COVID-19

リモートワーク環境下での共同作業: コロナ(COVID-19)禍でデジタル変革に着手した通信会社を支援

※この投稿は米国時間 2020 年 10 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。


市場の変動からビジネスの不確実性まで、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が企業に与える影響は至るところに及んでいます。たとえば多国籍企業は、不確実性への対処、新しいリソースや資金調達の現実、さらには健康上の懸念や育児対応などの優先順位を判断しながら、数千人もの従業員をごく短期間でリモートワークに移行させなくてはなりませんでした。

こうした特殊な課題をとりわけ強く実感していたのが、Google Cloud のコンサルティング サービス チームです。私たちの役割は、戦略的なお客様が Google Cloud を活用してビジネス目標を達成できるよう支援することです。このようなお客様に関しては、Google では技術リーダー、ソフトウェア開発者、クラウド エンジニア、デジタル変革コンサルタント、クラウド コンサルタント、チェンジ マネジメントと変革の文化を推進するコンサルタント、運用モデルの専門家、上層部の支持者など、専任のプログラム チームを動員します。お客様が抱える特に複雑な課題にお客様と協力して取り組み、直接お会いして共同で作業することで得られる親密性や信頼を築くことは、私たちの業務の中でも欠かせない要素です。

そのすべてが、COVID-19 によって奪われてしまったのです。自宅待機命令が発令されたとき、私たちはあるグローバル企業への取り組みを開始したばかりでした。この企業は大胆な目標を掲げていました。それは、自社データから最大限の価値を引き出し、それをデータドリブンで実験的かつ革新的な文化に移行するための戦略的資産として活用するというものです。これはお客様と我々チームのどちらにとってもやりがいのある目標でしたが、ビジネスの不確実性と COVID-19 の影響により、確実に成功できるかまったくわからない状況でした。

通常、このようなコラボレーションの開始時には、ビジョン、成功指標、主要なアウトプット、タイムラインを確認し、有意義なつながりとチームの団結に向けて、実際に集まって活気あふれる対面式のキックオフ ミーティングを行います。しかし今回は、Google Cloud チーム、お客様、Google Cloud パートナー(エンゲージメントをサポートするために協力)に直接会う余裕はありませんでした。実際、ほとんどの当事者はまだ顔を合わせたことがありません。そして、当分の間は最も身近なチームメンバーでさえも直接会うことはないでしょう。

では、この世界的危機の状況下で抜本的な組織変革を推進するにあたり、これまで会ったことのない 3 社の新しいチームがどのように協力し、モチベーションを高めることができるのでしょうか?私たちはこれを、適切なテクノロジーを活用し、適切な文化を確立することで実現しました。

適切なテクノロジーを活用する

まず、Google Meet を使用して、3 時間の仮想ワークショップを立ち上げました。その 1 週間前には、70 人の参加者全員が Meet にアクセスできるようにチェックリストを送信しています。また、新しい技術のトラブルシューティングを担当する方たちのために「技術チェック」を実施しました。各仮想ワークショップの開始時には、簡単な Meet デモを実施して、参加者全員が操作を理解し、オープンで参加しやすい環境を作ることができました。たとえば、以下のような内容について説明しました。

  • 字幕を有効にする方法。Google AI を使用してリアルタイムで字幕を表示できます。参加者の帯域幅が狭く、動画表示が遅れる場合でも、字幕を読めば会話に追いつけます。

  • レイアウト オプションのカスタマイズ方法と、動画や音声を切り替える方法。ボディ ランゲージを使ったコミュニケーションのためにも、動画は「オン」にすることを推奨しました。

  • Meet 内で Chat を使用して、その場でフィードバックを共有したり、質問したりする方法。たとえば、参加者に自己隔離中のお気に入りのおやつを「チャット」で発表してもらいました。こうしたシンプルなきっかけから、70 人全員がテクノロジーをテストでき、セッションの開始時には積極的に参加してくれました(セッションに積極的に参加してもらえる可能性が高まりました)。

適切な文化を確立する

適切な文化は、変革を成功させるうえで重要な要素といえます。これを踏まえ、初回の仮想ワークショップの開始時に、共同作業を進める方法を管理する共通の価値観を確立しました。これを公正かつ包括的な方法で行うため、70 人のワークショップ参加者からの入力にはクラウド ソーシングで対応しました。参加者は、携帯電話で QR コードをスキャンし、アイデアを Google フォームに入力するだけです。入力内容は、即座に Google シートで確認できます。「検索と置換」機能を使用して、一般的に使用される単語を特定し、すべての入力内容を 10 個のゴールデン ルールとしてまとめ、快適な仕事環境と文化の包括的な定義を確立しました。すべての参加者が自分の貢献を確認できるように、このような作業はすべて会議中に「リアルタイム」で行いました。

例えば、「オープン」、「オープン性」、「透明性」という単語がよくあったため、共同チームのゴールデン ルールに「チームと企業の間の透明性を保つよう努力する」と設定しました。ワークショップ後は、このゴールデン ルールに基づいてファイルの権限や共有設定を公開し、デフォルトですべてのプログラム ファイルがチームと企業の間でオープンかつ透明性のあるものになるようにしました(機密ファイルを除く)。これを推進させるために、各技術ワークショップやプログラム ワークショップの開始時に、10 個のゴールデン ルールをまとめた 1 枚のスライドを表示しました。そして各ワークショップの最後にルールを再確認し、今日はどうだったかを自問できるようにしています。私たちはゴールデン ルールと理想的な新しい働き方に忠実であったでしょうか?この取り組みは、ナッジ理論、つまり人々に行動を変えるようにわずかなきっかけを与えるという科学に基づいています。私たちは、行動の変化や新しいチーム文化の確立を速やかに確認することができたことを嬉しく思っています。

