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ストレージとデータ転送

Cloud Storage の Autoclass 機能が既存の Cloud Storage バケットで使用可能に

2023年11月30日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 11 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

費用の最適化は、多くの組織が直面する共通の課題として挙げられます。そして多くの場合、企業は長年にわたって大量のデータコーパスを蓄積しています。Google はこのたび、増え続けるデータセットと費用のバランスを企業が容易に管理できるようにしました。

オブジェクト ストレージの費用の最適化を難題にしている要因は 2 つあります。1 つ目は、データのアクセス パターンが不明であったり予測不能であったりすることが多く、オブジェクト ストレージのデータに適したストレージ クラスの選択が難しい場合があることです。2 つ目は、データ配置のミスによって、時に予期せぬ費用急増が発生し、意図とは逆の結果が生じる可能性があることです。お客様がストレージ費用の削減目的で大量のオブジェクトをコールド寄りのストレージ クラスに移動したところ、時期尚早であったためにオペレーション料金が予想外に急増したというケースを耳にすることも少なくありません。

このような状況に役立つ Autoclass を使用すれば、ストレージ クラスの複雑なデータ配置を簡素化できます。Google は昨年、新しいバケット用の Autoclass 機能をリリースしましたが、このたび既存の Cloud Storage バケットでも Autoclass を有効化できるようになりました。

データのライフサイクル管理を自動化して、費用を予測可能に

Autoclass は費用の最適化を自動化するマネージド サービスであり、Cloud Storage のデータ配置のルールやポリシーを定義する運用上のオーバーヘッドを軽減します。バケットレベルの簡単な設定によって、最終アクセス日時に基づいてオブジェクトのライフサイクル管理を自動化でき、管理手数料も少額で済みます。

この機能は、よりコールドなクラスの利用に関連する追加料金を回避することで、費用を予測可能にします。データの取得料金、早期削除料金、Autoclass によるクラス移行料金は発生しません。

ニーズに合わせて適切なオプションを選択できる柔軟性

Autoclass に、バケットに最適な機能をご利用いただけるように 2 つの選択肢が登場しました。

  • デフォルト: Standard クラスと Nearline クラスの間でオブジェクトを移行。
  • オプトイン: 4 つすべてのストレージ クラス間でオブジェクトを移行(オブジェクトは最終アクセス日時に基づいて、Standard、Nearline、Coldline、Archive クラス間で移行)。
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図: (左)デフォルト構成では、Autoclass は Standard クラスと Nearline クラスの間でデータを移行。(右)オプトイン構成では、Autoclass バケット内のオブジェクトは 4 つすべてのクラス間で移行が可能。

デフォルト構成とオプトイン構成のどちらを使用するかを検討する際は、その用途におけるレイテンシの影響を考慮することが重要です。

  • アクセスのレイテンシ - すべてのストレージ クラスはデータへの低レイテンシのアクセスを提供します。ただし、Coldline および Archive からの読み取りの相対的なレイテンシは、Standard Storage クラスおよび Nearline Storage クラスからの読み取りよりも高くなる可能性があります。
  • コールドスケールの高いストレージ クラスは、Standard Storage に比べて低い可用性 SLA になっています。

Autoclass のデフォルト構成は、レイテンシの影響を受けやすいワークロードに最適です。Autoclass のオプトイン構成は、最も低価格のストレージ クラスである Coldline および Archive への移行を可能にするため、バケットの費用を最大限に節約できます。また、時間の経過とともにワークロード要件が変化した場合は、2 つのオプションを切り替えることもできます。

Autoclass に関するお客様の声

Picsart のインフラストラクチャ担当バイス プレジデントである Konstantin Lalafayan 氏はこのように語っています。「生成 AI の進歩に加え、毎日 200 万以上のオブジェクト(画像アセット)を生成している既存のツールを考慮すると、ストレージ ソリューションを最適化することの重要性はますます高まっています。当社の試算によると、AutoClass の導入によってデータの約 85% にメリットがあります。これは、ユーザー作成コンテンツを数年間、場合によっては無期限に保持するというユースケースに基づいていますが、すべてのユーザーが生成された写真やステッカーに日常的にアクセスしているわけではありません。90 日後、私たちはストレージの費用が大幅に、約 40% も減少していることを確認しました。365 日の基準日には、データが Archive Storage に移行されることから、ストレージ費用のさらなる削減を見込んでいます。」

使ってみる

Cloud Storage をご利用のすべてのお客様は、すべてのバケットで Autoclass を有効にして費用削減を実現できます。Autoclass を有効にするための詳細な情報と手順については、こちらのドキュメントをご覧ください。

ー Cloud Storage、プロダクト マネージャー Sonit Tayal

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