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顧客事例

より良い顧客体験を!ジョナサンが AI 接客で目指す未来

2024年12月10日
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Google Cloud Japan Team

「ガスト」や「ジョナサン」「バーミヤン」など 20 以上のブランド、計約 3,000 店舗を運営展開、年間約 3.5 億人の来訪客を迎える日本を代表する外食チェーンのすかいらーくグループ。その運営母体である株式会社すかいらーくホールディングス(以下、すかいらーく)は「ひとりでも多くのお客様に 安くておいしい料理を 気持ちのよいサービスで 快適な空間を味わっていただく」というミッションの下、早くから DX 推進に舵を切ってきました。今回は、マーケティング本部の皆様にお話をお伺いしました。

利用しているサービス:Cloud Run, Firestore, Gemini API, Document AI, BigQuery, など


進化を止めない、すかいらーくのアプリ開発

グローバルに展開する外資系 IT 企業でプロフェッショナルチームを率いてきた経歴を持ち、5 年前からマーケティング本部にディレクターとして務める池田氏。

現在はお客様との接点となるアプリの担当をしており、注文端末や、すかいらーくアプリ、宅配システムなどの開発・展開を担っています。

すかいらーくでのやりがいや文化について、次のように話します。

「お客様や現場の従業員の体験に直接関わるアプリケーションの提供に携わっており、自分の業務の効果 / 反応が直接的に分かるのはやりがいの1つです。会社の文化として、現場での実験を重んじる側面があるため、年に 10 件近く実験をしながら、数値を測定し、お客様体験の向上やオペレーションの効率化を図っています。」

例えば、今店舗で展開している 呼出し通知板 や テーブル決済、配膳ロボット連携 の仕組みは、小さな実験から試行錯誤する中で生まれました。既存のソリューションの活用だけでなく、内製でクイックに作って試行錯誤をすることで、より 現場に最適な仕組みを提供でき、お客様の体験を向上させるアプリの展開に繋げられていると話します。

Gemini を活用した AI 接客:ジョナサン秋葉原駅前店での実験

様々な施策を通じて、オペレーションの効率性の向上を追求する中で、お客様との接点を大切にしていくべく、すかいらーくでは AI を使った顧客体験の向上を目指します。

「店舗デバイスの導入など、様々な施策を行い、オペレーション効率が向上する一方で、お客様との接点を大切にする従業員教育に力を入れて取り組んでいます。さらに店舗体験を高める工夫として、AI を単にオペレーションの効率化のためだけに利用するのではなく、スタッフと AI がチームワークを発揮し、体験価値を向上していくために何かできないかと考えました」

そこで、 2024 年 9 月 19 日よりジョナサン秋葉原駅前店で、Gemini を使った AI 接客の実験を行いました。

そこでは 2 つの機能を提供しており、その1 つは DXコンシェルジュ機能です。AI に対して「今日は軽めの食事にしたい気分だけど何かおすすめはありますか?」と尋ねるなど、店員と会話をするような感覚で、メニューを検索することができます。現在の注文の仕組みでは、食べたいものが決まっておりその中でメニューを探す体験になっているため、今までとは違った新しい体験を提供することができます。

もう 1 つの機能は、DXお客様相談室という機能で、お客様が店舗や食事に対して気軽にフィードバックを届けるのに活用されます。今までも注文端末からお客様に対してアンケートで意見を求めたり、お客様からお客様相談室に連絡を取っていただきご意見をいただくことはありましたが、もっとカジュアルにお客様の声を聞く手段の 1 つとして、実装しました。これにより、実験の 1 店舗だけでも 1 日 2 - 3 件の意見をいただくことができ、「お店の内装が素敵です」「従業員の◯◯さんの対応が良かったです」など、普段のアンケートでは収集できないような声も収集できたと話します。これにより、スタッフの働く意欲の向上にも繋がりうると話します。

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AI 接客の未来:すかいらーくの挑戦

店舗での実験を終えて、その結果をデータで振り返りながら、今後の展望について検討中だと池田氏は話します。

「実際に実験を終えてみて、AI 機能を使っていただけるお客様が当初期待していたよりも多いことに驚きました。今後、もっとお客様から AI 機能に対するフィードバックをいただけるような仕組みを作りながら、機能強化をし、展開していくことを検討していきたいと思っています。」

具体的な機能の案として、AI を活用したレコメンド機能と、外国人観光客の対応への活用をあげます。

「例えば、特定のテーブルで今までに注文した品物のリストは、POS と連携することで取得することができます。そこから、個々人の注文状況や趣味嗜好に合わせて、おすすめの料理を AI がリコメンドすることもできると考えています。」

具体的には、メインディッシュを頼んだ人にデザートを推奨したり、お酒を飲んでいる人におつまみを提案するようなユースケースを想定します。

また、主に外国人観光客の疑問や知りたい情報を多言語で案内するコンシェルジュへの活用も例としてあげます。

「例えば、Wi-Fi 接続の情報や支払い方法などを教えてくれるといった店内の情報案内だけでなく、地域や店舗近隣の情報を教えてくれる機能なども開発の検討に上がっています」

これにより、あらゆる人がスムーズに利用できたり、地域の情報を伝えることで地方創生に繋がる可能性があると考えています。

また、Gemini の場合は、BigQuery にフィードバックや結果を貯めて分析を行ったり、AppSheet などでアプリを作って活用することも容易にできるため、その後の活用にも繋げやすい点も魅力だと話します。

店舗スタッフと AI が協力することでより顧客接点を豊かにし、今まで提供できなかった顧客体験を提供できるようになります。すかいらーくでは、今までも大切にしてきた実験の文化で、様々なアイデアを形にしながら、顧客体験の向上に努めていきたいと考えています。

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株式会社すかいらーくホールディングス
『価値ある豊かさの創造』という経営理念と「ひとりでも多くのお客様に 安くておいしい料理を 気持ちのよいサービスで 快適な空間で味わっていただく」というミッションのもと、ガスト、バーミヤン、ジョナサンなど、約 3,000 店舗を展開し、年間約 3.5 億人のお客様が来店

株式会社システムサポート
GoogleCloud の認定パートナーとして数多くの生成 AI 案件の実績を持ち、今回の株式会社すかいらーくホールディングス様の Gemini を活用した AI 接客の基盤開発をサポートしました。

インタビュイー
株式会社すかいらーくホールディングス
マーケティング本部
池田 裕
藤本 祥恵
中崎 愛美

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