事前にチームの団結力を高めることは非常に重要ですが、全員がリモートで作業しているという事実が、それをさらに高めていることをすぐに認識できました。

そのため、共同作業体験を強化する他の手法も継続して試しています。たとえば、次のようなものです。

価値観を大切にする

  • 新しいチームが、顔を合わせた環境で構築する普段のつながりをシミュレートするために、全員が自分の写真、希望する勤務時間(育児を考慮)、連絡先を共有しました。これにより、心理的に安心できる環境が育まれ、連帯感が芽生え始めました。

  • ワークショップを中断することなく質問を行えるように、ライブ Q&AChat を導入しました(デリケートな質問をする際に役立つ「匿名」オプションも提供しました)。

  • 世界的な出来事がエスカレートし、反人種差別の抗議が発生したとき、私たちは共感し、お互いをサポートするために安否の確認をするようにして、関係性と信頼性を深めました。

  • Google のサイト信頼性エンジニアリングの原則に従い、批判なしの事後分析と回顧的調査を行い、改善すべき領域を特定しました。特に現在のような不確実で絶えず変化する環境においては、テスト、反復、改善するためのフィードバック ループが不可欠でした。

魅力的なフォーラムを作成する

  • リモートワークを念頭において、一般的なワークショップを再設計しました。たとえば、通常は現場で終日のセッションとして行われるワークショップは、ビデオ会議疲れを回避し、Meet でのライブ セッションを最も効果的にするために、詳細な事前作業と目的に特化したミニ ワークショップ(毎朝 2 時間など)を組み入れるように調整しました。

  • 技術設計セッションや共同創作のためのインタラクティブなホワイトボードとして、Jamboard を使用しました。

  • 音楽が脳を刺激し、対象となるコンテンツを思い出すのに役立つことが研究によって示されているため、スライド プレゼンテーションで音楽を使用しました。

  • 経営幹部は自分たちの動画を録画し、広く共有することでコミュニケーションの輪を広げ盛り上げました。

  • 大規模なワークショップで質問することに抵抗がある人のために、簡単な Meet セッションを通じて通常の勤務時間帯に質問できるようにしました。これにより、オープン性と心理的な安心感が高まりました(チームのパフォーマンスを高める重要な促進要因です)。

  • エネルギーと集中力を高めるために(そして笑顔でいるために)、体を動かすこと(腕立て伏せ、スクワット、スプリット ジャンプ)を奨励しました。


数週間のうちに、仮想エンゲージメントが可能なだけでなく、この取り組み全体が革新と改善を実現するための機会であることを実証できました。この取り組みの進化を続けていくことで、パンデミック後には、直接会って作業するという選択肢がある場合でも、より多くのお客様がリモート サービスを使用するものと予測しています。これにより、出張や経費の抑制による大幅な生産性の向上とコスト削減が実現するため、そのような機会が増加するものと見込んでいます。さらに、仮想環境でサービスを提供できるということは、お客様が世界のどこにいても、最適な人材と経験を提供できることを意味します。

世界中で在宅ワークが続けられていますが、チームをリモートでサポートする方法を改善し続けるための絶好の機会といえます。現在試行中の内容をいくつかご紹介します。

  • 絵文字。絵文字は広く普及しており、世界のオンライン人口の 90% 以上が使用しています。アイデアやディスカッションに対する反応を素早く効率的に共有するために、参加者に Meet で絵文字を使うことを推奨しています。

  • ライブ会議での発話時や傾聴時にデータドリブンなアプローチを取り入れることで、より快適なミーティングの習慣を確立し、平等に貢献できるように努めています。通話中に聞いたり話したりしている量に対して小さな絵文字が反応し、話している時間と聞いている時間の割合を示します。経験年数に関係なく、単に聞いている時間と発話で貢献する時間のバランスが取れるように、参加者ごとにリアルタイムでパーソナライズされる課題も用意されています。

  • 「ノック機能」と呼ばれる小さなアクションの表示は、会議室のドアを静かにノックすることを連想させる機能です。これは、会議が間もなく終了することや、時間を超過していることをお知らせし、通話を終わらせて次のステップに集中するよう促すことを目的としています。また、進行の遅れをワンクリックで他の人に知らせることができるため、会議の効率を向上させることができます。

Google Cloud は、これからも学習して反復するステップを続けていきます。お客様がどこにいても、より多くのお客様の変革の取り組みを支援したいと考えています。

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謝辞

本稿の完成を後押ししてくれた、Sarah Masotti、Dan Norcott、Tanu Gupta、James Cowe、Ada Tagoe(Ng)、Moriah Baxevane-Connell、Rachael Deacon-smith、Bjorn De Bakker、Stavros Denaxas、Olly Richards をはじめとする Google 社員の皆様に感謝します。


-Google Cloud デジタル変革担当リード Sarah Masotti