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金融サービス

金融サービスのアジリティとセキュリティの改善に関して、Google Cloud で得られる 8 つの利点

2021年8月18日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 8 月 3 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックは、金融サービス業界に劇的な変化をもたらしました。それ以前にも、機敏な新興のフィンテックの台頭によってモダナイズを迫られていたこともあり、老舗の銀行や保険会社はデジタル トランスフォーメーションを段階的に進めてはいましたが、2020 年にはこれがさらに加速されることとなりました。支店は閉店され、リモートワークが常態となりました。ほとんど一夜のうちに、従業員には企業システムへの安全なリモート アクセスが必要になり、顧客は複雑な取引まで、時間帯やデバイスを問わずに完了できることを期待するようになりました。このような変化の多くは、パンデミックが収束した後もニューノーマルとしてそのまま定着すると考えられます。Forrester Research によれば、グローバル金融サービス業界の CIO と SVP の 90% 近くが、カスタマー エクスペリエンスの向上と収益拡大にはアプリケーション ポートフォリオの改善が不可欠であると述べています。1 ここで問題になるのは、レガシー システムをクラウドベースの SaaS エンタープライズ ソフトウェアに置き換えるのは、時間とリソースを大量に消費する大がかりなプロセスだということです。

IDG が最近完成させたホワイト ペーパー「Financial Services Spotlight: Elevating agility and security in the cloud(金融サービスが注目するクラウドのアジリティとセキュリティの向上)」では、オールオアナッシング アプローチによるプラットフォーム再構築の代替案として、オンプレミス アプリケーションとワークロードを書き直さずにクラウドに移行する「リフト&シフト」という手法が大きく取り上げられています。この手法をとれば、組織は使い慣れたアーキテクチャを維持しながら、最新のクラウド環境のスケーラビリティと最先端のテクノロジーを利用できます。Google Cloud VMware Engine を導入すれば、このように金融サービス業界に明るい兆しが見えてきます。

IDG の調査で明らかになった点を概観するには、ホワイト ペーパーの全文をダウンロードしてお読みください。

シンプルな移行で、大きな成果を

Google Cloud VMware Engine を利用することで、金融サービス企業はシームレスな移行と運用を実現できます。

VMware ワークロードは Google Cloud でネイティブに実行可能です。クラウドに移行することで、組織は種々の Google Cloud サービスを活用できるだけでなく、堅牢なサードパーティ クラウド エコシステムへもアクセスできるようになります。また、チームが使い慣れた VMware ツール、プロセス、ポリシーは引き続き使用することが可能です。IDG の調査によれば、Google Cloud VMware Engine で Google Cloud に移行することには以下のような数々の利点があります。

  1. 新しいカスタマー エクスペリエンスを構築する。Google Cloud に移行すると、コンテナやマイクロサービスなど、クラウドネイティブな最新のアーキテクチャとテクノロジーを簡単に利用できるようになります。これにより、金融機関は迅速かつ安全に新しいアプリケーションをリリースできるようになり、DevOps パイプラインを使用して、継続的にアプリケーションをアップデートできるようになります。また、Google Cloud のネイティブ AI とデータ分析を使用して、チャネル全体で顧客により密着したカスタマー エクスペリエンスを構築することもできます。

  2. 新たなサービスを提供する。移行後はクラウドベースの API を介して複数のサードパーティ サービス プロバイダに接続できます。そうすることで、多様な新サービスを一から構築することなく顧客に提供できるようになります。

  3. IT リソースを最大限に活用する。データやアプリケーションを Google Cloud に移行すれば、オンプレミス インフラストラクチャの物理ストレージやコンピューティング能力の制約から解放されます。つまり、(たとえ予期しない急増が生じても)需要に合わせて処理能力を調整できるようになるということです。また、Google Cloud のオペレーション スイートを使用してハイブリッド クラウド環境の可視性も強化でき、これにより、プラットフォームやアプリケーションのインテリジェントな分析や、よりスムーズなトラブルシューティングが可能になります。

  4. 鮮度の高い分析情報を取得する。顧客が何を、いつ求めているかを知るためのヒントはデータの中にあります。クラウドのデータ分析機能を活用すれば、このようなヒントを見つけ出すことができます。Google Cloud のサーバーレス データ ウェアハウス、BigQuery に接続することで、データを価値ある分析情報に変換し、顧客に密着したカスタマー エクスペリエンスや、コンプライアンスに関する詳細なレポートの作成、新製品開発、インテリジェントな不正検出などに役立てることができます。

  5. 移行対象を選択する。金融サービス業界にはデータ ガバナンスに関する固有の規制や要件があり、一部のデータは今後もオンプレミスで保持する必要があります。Google Cloud VMware Engine では、クラウドとオンプレミスのハイブリッド環境を簡単に管理できるため、センシティブ データを完全に管理下に置くことができます。

  6. 高い復元力を獲得する。金融サービス企業は Google Cloud VMware Engine を利用して、アプリケーションに分散アーキテクチャと一元管理の機能を実装することで、バックアップや障害復旧など、ビジネスの継続性にかかわる重要な機能を運用できるようになります。Google Cloud のグローバル インフラストラクチャのパフォーマンスと可用性が制限されることはありません。

  7. セキュリティを強化する。クラウドネイティブなアプリケーション フレームワークを使用することで、管理者はパッチやソフトウェア アップデートを組織全体に対して一元的かつ自動的に発行できるようになり、エラーやセキュリティ脆弱性のリスクが軽減されます。また、常時暗号化や AI を活用した脅威検出など、Google Cloud のセキュリティ機能も活用できます。

  8. IT リソースをリダイレクトする。仮想化ワークロードをクラウドに移行することで、人材や予算(複雑なオンプレミス インフラストラクチャの管理にこれまで費やしていた時間)を解放し、新しいプロダクトとサービスの開発に投入できます。つまり、運用に費やす労力を削減し、革新的な独自のカスタマー エクスペリエンスの構築にこれまでよりも多くのリソースを充てられるようになります。

IDG の調査では、金融サービス企業のビジネス アプリケーションを Google Cloud VMware Engine で Google Cloud に移行することで、レガシー IT システムの技術的な問題に悩まされなくなり、変化を先取りできるようになる、と結論付けられています。クラウドベースのシステムを活用すれば、確立された組織であるというメリットを享受しつつ、スタートアップ企業のようなスケーリング、スピード、アジリティを実現できます。

金融サービス企業のデジタル トランスフォーメーションを加速させるために Google と VMware が共同で進めている取り組みについて詳しくは、ホワイト ペーパーの全文をご覧ください。


1. Vmware-forrester-financial-services-modern-app-report.pdf、VMware の委託により Forrester Consulting が実施した調査、2020 年

-プロダクト マーケティング担当 Ken Drachnik

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