Google Cloud Platform

フォスター電機株式会社:SAP ERP を 4 か月で Google Cloud に移行、業務アプリのレスポンスとランニングコスト大幅改善

Foster

「未来社会に音で貢献する」というビジョンに基づき、音に関わる製品やソリューションで、快適な生活やコミュニケーションの喜びを世界中に提供することを目指すフォスター電機株式会社(以下、フォスター電機)。事業を支える基幹システムである SAP ERP を Google Cloud に移行するプロジェクトについて、フォスター電機の経営情報戦略室の担当者、およびシステム移行をサポートしたアビームコンサルティング株式会社(以下、アビームコンサルティング)、株式会社 BeeX(以下、ビーエックス)の担当者に話を伺いました。

利用している Google Cloud サービス:Compute EngineVirtual Private CloudOperations(旧称 Stackdriver)

これまでの安定性、変更容易性、コスト効果を評価して SAP ERP の基盤に Google Cloud を採用

1949 年の創業以来、培ってきた音響技術をベースとして、常に高品質な音を追求してきたフォスター電機。オーディオ用、テレビ用、車載用スピーカなどを製造、販売するスピーカ事業、ヘッドホン・ヘッドセット、小型スピーカなどを製造、販売するモバイルオーディオ事業、警報音用等のブザー・サウンダ製品、「フォステクス」ブランドの製品などを製造、販売する事業の 3 つの事業を展開しています。

フォスター電機では、業務プロセスの最適化を目的に、2008 年に SAP ERP の統合基幹システムを本社に導入。当初は、旧社屋のマシンルームにサーバーやネットワークを構築しオンプレミス環境で運用していましたが、 2011 年 3 月に発生した東日本大震災の影響で、旧社屋のあった昭島地区が計画停電の対象となったことで、大きな課題に直面することになりました。

経営情報戦略室 室長の田沢純さんは、「事業継続計画(BCP)の観点も含め、サーバーを自社で運用していくことのリスクを感じました。日常的な運用保守や、定期的なリプレイスの工数を検討した結果、2015 年 5 月に SAP ERP が稼働するオンプレミス環境のサーバー群を、クラウドサービスに移行することを決断しました。しかし、それから約 5 年の運用を続ける中で、さまざまな課題が浮き彫りになってきました」と話します。「災害・停電時のシステム停止を無くす、保守の工数を削減するといった当初の目的はある程度達成することはできましたので、さらなる工数削減とコスト削減を次の目標として設定しました。」(経営情報戦略室 室長の田沢さん)

そこで 2019 年末に、他社クラウドサービスで稼働している SAP ERP 関連システムを、Google Cloud に移行することを決定します。

「当社では既に別のシステムで Google Cloud を利用している実績があり、そこでの安定した稼働実績や高い可用性、変更容易性を高く評価しておりました。また、コスト面で優位性があるのも魅力的に映りました。さらに、国内導入事例の先駆けになることによって、Google Cloud やビーエックス、アビームコンサルティングの手厚いサポートを受けられることも、後押しとなりました。」(経営情報戦略室 業務システム開発 1 課 課長の中村さん)

Foster photo_small.jpg

Google Cloud 移行で基幹システムの高可用性を実現。今後は DR 構成や BCP の採用、AI・ビッグデータの活用も検討

SAP ERP 関連システムの Google Cloud への移行作業は、3 つのフェーズで進められています。まずフェーズ 1 では、他社クラウドサービスで稼働していた SAP ERP 関連システムを、一括して Google Cloud に移行。フェーズ 2 では、データ ウェアハウスやグローバル系の業務システムを、フェーズ 3 ではそのほかのシステムを Google Cloud に移行します。フェーズ 1 に関しては 2020 年 5 月に、フェーズ 2 に関しては 2020 年下期に、フェーズ 3 に関してはその後のリリースになる計画です。

SAP ERP 関連システムは、他社クラウドサービスで稼働するサーバー上の仮想マシンを、Compute Engine に移行しています。ベースとなるネットワーク環境には、Virtual Private Cloud(VPC)ネットワークを採用。ファイアウォールなどのセキュリティ設定も VPC の機能を利用しています。さらに監視、通知などには Operations(旧称 Stackdriver) を活用しています。田沢さんは、「フェーズ 1 では、ミッション クリティカルな業務系システムを Google Cloud に移行しましたが、移行後も大きな問題は発生せず、順調にフェーズ 2 に進むことができました」と話します。

スムーズな移行にはこれまでの Google Cloud の活用経験が大きく活きていると、中村さんは振り返ります。「2019 年 8 月より検討を開始し、10 月より検証作業を開始しました。事前の検証で課題、問題点を解消することができていたため、移行作業では大きな問題もなくスムーズに進めることができました。2015 年のオンプレミス環境から旧クラウドサービスへの移行経験や、製造実行システムを Google Cloud に構築してきたノウハウが活かされ、非常に短期間で移行作業が実施できたと考えています。Google Cloud の担当者には、問題発生時にも素早く真摯に対応してもらえて、安心感がありました。」

