Next ’24 初日のハイライト: すべての人のための AI エージェント
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 4 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
晴天に恵まれたラスベガスで本日、Google Cloud Next '24 が開幕しました。Next の初日、ラスベガスでは何が発表されたのでしょうか。一言で言えば、AI です。本日のハイライトをご覧ください。
Google はまず、企業が将来 AI をどのように活用していくかではなく、現在どのように活用しているかを思い起こしました。
Google と Alphabet の CEO である Sundar Pichai は、Next の基調講演にリモート参加し、Google が生成 AI でどこまで、そしてどれほど速く進歩したかを語りました。「昨年の夏、Google はこのテクノロジーがどのようにビジネスを変革できるかを想像し始めたばかりでした。現在、この変革は順調に進んでいます」と Pichai は述べました。
基調講演のステージでは、Thomas Kurian のほか Amin Vahdat、Aparna Pappu、Brad Calder といった経営幹部が、今日最も有名な最大手ブランドである Goldman Sachs、Mercedes、Uber、Walmart、Wayfair などの事例を取り上げました。
その中で、新たな素晴らしいプロダクト、パートナー、テクノロジーが発表されました。ここでは、4 つの主要テーマについて本日発表されたもののほんの一部を紹介します。
1. AI を大いに活用する
Pichai の言葉を借りれば、Google は AI を利用して「以前より圧倒的に便利な」プロダクトを作ろうとしています。次の優れたアプリを開発するデベロッパー、インフラストラクチャを構築、管理するアーキテクト、同僚とコンテンツを共同制作するエンドユーザー、ビジネスデータの深層を探るデータ サイエンティストなど、Google AI がこれらユーザーの仕事を改善するための新しい方法の一部を紹介します。
発表された内容:
Google Cloud 用 Gemini は、以下のとおり、ユーザーによる AI エージェントの構築、より効率的な作業とコーディング、アプリケーションの管理、より深みのあるデータ分析情報の獲得、セキュリティ脅威の特定と解消を支援します。すべては、Google Cloud の一連のサービスに綿密に統合されています。
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Gemini Code Assist は、デベロッパー向け Duet AI を進化させたものだが、デベロッパーが自然言語を使用して、プライベート コードベースやお気に入りの統合開発環境(IDE)に対するコードの追加、変更、分析、効率化を行えます。
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Gemini Cloud Assist は、クラウドチームによるアプリケーション ライフサイクルの設計、運用、最適化を支援します。
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Gemini in Security、Gemini in Databases、Gemini in BigQuery、Gemini in Looker を使用することで、これらの重要なワークロードにおけるチームのスキルと能力が向上しやすくなります。
そして Google Workspace は、リアルタイムの創造とコラボレーションを主眼として構築されました。今回、Google は、これを以下のとおりさらに改良しました。
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Google Vids は、AI を活用して動画作成、記述、制作、編集をすべて支援します。Vids は、Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドのような他の生産性向上ツールとともに、誰もが仕事で優れたストーリーテラーになれるツールです。
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新しい AI Meetings and Messaging アドオンには、「take notes for me」機能(現在はプレビュー版)、「translate for me」機能(6 月提供予定)、メッセージの自動翻訳や Google Chat のオンデマンド会話サマリーなどの機能が搭載されています。このアドオンは 1 ユーザーあたり月額 $10 で利用可能で、ほとんどの Workspace プランに追加できます。
2. 最先端の基盤モデルを基に構築
上術の機能はすべて、おわかりのとおり、Google の最もパワフルなモデルである Gemini を基盤としています。本日の Next '24 で、Google は、Vertex AI やその他の AI 開発プラットフォームを通じて、デベロッパーが Gemini を自身のアプリケーション作りに役立てる方法を発表しました。
発表された内容:
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Gemini 1.5 Pro は現在、Vertex AI をご利用のお客様向けに公開プレビュー版としてリリースされています。これにより、デベロッパーは、1M コンテキスト ウィンドウでの構築に Gemini 1.5 Pro がどのように役立つかを自身で確認できます。
