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コスト管理

Framing up FinOps: Google Cloud 課金ツールについて

2023年6月1日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 5 月 2 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

最新の「Framing Up FinOps」ポッドキャストを聞き逃した方やその内容を復習したい方は、ぜひご確認ください。このブログ投稿では、Google Cloud 課金ツールに関するエピソードのハイライトのまとめに加え、10 個のよくある質問を取り上げています。また、Cloud Billing の理解を深めるためのリソースをご覧いただくと、何が費用を押し上げているかを把握し、クラウド費用の最適化に役立つツールについて詳しく確認することができます。

一般的に、私たちは Cloud FinOps のお客様のユーザー ジャーニーに合わせた 3 つのステージ、情報提供、最適化、運用を中心にツールを編成しています。情報提供ステージの課金ツールは、主に費用の確認、理解、配分を支援するよう設計されています。最適化ツールは、クラウド費用の効率化を促進します。そして運用ツールは、組織が想定外のクラウド費用に先手を打つのに役立ちます。この投稿では、3 つのライフサイクル フェーズのうち、最初の 2 つの「情報提供」と「最適化」のツールに焦点を当てます。

情報提供

費用の情報を可視化します。

1. Google Cloud 課金コンソールには、どのような種類のすぐに使えるツールが組み込まれていますか?
課金コンソールでは、いくつかの費用可視化リソースとレポート作成リソースがすぐに使用できます。これらのリソースは、クラウド費用を理解し、データを整理するのに役立ちます。データは 1 時間ごとに集計され、レポートが作成されたらすぐに配布されます。多くのカスタム レポートの作成作業を行う必要はありません。また、費用を可視化できるように、課金コンソールにはページ、テーブル、グラフの表示機能に加え、独自のビジネスニーズに合わせて柔軟に対応できる包括的なレポート作成機能が用意されています。これらのリソースをオプトインする必要はありません。この豊富なデータと堅牢なツールは、すぐに使用できます。

コンソール内の、データが豊富なページとして、2 つの例が挙げられます。一つは、請求の概要ページで、大まかな支出の概要データ、時間の経過に伴うプロジェクトの傾向、残りのクレジット、予算アラート機能などが表示されます。もう一つの費用レポートページには、クラウド費用がグラフと表形式の両方で表示されます。SKU、サービス、割引、ラベル、その他のメタデータでデータをフィルタリングして、費用を掘り下げることができます。また、コンソールでは CSV 形式のダウンロードもサポートしています。

豆知識: Google Cloud の無料トライアルを使用していて、毎月の請求がない場合でも、課金コンソールの概要で残りのクレジットの内訳を確認できます。

2. これらのレポートに付随する費用を整理するために、どのようなリソースを使用できますか?
一般的な組織であれば、さまざまな部署やチームが Google Cloud サービスを使用しています。フォルダを使ってさまざまなチームの要件を切り分けたり、プロジェクトを使ってワークロード処理のリソースを整理したりすることができます。その他のオプションとして、ラベルやタグを使って、サービスレベル(例: VM インスタンス)やアカウント レベル(例: プロジェクト)のリソースをさらに分類することができます。リソース階層のビジュアリゼーションの例と、その階層内でのリソースの整理方法を以下に示します。
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Google_Cloud_billing_tools_resource_hierar.max-1400x1400.jpg

3. 課金データをエクスポートした後、組織内の適切なチームに費用を配分するにはどうすればよいですか?
クラウド費用のセグメント化、費用の配分、リソース間の Key-Value ペアの割り当てに役立つ Google Cloud タグの使用をおすすめします。タグを使用すると、コストセンターとビジネス ユニットの両方を定義することができます。また、費用を異なるリソース所有者にマッピングすることも可能です。タグは、ラベルにはない以下のような豊富な機能を提供します。

  • ガバナンス: さまざまなユーザー ロールを作成できます。

  • バインディングの継承: プロジェクトやフォルダのタグの値を、その中のリソースにカスケードできます。

  • 拡張文字セット: メールアドレスの入力を可能にするアットマーク(@)やピリオド(.)を含めることができます。

タグ付けを使用すると、チャージバックショーバックにより費用を配分できます。つまり、組織内のさまざまなコストセンターにチャージバックしたり、ユーザー、チームメンバー、ビジネス ユニット、またはコストセンターごとに費用を組織にショーバックしたりすることができます。

4. Google Cloud の課金コンソールにアクセスできるのは誰ですか?
課金コンソールでは、誰が何を見るかについて権限を割り当てることができます。2 つの主要な権限のロールがあり、アカウント全体の表示、またはプロジェクト ベースの表示(ユーザーは個別に選択したプロジェクトを表示できる)を選択できます。

5. 複数のクラウド インスタンスがある場合、Google Cloud Billing レポートについてはどのように対応すべきですか?
マルチクラウド環境の場合、課金データを BigQuery にエクスポートすることをおすすめします。BigQuery では、大規模なデータセットの保存、クエリ、エクスポートが可能です。その後、このデータを自社製のツール、または Looker Studio Pro 内に取り込んで、ダッシュボードをさらに分析できます。

