究極の柔軟性を実現する新しいクラウド サービスと料金体系のご紹介
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 2 月 16 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
「予測は難しい、将来についてはなおさら」という名言があるように、数か月先、あるいは数年先に必要になるクラウド リソースの予測に苦労している組織もあるでしょう。クラウドの導入プロセスは組織によって異なります。このため、Google Cloud はサービスの新たな利用方法と支払い方法の準備を進めています。具体的には、導入障壁の排除、ご利用状況に見合う費用調整、契約とプロダクトの柔軟性の向上によってこれを実現しようとしています。本投稿では、お客様に Google Cloud サービスをより簡単に購入し利用していただけるようにこれらの主要な領域で開始する、新しい市場開拓プログラムをご紹介します。
Google Cloud Flex Agreement で導入の障壁を排除
多くのお客様は、IT の支出と予算に関して明確な見通しが立てられる複数年コミットメントを選択します。しかし、この種のコミットメントは、将来のクラウド利用のニーズを明確に把握できていないお客様の場合、難しい状況を生み出してしまうことがあります。そこで本日ご紹介するのが、事前のコミットメントなしでワークロードをクラウドに移行できる Flex Agreement です。この新しいライセンス オプションでも、Google Cloud のお客様には引き続き、毎月の費用と Google Cloud に移行したワークロードに応じた月間費用割引1、確約利用割引、Cloud クレジット、プロフェッショナル サービスへのアクセスなど独自の特典をご利用いただけます。
Flex Agreement は、お客様の Google Cloud 導入を阻む障壁を取り除く手段の一例にすぎません。2022 年には、専門知識を強化するためのキュレートされたツールキットを開発者に提供する Innovators Plus 年間サブスクリプションを開始しました。このサブスクリプションには、Google Cloud Skills Boost を介したライブおよびオンデマンドのトレーニングや Google Cloud クレジットなどが含まれます。
また最近、Google Cloud プロダクトのトライアル版を拡充しました。たとえば、90 日間使用できる新しい Spanner の無料トライアル インスタンスでは、Google Standard SQL データベースや PostgreSQL データベースを作成したり、Spanner の各種機能を試したり、アプリケーションのプロトタイピングを行ったりすることができます。コミットメントや契約は不要です。
契約と機能の柔軟性
契約の柔軟性は Google Cloud の変わらない基本原則の一つです。たとえば、確約利用割引(CUD)は、指定された期間、最少レベルのリソースを使用するというコミットメントと引き換えに割引料金を提供する仕組みです。昨年導入したフレキシブル CUD は、複数の仮想マシン ファミリーおよびリージョンに適用される、予測可能でシンプルな定額割引を提供する費用ベースのコミットメントです。
お客様は、契約の柔軟性に加えて、クラウド導入の段階とビジネス要件の複雑さに基づいて機能を選択できる柔軟性も必要としています。このため、今後数四半期にわたって、新しいプロダクト料金エディション(Standard、Enterprise、Enterprise Plus)をクラウド ポートフォリオの一部として導入していきます。この新しい商用パッケージング モデルにより、お客様はより多くの選択肢と柔軟性を手に入れ、クラウド費用を最適化できます。
銀行や公的機関などの規制の厳しい業界でワークロードを実行しているお客様には、よりハイエンドな Enterprise Plus ティアがおすすめです。可用性の高いコンピューティング、ストレージ、ネットワーキング、分析の各種サービスに加えて、マルチリージョン サポート、リージョン フェイルオーバーと障害復旧、高度なセキュリティ、幅広い規制遵守サポートを利用できます。Enterprise 料金ティアには、高度なスケーラビリティ、柔軟性、信頼性を必要とするワークロードを実行するお客様向けの幅広い機能が含まれます。Standard 料金ティアは、お客様の中核的なワークロード要件を満たすための自動スケーリングなど、重要な機能をすべて含む、費用対効果が高く使いやすいマネージド サービスを提供します。
自動スケーリングで利用状況に応じて費用を調整
Google Cloud が開発するプロダクトの主要な要件は、サービスを拡大または縮小してリアルタイムの需要に容量を一致させる、業界トップの自動スケーリング機能をお客様に提供することです。自動スケーリングによって、稼働時間を改善し、インフラストラクチャ費用を抑え、リソース管理に伴う運用負担を軽減できます。
多くの Google Cloud プロダクトは、お客様が計画外の需要変動に対処できるよう支援する自動スケーリング機能を備えています。たとえば、Dataflow の垂直と水平の自動スケーリングときめ細かい適応型リソース構成(「Right Fitting」とも呼ばれます)を組み合わせることで、ストリーミングのためのインフラストラクチャ費用を最大 50% 削減できます。ジョブの実行に必要なインスタンスが適切な数だけ自動的に選択され、実行時の動的な再割り当てによってインスタンス数を増減できるためです。Bigtable もネイティブの自動スケーリング機能を備えています。また、Spanner の自動スケーリングはリージョンおよびマルチリージョンの Spanner デプロイで機能するオープンソースのツールです。
同様に、クラスタ オートスケーラー、水平 Pod 自動スケーリング、垂直 Pod 自動スケーリング、ノードの自動プロビジョニングなどの複数の機能を GKE に追加し、弾力性と費用対効果を高めました。
L.L.Bean では、Google Cloud の導入によって、変化する使用パターン(ホリデー期間中など)に合わせて容量を迅速にスケールする機能と、キャパシティを測るための負荷テストを迅速に実行する機能が、以前のオンプレミス IT システムの時代とは一変しました。
「繁忙期に使用できるようにと、ピーク時の容量分の費用をかける必要はありません。必要に応じて容量をスケールアップまたはスケールダウンすればいいのです。」 - L.L.Bean、エンタープライズ アーキテクト Randy Dyer 氏
現在、BigQuery の自動スケーリングをよりきめ細かく実行できるようにすることで、これらの機能のレベルアップに取り組んでおり、お客様は使用した分以上の費用をかける必要がなくなります。容量をこれまでよりも小さな単位で追加プロビジョニングできるようになり、オーバープロビジョニングや活用されていない容量に対する余分な支払いを回避できます。BigQuery をご利用のお客様は、Google Cloud コンソールで新しい BigQuery オートスケーラー(現在は公開プレビュー版)をお試しいただけます。
柔軟性と選択肢の強化
Google Cloud は、今後もお客様とパートナー様の成功の実現に尽力し、独自の立場を活かして組織のビジネス変革を支援していきます。Google Cloud プロダクトの購入方法の柔軟性を高め、選択肢を増やすことで、お客様の効率と復元力を高められるよう取り組んでまいります。
ぜひ Google Data Cloud & AI Summit にご参加いただき、データベース、データ分析、ビジネス インテリジェンス、AI のための Google Data Cloud のイノベーションに関する最新情報をご確認ください。最新のアプリによるカスタマー エクスペリエンスの変革、収益の強化、費用の削減に役立つエキスパートの見解、新たなソリューション、戦略をご紹介します。
1. Partner Advantage を通じて購入されたお客様は対象外です。
- ビジネス プランニングおよび料金体系担当バイス プレジデント Joe Matz