PayPal と Google Cloud が提供する、販売者向けエージェント活用型コマース ソリューションのご紹介

Rohit Bhat
General Manager, Managing Director, Google Cloud
Brian Peters
VP, Strategic Partnerships Innovation, PayPal
※この投稿は米国時間 2025 年 10 月 28 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
現代の消費者は、商品を見つけてから購入に至るまで、シームレスでパーソナライズされたショッピング ジャーニーを求めています。エージェント AI の台頭により、販売者はあらゆるタッチポイントで真にお客様をサポートし、なおかつ包括的なエクスペリエンスを提供できるようになりました。
そこで、コマースの変革という目標を掲げる PayPal と Google Cloud は、Google Cloud の会話型コマース エージェントと PayPal の決済機能を組み合わせた新しいサービスによる、エージェントを活用したショッピング エクスペリエンスの実現を発表いたします。
この 2 社の能力を組み合わせたサービスにより、販売者はエージェントを活用したコマース エクスペリエンスを自社のデジタル サーフェスに直接迅速にデプロイして、消費者エンゲージメント、パーソナライゼーション、コンバージョンを促進できるようになります。販売者は、エージェントのトーン、外観、顧客関係を完全に管理できます。
仕組み
PayPal エージェントは、オープンな Agent2Agent(A2A)プロトコルを介して販売者のエージェントと安全に通信します。また、Agent Payments Protocol(AP2)とも統合されています。AP2 は、A2A と Model Context Protocol(MCP)上に構築された支払いレイヤで、信頼性、アカウンタビリティ、不正行為の管理機能を実現します。
A2A プロトコルは、AI エージェントが組織を越えて別の AI エージェントと通信、連携し、タスクを委任できるように設計されたオープン スタンダードです。AP2 は、エージェントによるトランザクションを保護する、検証可能なデジタル認証情報などの要件セットを提供します。

スムーズでシンプルなショッピング ジャーニー: エージェントによるコラボレーションが生み出す力
この新しいサービスにより、販売者は Google Cloud の会話型コマース エージェントを採用するか、Google の Agent Development Kit(ADK)を使用して独自のエージェントを構築するかを選択できます。ブランドに完全に準拠し、インテリジェントな販売員として機能する会話型コマース エージェントは、買い物客との人間のような自然な会話によって、当初のインテントから商品の発見、購入の完了までをサポートします。
一旦デプロイされると、販売者のコマース エージェントは複雑なリクエストを理解し、関連する商品を提案し、質問に答え、ユーザーのショッピング ジャーニーをパーソナライズされた方法でサポートします。お客様が商品を見つけて選ぶ際、販売者のコマース エージェントは A2A を通じて PayPal エージェントと連携し、商品のおすすめを改善できるよう、許可されたデータに基づいてユーザーのショッピング履歴に関するコンテキストを提供します。
お客様がご購入手続きの段階まで進むと、PayPal エージェントは AP2 と連携して、会話型インターフェース内でシームレスかつ安全な購入手続きエクスペリエンスを提供します。PayPal エージェントは、お支払い方法のおすすめを表示したり、「後払い決済」の対象となるかどうかを確認したりすることもできます。買い物客の同意のもと、販売者エージェントは認証された方法で PayPal エージェントに接続し、信頼できるサーフェスで取引を承認します。
消費者の信頼を重視
エージェント活用型コマースには大きなチャンスがありますが、制御、リスク、不正行為に関する潜在的な課題も露呈します。Google Cloud と PayPal は、これらの課題に積極的に対処しています。
AP2 は、100 社を超える業界パートナーと共同で Google が開発した、決済方法に依存しないオープン プロトコルです。AP2 は、AI エージェントがユーザーに代わって取引を行うための安全な共通言語を提供し、A2A プロトコルと MCP のコア構成を拡張して、安全で責任ある、認可された商取引の基盤を確立します。
AP2 は、ユーザーのインテントを検証可能な形で証明する、改ざん防止が講じられ暗号化されたデジタル契約である委任を使用します。これらの委任は、Verifiable Digital Credentials(VDC)によって署名され、否認できない監査証跡が作成されます。
例:
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カートの委任: ユーザーがその場で購入を承認するために使用される基本的な認証情報。カートの委任は販売者が生成し、ユーザーが暗号的に署名(通常はデバイス経由)することで、特定の取引に対する承認をバインドします。
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支払い委任: 決済ネットワークと発行者で共有される個別の VDC。取引がエージェントを利用して行われていることを示し、決済ネットワークと発行者が信頼を構築してリスクを評価できるようにします。この認証情報には、AI エージェントの存在とトランザクション モダリティ(例: 人間が関与しているか否か)のシグナルが含まれています。
AP2 は、信頼できるエージェント主導の決済のための重要な基盤を提供し、検証可能なインテントを提供して、明確な取引責任を確立します。推論されたアクションではなく、ユーザーのインテントの確定的で否認できない証明に基づくものであると信頼できるようにすることで、エージェントのエラーのリスクに直接対処します。支払い委任は、すべての取引の基礎となる証拠として機能し、安全で変更不可能な監査証跡を作成します。これにより、支払いネットワークは、説明責任と異議申し立ての解決のための明確かつ公正な原則を確立できます。
たとえば、PayPal の AP2 準拠のエージェントを使用すると、ユーザーがその場にいて支払いを承認したことを販売者が確認できます。API を使用する代わりに、AP2 を使用してエージェントを接続し、ユーザー、販売者、決済プロバイダがエージェント主導の決済を自信を持って開始、実行できるようにします。
今回発表したように、Google Cloud と PayPal は、複雑なフレームワークをゼロから構築することなく、エージェント活用型コマース エクスペリエンスをデプロイしたいと考えている販売者向けに、ほぼすぐに使用できるソリューションを提供するために連携できることを誇りに思います。販売者は、消費者のエクスペリエンスと消費者との関係を管理しながら、このソリューションを利用できます。A2A プロトコルと AP2 プロトコルを使用してソリューションを構築することで、プロセス全体で安全性とセキュリティが確保されます。
詳しくは、Google Cloud の営業担当者にお問い合わせいただくか、こちらからお問い合わせください。
免責条項: この投稿に掲載されている動画は情報提供のみを目的としたものであり、将来の見通しに関する言及、予測、想定が含まれています。これらは将来のパフォーマンスを保証するものではなく、実際の結果やエクスペリエンスは異なる場合があります。
-Google Cloud、ゼネラル マネージャー兼マネージング ディレクター、Rohit Bhat
-PayPal、戦略的パートナーシップ イノベーション担当バイス プレジデント、Brian Peters 氏



