AI を活用した、よりスマートな費用の異常検出機能の一般提供開始のお知らせ
Shruthi Nambi
Product Manager
※この投稿は米国時間 2025 年 11 月 4 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
昨年、Google は費用の異常検出機能の公開プレビュー版を発表しました。これは、クラウドの使用における最大の不安の一つである、予想外の費用を排除するために設計された、AI を活用したプロダクトです。目標は、支出の異常な急増を自動的に特定するセーフティ ネットを提供し、財務上の問題になる前に把握できるようにすることでした。
このたび、費用の異常検出機能の一般提供(GA)が開始されました。この機能は、よりプロアクティブでインテリジェント、かつ柔軟なものとなっています。さらに、異常アラートは、新規プロジェクトを含むすべてのプロジェクトで、すべてのお客様に対してデフォルトで有効になっており、導入初日から完全な保護を提供します。
一般提供に含まれる新機能
GA リリースでは、サービスをよりスマートかつ自動化し、よりプロアクティブかつお客様の特定のニーズに合わせてよりカスタマイズできるようにすることに重点を置きました。以下がその新機能です。
1. デフォルトでの自動アラート
クラウド費用の変動に関する分析情報がデフォルトで提供され、費用超過の防止が常に有効で、お客様側での設定を不要にする必要があります。そのため、Google はすべてのお客様のすべてのプロジェクトで異常アラートを自動的に有効にしました。デフォルトのアラートは、課金管理者に送信されます。アラート設定は、課金コンソールにアクセスしていつでも管理、カスタマイズできます。アラートから課金コンソールの異常ダッシュボードに移動すると、根本原因を含め、費用の急増に関連するすべての詳細情報を簡単に確認できます。


根本原因分析を含む異常ダッシュボード


デフォルトのアラート構成
2. AI によるインテリジェントなしきい値
自動アラートがノイズや迷惑メールの増加につながることはありません。改善されたアルゴリズムにより、過去の支出パターンに基づいて自動生成された AI による異常のしきい値が提供されるようになりました。このインテリジェントなベースラインにより、支出行動と比較して、重要かつ予想外と思われる急増についてのみアラートが送信されます。


デフォルトのしきい値の構成
AI 生成のしきい値はすぐに使用できますが、必要に応じて独自のカスタム値で上書きすることもできます。すでにカスタム値を構成済みのお客様が、Google の AI 生成のしきい値を利用したい場合は、いつでも課金コンソールから簡単に利用できます。
3. 偏差率による柔軟なフィルタリング
プロジェクトごとに費用急増に対する感度が異なるというフィードバックをいただきました。100 ドルの偏差は、小規模なプロジェクトでは重大な問題になる可能性がありますが、大規模なプロジェクトでは想定内のノイズです。これに対処するため、偏差率に関する追加のしきい値を導入しました。これにより、異常ダッシュボードがフィルタリングされ、絶対的な金額だけでなく、変化の割合についてもアラートが生成されます。これにより、アラートが予算と規模に関連した状態に保たれます。


カスタムしきい値の構成
ご安心ください。すべての異常は引き続き捕捉され、ダッシュボードからフィルタを削除するだけでいつでも確認できます。
4. 導入初日から即座に保護
公開プレビュー期間中は、十分な支出履歴がないため、6 か月以上経過したプロジェクトでのみ異常検出を提供していました。しかし、改善されたアルゴリズムにより、この「コールド スタート」の問題が解決され、以前の支出履歴がない新しいアカウントやプロジェクトでも、異常を検出してアラートを生成できるようになりました。これにより、導入初日から Google Cloud で保護が提供されます。
使ってみる
費用の異常検出機能は、クラウド費用を完全に予測して管理できる、Google の FinOps 機能の中核となるものです。Cloud の予算と組み合わせることで、費用超過を防止、検出、抑制する堅牢な費用管理戦略を構築できます。このツールは、包括的な費用管理ツールセットの一部として、引き続き無料で提供されます。
このプロダクトには課金コンソールからアクセスできます。詳細についてはドキュメントをご覧ください。
-プロダクト マネージャー、Shruthi Nambi


