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ハイブリッド クラウド

小売業と製造業向けの Google Distributed Cloud のご紹介

2024年3月6日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2024 年 2 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

小売業や製造業のお客様は、POS システムや工場運営などのアプリケーション向けに従来のオンプレミス開発を改善しながら、自動受注、AI ベースの外観検査、セルフレジといった機能豊富な新しいエクスペリエンスを構築する方法を模索しています。しかし、数十から数千のロケーションで実行される可能性のある現行アプリケーションを維持しながら、最新のワークロードを構築、デプロイ、管理するのに苦心しています。

このたび、Google Distributed Cloud Edge サーバーの一般提供が開始になりましたのでお知らせいたします。このサーバーは Google Distributed Cloud Edge の新しい構成で、小売店、レストラン、製造施設に設置できるように最適化されています。Google Distributed Cloud Edge サーバーはロケーションのネットワーク機器に直接接続する 3 種類の小型フォーム ファクタ サーバーで構成されており、フルマネージド型で可用性の高い Google Kubernetes Engine クラスタを数十から数千のロケーションに簡単にデプロイでき、場合によってはインターネット アクセスが制限された環境や断続的な環境にデプロイ可能です。そのため、AI による外観検査などの AI 支援アプリケーションをはじめ、ローカル オペレーションをサポートするビジネス クリティカルなアプリケーションをスケーラブルに管理できます。

アプリケーションは小売業のお客様に質の高いエクスペリエンスを提供し、製造ラインを稼働させ続けるために欠かせません。けれども、複数の製造工場や数千の小売店舗を持つお客様は、こうしたアプリケーションを大規模にデプロイして管理し、高可用性を確保することに苦心しています。最近では、アプリケーションをクラウドに一元化することで管理を最適化しているお客様がいらっしゃいます。ただしこの場合、帯域幅が制限されたり、接続が断続的になったりすると、その間はアプリケーションの遅延や停止を招くおそれがあります。一方で、サーバーをローカルにデプロイするお客様もいらっしゃいますが、各ロケーションを個別に管理する必要があり、運用費用が高くつきます。その上、サーバーが単一障害点になることが多く、さらにデプロイツールが不十分な場合、アプリケーションの修正をすべてのロケーションにデプロイするには数週間から数か月間かかる可能性があり、運用リスクも増大します。また、お客様が新しい AI ベースのアプリケーションを追加していくと、こうしたアプリケーション向けにコンピューティング機能やグラフィックス機能を別途備えたサーバーが新たに必要となるため、プラットフォームの無秩序な拡大に頭を悩ますことになります。このような点について意思決定を行う上でも、主な考慮事項などについて詳しくは、製造業小売業 IT 関連の意思決定者向けの顧客分析情報レポートをご覧ください。

クラウドでアプリを構築し、オンプレミスでデプロイ、スケーリング

Google Distributed Cloud Edge サーバーにより、お客様は Google Cloud の最高水準のツールを使用して、大規模なアプリケーションを管理できる最新のフルマネージド アプリケーション プラットフォームを各ロケーションにデプロイできます。Google Distributed Cloud Edge サーバーは、ビジネス クリティカルなアプリケーションをローカルで実行できるように設計、最適化されており、インターネット接続が制限されている場合や断続的な場合でも稼働し続けます。さらに、Google Distributed Cloud Edge サーバーはフルマネージドであり、業界をリードする Google の自動化およびサイト信頼性エンジニアリング手法を活用して、大規模であっても運用費用を低く抑え、サーバーに障害が発生した場合でも稼働が停止しない冗長性を組み込んでいます。Google Distributed Cloud Edge サーバーには、デフォルトで Google Kubernetes EngineGKE)と一連のアプリケーション オーケストレーション ツールが含まれているため、お客様は新しいアプリケーションや既存のアプリケーションの更新をすべてのロケーションに迅速かつ確実にデプロイできます。このような機能により、アプリケーションのローカル実行によるレイテンシ軽減と接続に関するメリットを享受しながら、アプリケーションをクラウドに一元化できます。また、Google Distributed Cloud Edge サーバーは、オプションの GPU を使用して VM とコンテナの両方をサポートできるため、お客様は単一のプラットフォーム上で既存と新規両方の AI ベースのアプリケーションを実行でき、無秩序な拡大を防ぐことができます。エッジ コンピューティングが小売業者にもたらす機会とユースケースについて詳しくは、こちらのブログ記事をご覧ください。

「クラウド コンピューティングは、さまざまな業界のお客様にとって前例のないスケーラビリティ、容易性、アジリティを実現しましたが、ロケーションごとにアプリケーションを実行する必要があるため、ローカル アプリケーションの導入は限られています」と、Google Distributed Cloud のエンジニアリング担当バイス プレジデントである Ankur Jain は述べています。「Google Distributed Cloud Edge サーバーを使用すれば、クラウドのスケーラビリティおよびアジリティに加え、ローカル処理の可用性という両方の長所を組み合わせられます。」

クラウドからエッジまで、小売業や製造業をサポート

小売店、ファスト カジュアル店舗、製造フロアに Google Distributed Cloud Edge サーバーを適切に設置すれば、小売業や製造業の IT 意思決定者を次のような方法でサポートできます。

  • クラウド対応の最新インフラストラクチャをオンプレミスでスケールする。最新のクラウドベースのアプリケーションをクラウド上に構築し、1 つの小売店やウェアハウスから数千のロケーションにデプロイしてスケールします。

  • 運用費用を削減するGoogle のフルマネージドのハードウェアとソフトウェアを使用して、IT 費用とリソース支出を改善し最適化します。

利用を開始するには、1 つ以上の Google Distributed Cloud Edge サーバー構成を Google Cloud から直接ご注文ください。トレーニングを受けた技術者がオンサイトで初期インストールを実施します。その後、Google Cloud がソフトウェア アップデートのインストール、構成の最適化、ハードウェアのモニタリングなど、プラットフォーム全体を完全に管理します。デベロッパーは GKE Config Sync などの大規模なクラウド環境の管理に使うものと同じ Google Cloud ツールを使用して、1 つのロケーションやリージョン全体、世界全体に対して、制御された方法でコンテナや VM を大規模に起動して更新できます。ハードウェアに障害が発生した場合でもシステムが動作し続け、その間に Google が自動的に技術者を派遣してサーバーを交換します。

Google Distributed Cloud Edge 構成の料金について詳しくは、こちらをご覧ください。

ー Google Distributed Cloud、シニア ディレクター兼 PMBrad Bonnett

ー Google Cloud、プロダクト マネージャー Will Ochandarena

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