また移行のメリットについて、経営情報戦略室 業務システム開発 2 課 課長の佐藤さんは、次のように語ります。「旧クラウドサービスでは、インフラに障害が発生すると、自分たちで対応することを余儀なくされることも少なくありませんでしたが、Google Cloud に移行したことで、この課題は大きく軽減されることになりました。また SAP ERP の利用者の観点では、業務アプリのレスポンスが最大 82% 向上したという結果もでています。さらに、パラメータの設定だけで仮想サーバーを簡単に立ち上げることができるため、システム検証の工数削減につながっています。運用全体で見ても、コストの大幅削減が実現できています。」

今後、フォスター電機では、オンプレミス環境で稼働しているサーバーに関しても、Google Cloud に移行していく計画があります。また、現在においても、遠隔地のバックアップの仕組みはありますが、災害復旧(DR)や、事業継続計画(BCP)の観点からさらに強化していくことを検討しています。加えて、Google Cloud の強みの 1 つである AI やビッグデータ等の機能を活用することで、いわゆる「攻めの IT」の実現を目指していきたいと考えています。

SAP ERP のクラウド移行に強みを持つパートナーにより、スムーズな移行を実現

アビームコンサルティングでは、2014 年より SAP ERP の運用保守を担当しています。P&T Digital ビジネスユニット ITMS セクター ダイレクターの松浦さんは、「オンプレミス環境から最初のクラウドサービスに SAP ERP を移行するときもサポートさせていただいたので、今回はその経験をうまく生かすことができました」と話します。 

また、P&T Digital ビジネスユニット ITMS セクター シニアスペシャリストの扇谷さんは、「アビームコンサルティングの今まででの運用保守実績から、お客様のビジネス、システムを理解していたので、対応するべきことが明確で、計画も立てやすかったという背景はあります。Google Cloud を利用するのは初めてでしたが、従来の環境よりもパフォーマンスが良く使い勝手も良かったことから、プロジェクトのスケジュールに影響を与えることなく、お客様にとって安心感につながりました」と話しています。

アビームコンサルティングのサポートについて佐藤さんは、次のように話します。「日常的に保守運用を担当していただいているアビームコンサルティングの SAP 技術者の活躍により、スムーズな移行が実現できました。当初予定していた アプリケーションの受入テストに加え、運用管理システムの移行にも参加していただいています。」

Abeam photo_small.jpg

一方、ビーエックスは、今回のプロジェクトより新たに参加。SAP ERP を稼働させるインフラの移行に関するサポートを担当しています。

「Google Cloud には以前より注目しており、SAP ERP の Google Cloud 移行プロジェクトには関わりたいと思っていました。Google Cloud をベースに、基盤としての高い信頼性やパフォーマンスを活かしたサービスを、今後も積極的に提案していきたいと思っています。」(エンタープライズアプリケーション本部 担当部長 金子さん)

「インフラの観点で Google Cloud は、ネットワークやディスクが高速で、リージョンやゾーンをまたいでもパフォーマンスが低下しません。高度な設定をしなくても、高い性能で動かすことができます。」(プロフェッショナルサービス本部 ハイブリッドクラウドコンサルティング部 シニアテクニカルコンサルタント 岡崎さん)

「Google Cloud は、リージョンも多く、オーバーヘッドも少なく、ネットワークの疎通時間も高速です。」(エンタープライズアプリケーション本部 BASISコンサルティング部 マネージャー 青木さん)

Beex photo_small.jpg

アビームコンサルティング、ビーエックス、それぞれの強みと経験を活かしたサポートを最大限活用して進められた移行プロジェクト、中村さんは、「今回 アビームコンサルティング、ビーエックス、Google Cloud とフォスター電機、関係各社の良い連携で、4カ月という短期間でのスムーズな移行が実現できました」と語ります。


Logo(jpg)
_EBA0504_small.jpg

(写真左から)
アビームコンサルティング株式会社
・P&T Digital ビジネスユニット ITMS セクター シニアスペシャリスト 扇谷 繁憲 氏
・P&T Digital ビジネスユニット ITMS セクター ダイレクター  松浦 崇浩 氏
フォスター電機株式会社
・経営情報戦略室 業務システム開発2課 課長 佐藤 翼伸 氏
・経営情報戦略室 室長 田沢 純 氏
・経営情報戦略室 業務システム開発1課 課長 中村 俊一 氏
株式会社 BeeX
・プロフェッショナルサービス本部 ハイブリッドクラウドコンサルティング部 シニアテクニカルコンサルタント 岡崎 裕一 氏
・エンタープライズアプリケーション本部 BASISコンサルティング部マネージャー 青木 成年 氏
・エンタープライズアプリケーション本部 担当部長 金子 一哉 氏

フォスター電機株式会社
1949 年 6 月、信濃音響研究所として創立され、スピーカの製造を開始。1959 年 5 月に、社名を現在のフォスター電機株式会社に改称。現在、音響機器メーカーとして、スピーカ、および音響機器、電子機器の製造、販売を事業としてグローバルに展開。「音のスペシャリスト」として音の入り口から出口まで、顧客の要望に応える製品を提供。平成 29 年度「新・ダイバーシティ経営企業 100 選」総務省が主催する平成 30 年度「テレワーク先駆者百選」に選定されたほか、経済産業省と日本健康会議による「健康経営優良法人 2019(ホワイト 500)」にも認定されています。

(Google Cloud パートナー)

アビームコンサルティング株式会社 

株式会社BeeX(ビーエックス)


その他の導入事例はこちらをご覧ください。