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コスト管理

BigQuery でのクラウド費用の追跡で分析を簡単に

2023年5月1日
Google Cloud Japan Team

課金データを BigQuery にエクスポートしてクラウド費用を追跡

※この投稿は米国時間 2023 年 4 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

要約 - Google Cloud Billing の通常のファイル エクスポートは、5 月 15 日をもってサポートが終了します。課金データを BigQuery にエクスポートして確認できるよう、設定方法をこちらのインタラクティブなチュートリアルでご確認ください。

課金データの BigQuery へのエクスポート設定に関するご案内と、ファイル エクスポート オプションの終了をお知らせするメールはすでにご覧になっていると思います。ここでは、より具体的な状況をご説明します。

毎日の使用量と費用の見積もりの Cloud Storage バケットへの自動エクスポートは、2023 年 5 月 15 日をもってご利用いただけなくなります。既存の Cloud Storage バケットはそのまま維持されますが、これ以降、新しいファイルが追加されることはありません。

ファイル エクスポートを有効にしたままの古い請求先アカウントをお持ちのためにこの通知を受信されたお客様もいらっしゃるかもしれません。ファイル エクスポートが終了しても、課金データは BigQuery にエクスポートでき、より詳しい情報が得られ、なおかつ豊富な分析機能を利用できます。サービスの終了ではなく、大型アップグレードとお考えください。

新しいスタートを切りましょう

Google Cloud には無料トライアルやサービスの無料枠があるものの、一般的にはクラウドの使用に費用がかかることはご承知のとおりです。クラウドには、たとえば仮想マシンの秒単位の課金など、さまざまなサービスの正確な使用量を反映した請求を処理しやすい特性があります。しかし、多くのサービスが複数のチームにまたがって使用されている場合など、情報過多に陥りやすい側面もあります。課金データを確実に理解できるように、Google Cloud は Cloud コンソールでの直接レポート、ファイル エクスポート、BigQuery へのエクスポートを通じてデータを提供しています。

ただし、前述のとおり、Cloud Billing データのファイル エクスポートは 5 月 15 日をもって終了します(料金明細など、特定のレポートのファイル エクスポートは引き続き利用可能です)。ファイル エクスポートは、請求先アカウントで CSV または JSON ファイルを毎日 Cloud Storage バケットに生成して、必要なときに分析用にダウンロードできるオプションでした。これらのエクスポートは、課金データを確認するうえで非常に便利なのですが、請求先アカウントから生成されるデータの量と複雑さが、時間の経過とともに膨れ上がってきました。

このエクスポート オプションが完全にサポート対象外となる点に、ご注意ください。利用されている場合は BigQuery へのエクスポートを有効にする必要があります。現在は利用されていなくても、有効にすることをおすすめします。

大型データには大型クエリを

請求先アカウントから BigQuery へのエクスポートは、この数年間すでに利用可能でしたが、今後は、課金データを管理するうえで欠かせない中心的なオプションとなります。当然ながら、BigQuery は大規模データの処理に最適であり、課金データのスケールと粒度にも対応しています。これに加えて、BigQuery へのエクスポートはファイル エクスポートよりも頻度が高いので、費用に異常があった場合は迅速に検出できます。

チームや組織が大きくなるにつれて、各グループが担当しているさまざまな費用の内容を把握することがますます難しくなる可能性があります。特に、費用配賦モデル(1 つのグループがすべてのリソースの支払いを行い、個々のチームやグループがその使用に責任を負うように費用の内訳が作成される仕組み)を使用している場合は、費用データの正確な収集と分析に BigQuery が最適です。直接データをクエリできる利便性に加え、BigQuery は LookerLooker Studio などのツールとの統合も簡単で、ビジュアリゼーションも活用できます。

BigQuery にエクスポートされる実際のデータは、請求先アカウントが対象とするすべてのサービスの 1 時間ごとの記録であり、SKU、測定されているユニットの種類、課金対象となっているユニットの数などの詳細な情報と一緒にエクスポートされます。

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BigQuery への課金データ エクスポートを表示する画面の部分的なスナップショット

BigQuery への標準エクスポートは、ファイル エクスポートを使用するほとんどの(おそらくは、一般的な請求管理のほとんどの)ニーズを満たすはずです。さらなる詳細が必要な場合は、より細かい費用と料金のオプションも利用できます。すべてのエクスポートに関する情報は、こちらのブログ投稿により詳しく記載されています。

ファイル エクスポートの終了に関して、もう一点重要なことは、Cloud Billing データの BigQuery へのエクスポートはそれを有効にした時点で開始され、それより前のデータはエクスポートに含まれないという点です。今後の請求管理を確実にするためにも、できるだけ早く課金データのエクスポートを有効化してください。エクスポートを有効にしてデータの分析を開始するための、組み込みのチュートリアルのほか、こちらのドキュメントでも詳しい情報をご覧いただけます。


- Google Cloud、デベロッパー アドボケイト Mark Mirchandani
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