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Containers & Kubernetes

ステートフルな Kubernetes ワークロード向けの新しいストレージ オプション、Hyperdisk Balanced のご紹介

2024年4月30日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2024 年 4 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google Kubernetes EngineGKE)は、コンテナ化されたアプリケーションをデプロイして管理するための最先端のコンテナ オーケストレーション ソリューション プラットフォームとして登場しました。しかし、GKE の能力はステートレス マイクロサービスの実行に限定されているわけではありません。柔軟な設計により、永続ディスクや blob ストレージ プロダクト(Persistent DiskCloud StorageFilestore など)と緊密に連携して、データを存続させる必要のあるワークロードもサポートします。

また、さらに強力なスループットと高いパフォーマンスを必要とする組織は、Google Cloud の次世代ブロック ストレージ サービスである Hyperdisk を利用できます。Hyperdisk は、スタック全体を再デプロイすることなく、ワークロードに合わせて容量、スループット、IOPS 関連のパフォーマンスを調整できます。

本日は、GKE Hyperdisk Balanced ストレージ ボリュームのサポートについてご紹介いたします。Hyperdisk Extreme オプションと Hyperdisk Throughput オプションを結合し、基幹業務アプリケーションやウェブ アプリケーション、データベースなどの永続 SSD を利用することの多いワークロードに最適です。Hyperdisk Balanced は第 3 世代以降のインスタンス タイプでサポートされます。インスタンス タイプの互換性については、こちらのページをご覧ください

Hyperdisk とは

最初に、Hyperdisk でスループットを微調整することの意味を確認しましょう。IOPS や容量の調整についても解説します。

  • IOPS の調整は、ストレージ デバイスの 1 秒あたりの入出力オペレーション(IOPS)のパフォーマンスを調整することを意味します。Hyperdisk を使用すると、必要な IOPS のみをプロビジョニングでき、同じノード上の他のボリュームと共有されることがありません。

  • スループットの調整は、指定された時間内に転送または処理できるデータまたは情報の量を増やすことを意味します。Hyperdisk を使用すると、同じノード上の他のボリュームによる制限を受けることなく、特定のストレージ ボリュームに持たせるスループットを正確に指定できます。

  • 容量の拡張は、ストレージ ボリュームのサイズを増やせることを意味します。Hyperdisk は、必要な容量を過不足なくプロビジョニングでき、ストレージに対するニーズの拡大に応じて拡張できます。

Hyperdisk のこれらの機能には、次のような利点があります。

  • まず、柔軟性、使いやすさ、拡張性、管理によってステートフル環境を変革でき、費用削減につながります。管理上のオーバーヘッドのないストレージ エリア ネットワーク環境がいかに便利かを想像してみてください。

  • 次に、GKE ノードを支えるマシンタイプのサイズを適正化し、CI / CDセキュリティネットワーキングの機能と連携しながら GKE スタックを最適化することで、低コストのインフラストラクチャを構築できます。

  • 最後に、個々のノードとそれに必要な IOPS をきめ細く調整することで一貫性が確保され、予測可能性を得られます。また、Hyperdisk は、同じノードの帯域幅を共有するすべての PD からスループットと IOPS の要素を取り除き、その下にプロビジョニングされた Hyperdisk に配置するため、ML モデルの構築 / トレーニング / デプロイのファイン チューニングに使用することもできます。

従来の永続ディスクと比較すると、Hyperdisk のストレージ パフォーマンスは、アプリケーションが実行されているノードから分離されています。これにより、IOP とスループットの柔軟性が向上すると同時に、ストレージ全体のパフォーマンスがノイジー ネイバーによって影響を受ける可能性が低くなります。

GKE では、次のタイプの Hyperdisk ボリュームを使用できます。

  • Hyperdisk Balanced - ほとんどのワークロードに最適な汎用ボリューム タイプ。最大 2.4 GBps のスループットと 16 IOPS をサポートします。基幹業務アプリケーション、ウェブ アプリケーション、データベース、またはブート ディスクに最適です。

  • Hyperdisk Throughput - 費用効率に優れた、高スループット ワークロード向けに最適化されており、最大 3 GBps のスループット(128 KB IO サイズ以上)をサポートします。Hyperdisk Throughput は、スケールアウト分析(例: KafkaHadoopRedpanda)などのスループット指向のコスト重視のワークロードを対象とし、GKE Autopilot クラスタと GKE Standard クラスタでサポートされます。

  • Hyperdisk Extreme - 高い IOPS パフォーマンスを必要とする大規模データベースなど、IOPS パフォーマンスに特化して最適化されています。Standard クラスタでのみサポートされます。

GKE Hyperdisk を使ってみる

Hyperdisk をプロビジョニングするには、まず、ディスクを参照するのに必要な StorageClass がクラスタに読み込まれていることを確認する必要があります。必要な IOPS / スループットをストレージ クラスに追加することも、デフォルト値 3,600 IOP 140 MBps を使用することもできます(ドキュメント)。

GKE クラスタに適用する YAML

読み込んでいます...

StorageClass を構成した後は、それを参照する永続ボリューム要求を作成できます。

読み込んでいます...

Hyperdisk GKE ストレージを管理する

まとめると、Hyperdisk を使用すると、ワークロードが実行されているノードからディスクを分離することで、既存の PD SSD ボリュームの速度は保ったまま、特定のニーズに合わせて柔軟に調整できる状態で、クラウド インフラストラクチャのストレージ、スループット、IOPS、容量を制御できます。

詳細については、Next '24 の次のセッションをご覧ください。

以下のリソースもご確認ください。

-GKE、プロダクト マネージャー Spencer Bischof

-GKE、シニア プロダクト マネージャー Brian Kaufman

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