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Google のテキストから画像への変換モードである Imagen では、プレビュー機能として、テキストからライブ映像を作成できるようになりました。Imagen で単純なテキスト プロンプトから GIF のようなアニメーション映像を生成できることを想像してみてください。Imagen には、インペイントやアウトペイント、Google DeepMind の SynthID を搭載したデジタル透かし機能などの高度な写真編集機能も備わっています。
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Vertex AI に MLOps の新機能である Vertex AI Prompt Management と新しい評価ツールが実装されました。
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Vertex AI Agent Builder は、Vertex AI Search and Conversation のプロダクトに加え、デベロッパー向けに強化された複数のツールを統合することで、エンタープライズ向けの生成 AI エクスペリエンスをより簡単に構築、デプロイできるようになっています。
3. AI に最適化されたインフラストラクチャで動作
Google の自社システムだけでなく、お客様のシステムも強化するために、ワークロードに合わせて最適化されたインフラに投資しなければ、前述のことはいずれも実現しません。
発表された内容:
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AI ハイパーコンピュータ アーキテクチャ全体の強化には Cloud TPU v5p の一般提供、NVIDIA H100 Tensor Core GPU を搭載した A3 Mega VM、Hyperdisk ML を含むストレージ ポートフォリオの最適化、JetStream、JAX、PyTorch / XLA のリリースを含むオープン ソフトウェアの進化を含む。
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「Google Axion」はデータセンター向けに設計された Google 初の Arm® ベースのカスタム CPU。
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第 5 世代 Intel Xeon プロセッサを搭載した C4 および N4 汎用 VM などの新しいコンピューティング機能とネットワーキング機能、ならびに Google Distributed Cloud 全体の機能強化。
4. 必ず信頼できるデータを活用
AI モデルの質は、トレーニングに使用したデータの質に必ず比例します。では、信頼できるエンタープライズ向けデータベースやデータ ウェアハウス以上に質の高いデータはどこで入手できるでしょうか。Google Cloud では、これを「エンタープライズにおける真実」と考え、自社のデータクラウド全体で機能を構築し、AI アプリケーションが必ず信頼できるデータを利用することを保証しています。
発表された内容:
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データベースの強化: Google Cloud のデータベースがこれまで以上に AI に対応するようになりました。AlloyDB AI では、新しいベクトル機能を使用でき、リモートモデルにより簡単にアクセスでき、自然言語に柔軟に対応するようになっています。また、高度なベクトル検索機能を備えた数ある Google データベースの一員として加わったのはFirestore です。
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BigQuery に関する大きなニュース: Google は、BigQuery Omni を介して各クラウドにまたがるものを含む統合データ分析プラットフォームとして BigQuery に軸足を置きます。また、BigQuery には新しいデータ キャンバスも追加されました。これにより、データ探索、キュレーション、ラングリング、分析、可視化のワークフローのための新しい自然言語ベースの処理が可能となります。
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最後に、エンタープライズ データだけでなく、Google 検索の結果にもモデルを組み込むことができるようになりました。これにより、モデルが最新の、質の高い情報を利用できるようになりました。
こちらは、午前の基調講演で紹介されました。この後参加者は、300 以上のスポットライトやブレークアウト セッション、Innovators Hive、そしてもちろん、Google Cloud のテクノロジーを利用して構築された 100 以上の AI ソリューションをパートナーが紹介するショーフロアに向かいました。
また明日、皆様にさらに多くのニュースを紹介し、本日の発表について深く掘り下げ、恒例の人気イベントであるデベロッパー基調講演でお会いできることを楽しみにしています。それではラスベガスの夜をお楽しみください。ただし、あまり夜更かしはしないでください。明日もたくさんのことが待っています。
- Google Cloud コンテンツおよび編集担当編集長