6. BigQuery のエクスポートは何種類あり、それぞれどのようなデータを提供しますか?
BigQuery への課金データのエクスポートは 3 種類あります。

  • 標準的な課金: この概要のエクスポートでは、費用、請求先アカウント ID、サービス、SKU、プロジェクト、場所、クレジット、通貨など、基本的な課金および使用状況データを提供します。

  • 詳細な課金: このエクスポートは、より詳細なサブサービスの費用データを提供します。VM インスタンス、永続ディスク、Kubernetes クラスタなど、リソースごとに費用を可視化します。この詳細なデータセットを使用すると、どの特定のクラスタがクラウド費用を押し上げているのかを判断できます。特に、マルチクラウド環境の管理、費用配分、ショーバック、チャージバックのモデリングに役立ちます。

  • 料金データ: このエクスポートを使用すると、Google Cloud 全体にわたる、課金アカウントの料金や割引などの料金データを確認できます。

7. SQL がわからないのですが、BigQuery でデータをクエリするにはどうすればよいですか?
SQL がわからなくても大丈夫です。ここで紹介するのは、BigQuery にエクスポートされ、保存されている課金データをクエリする方法の例のうちの一つです。Cloud Billing のドキュメントで、費用、タグ、SKU などによるクエリの例をもっと確認することができます。ドキュメントに掲載されている例で、ある程度練習すれば、クエリを直感的に理解できるようになるでしょう。

最適化

クラウドの効率が上がります。

8. クラウド サービスを最適化するにはどうすればよいですか?
クラウド費用を最適化するための最も簡単かつ簡潔な方法の一つに、確約利用割引(CUD)の使用が挙げられます。CUD では、1 年間または 3 年間の、最低利用額あるいはリソース コミットメントと引き換えに、割引が適用されます。コミットメント ベースの割引を使用することで、料金を改善し、クラウド支出の最も大きな部分に迅速に割引を適用できます。2 種類の CUD からお選びいただけます。

  • リソースベースの CUD: この割引は、Compute Engine と VM インスタンスで利用できます。必要なリソース量が予測可能なワークロードに最適です。特定のリージョンにおけるハードウェア(vCPU、メモリ GPU、ローカル SSD など)、またはソフトウェア ライセンスに幅広く対応しています。

  • 費用ベースの CUD: この割引料金は、Compute Engine、Cloud SQL、Cloud Standard、Cloud VMware Engine、Cloud Run、GKE など、さまざまな Google Cloud プロダクトとサービスの最小費用額コミットメントと引き換えに柔軟性を提供します。

9. 異なるタイプの CUD をいつ、どのように使うべきか、いくつか例を挙げてもらえますか?
Compute Engine のお客様は、リソースベースと費用ベースの両方の CUD を組み合わせて使用するのが一般的です。安定した予測可能なワークロードには、リソースベースの CUD を使用します。変動しがちなワークロードには、柔軟な費用ベースの CUD を重ねて使用します。費用ベースの CUD は、ワークロードの移行やマシン ファミリー間の移行など、より高い柔軟性が必要な場合に適しています。また、特定のリージョンやマシン ファミリーに縛られたくない場合にもおすすめです。

10. オンデマンド費用を最適化するための他の選択肢は何ですか?
クラウド費用の最適化を検討されているものの、1 年以上のコミットメントを躊躇されている場合は、時間の経過とともにいつでもコミットメントを徐々に増やすことができます。課金コンソールに組み込まれている次の 2 つのツールを無料で活用して、オンデマンド費用を最適化できます。

  • CUD 分析ダッシュボード: このダッシュボードは、オンデマンドの使用状況に対する即時的および長期的な傾向を可視化します。費用をどれだけ節約し、コミットメントの量をどれくらい使用しているのか確認できます。日単位または時間単位の粒度を活用でき、複数年にわたるオンデマンドの傾向を表示することも可能です。

  • CUD の推奨事項: ボタンをワンクリックするだけで、過去 30 日間の使用状況に基づく、ML ベースの CUD の推奨事項を表示できます。

どちらの課金ツールを選択しても、組織がイノベーションを促進し、ビジネス価値を高め、ビジネス目標を達成するのに役立つ Cloud FinOps リソースを活用することをおすすめします。

運用の柱に沿った課金ツールをはじめ、このトピックやその他の Cloud FinOps のトピックについては、今後の情報にご注目ください。また、隔週で行われる Twitter スペースの Framing Up FinOps の最新エピソードもぜひご視聴ください。さらに詳しい情報については、このトピックに関する 2 つのホワイト ペーパーをご覧ください。

Maximize Cost Efficiency with CUD Optimization Strategy(CUD 最適化戦略による費用効率の最大化)

Driving Cloud FinOps at scale with Google Cloud Tagging(Google Cloud のタグ付けを使用して Cloud FinOps を大規模に推進)


- Cloud FinOps 担当責任者 Eric Lam
- Cloud Billing エクスペリエンス担当プロダクト リーダー Sarah McMullin

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