています。また、需要に応じてスケールアップまたはスケールダウンを可能にし、使用した分だけ支払うことができる仕組みになっています。 

こうした目標を念頭に、Google は先週、Cloud Run と Cloud Run for Anthos の一般提供開始を発表しました。Cloud Run は Google Cloud 上のマネージド型コンピューティング プラットフォームであり、フルマネージド環境または Anthos 上でサーバーレス コンテナを実行できます。Cloud Run は、あらゆる言語で記述されたステートレス コンテナを簡単にデプロイして実行でき、自動スケールアップおよびスケールダウンや従量課金制 (フルマネージド環境の場合)といったサーバーレスのメリットを享受できます。基盤となるインフラストラクチャの管理は必要ありません。

Cloud Run for Anthos は、これと同じサーバーレス デベロッパー環境を Anthos マネージド クラスタで使用できるようにしたものです。Cloud Run for Anthos を使用すると、オンプレミス環境を Kubernetes でモダナイズするにあたり、デベロッパーには最新のサーバーレス コンピューティング プラットフォームへのアクセスが提供されるようになります。

Cloud Code で Kubernetes での開発を簡単に

本日、Google Cloud アプリケーション開発スタックに新たに加わる Cloud Code の一般提供を開始しました。Cloud Code を使用することで、デベロッパーは Visual Studio Code や IntelliJ といった一般的な統合開発環境(IDE)で使用できる拡張機能を通じ、コードを記述してデバッグし、Google Cloud や Kubernetes クラスタにデプロイすることができます。

デベロッパーの生産性は、お気に入りの IDE で作業するときに最も高くなります。Cloud Code は Kubernetes アプリケーションの作成と保守のプロセスを大幅に簡素化します。Cloud Code では、デベロッパーが現在使っているワークフローとツールをそのまま利用できるため、ローカル アプリケーションで作業しているかのように Kubernetes での作業ができます。固有のニーズに合わせたツールの構成もそのまま使用可能です。 

Cloud Code では、編集、デバッグ、レビューからなる「開発の Inner loop 」をクラウドにも拡張することで、Kubernetes 向けの開発を迅速化します。変更を加えるとすぐにフィードバックを得られるため、高品質を維持できます。また、コード本番環境に移行する際には、Cloud Build などの一般的な継続的インテグレーションと継続的デリバリー(CI / CD)のツールを使用できます。

Cloud Code を使用すれば、Kubernetes に精通していなくても問題の診断が可能になります。具体的には、デバッガへの接続と、クラスタ全体のロギングにより、現在使っているツールに関連付けながら問題に対処できます。

最新の効率的なアプリケーションの開発に向けて

アプリケーション モダナイゼーションが意味するところは、人の捉え方によって異なります。VM からコンテナ / Kubernetes へのアップデートを思い浮かべる人もいれば、VM のクラウドへの移行をイメージする人もいます。さらには、VM を複数のエッジ ロケーションに分散して、一貫した API とサービス管理でワークロードを統合するといった、大規模なシナリオを考える人もいますが、それは実行環境によって大いに異なります。また、アプリケーション モダナイゼーションは、クラウト ネイティブなツールやコンセプト(サーバーレス、CI / CD など)の活用をも包含する用語です。アプリケーション モダナイゼーションの定義にかかわらず、全体的なガバナンスと俊敏性の向上を図りながら、ビジネスとモダナイゼーションの目標を実現できるよう、Google は支援して参ります。

 -by プロダクト管理担当バイス プレジデント Jennifer Lin、プロダクト&デザイン担当バイス プレジデント Pali Bhat