医療品販売企業の FFF Enterprises、Google Cloud での SAP を使用してパフォーマンスを 7 倍向上

※この投稿は米国時間 2021 年 3 月 9 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

適切な製品を適切な人に届けることが、生死に関わる重要な問題である場合に、ERP システムのパフォーマンスに不安を感じたくはないものです。そのため、COVID-19（新型コロナウイルス感染症）から命を守るためにも使用されている救命医療用のバイオ医薬品、血漿製品、ワクチンの大手サプライヤーである FFF Enterprises, Inc.（FFF）は、同社の中核的な SAP エンタープライズ アプリケーションを Google Cloud に移行することを選びました。FFF の SAP テクニカル マネージャーである Brian Wemple 氏は、次のように述べています。「当社の使命は、バイオ医薬品サプライ チェーンの安全を確保し、最終的に『医療対応を支援する』という目標を達成することです。当社は ERP システムに 100% 依存しています。ERP システムを当社の e コマース システム、集荷 / 梱包 / 出荷、ビジネス インテリジェンスと統合することで、ビジネスを運営しています。ERP システムは常に使用可能で、正確である必要があります。」

FFF のビジネスと評判は、セキュリティ、信頼性、パフォーマンスに優れたテクノロジー バックボーンを持てるかどうかにかかっています。同氏は次のように述べています。「当社のサプライ チェーンの安全性は最高水準です。創業から 33 年以上にわたり、偽造品を取り扱ったことはありません。医療従事者は、当社が患者の安全を最優先に考えていることを知っているので、安心して製品を購入できます。そのことに私たちは誇りを持っています。当社は必ずメーカーから直接購入するため、供給チャネルの誠実性が保証されます。」

FFF は 2016 年に、スケーラビリティの向上を期待して、SAP の Business Intelligence スイート、BusinessObjects（BOBJ）を含む同社の SAP S/4HANA オンプレミス アプリケーションを、プライベート クラウド上でホストすることを選びました。しかし、結果は期待外れなものでした。Wemple 氏は当時を次のように思い起こしています。「サーバーをアップグレードするには、変更を依頼してホスティング会社から作業範囲記述書の見積もりを入手し、その作業範囲記述書を承認してから、ハードウェアがプロビジョニングされて当社に引き渡されるまで待ったうえで、アプリケーションをインストール、設定する必要がありました。当社が求めていた迅速な対応ではありませんでした。」FFF は、しばらくの間、既存のインフラストラクチャで SAP を実行しましたが、コアスイッチの停止、サーバーの停止、マルチプロトコル ラベル スイッチング（MPLS）エッジルーターの停止などの問題が発生したため、同社のテクノロジー インフラストラクチャを再検討する必要があることを痛感しました。

Google Cloud と Managecore: SAP に関する豊富な経験

FFF はさまざまな選択肢を検討した後、古いホスティング プラットフォームから Google Cloud への移行を選びました。「当社の決断は、需要に応じてサーバーのスピンアップ、スピンダウンができることや、SAP と Google Cloud の間の強固な関係など、多くの要因に基づいていました」と、Wemple 氏は説明しています。FFF は、移行とそれに続く SAP と Google Cloud の継続的なマネージド サービスを、米国ウィスコンシン州を拠点とし、認定 Premier Google Cloud パートナーである Managecore に依頼しました。同氏は次のようにも述べています。「Managecore は当社の SAP 環境全体を担当するパートナーです。Google Cloud に関する同社の知識は、私がこれまでに話をした誰よりも優れています。同社はその優れた知識で、コスト削減とパフォーマンス向上の両方を実現するソリューションを提供してくれます。」

Managecore の最高技術責任者である Nick Miletich 氏は、次のように述べています。「Managecore チームは、何年もかけて培った SAP の技術的な専門知識と最先端のツールを活用して、厳格な時間制限内に FFF Enterprises の SAP から Google Cloud への移行を完璧に遂行しました。移行で Wemple 氏や FFF Enterprises のリーダーシップ チームと協力できたことは本当に光栄でした。今後も、当社が FFF の SAP 環境を Google Cloud 上で管理する中で、この協力関係は続きます。」

Managecore は、FFF が求めた 12 週間という厳しい期限内に Google Cloud への移行を完了し、さらに、SAP システムの可用性と信頼性の向上をサポートするよう、FFF の IT アーキテクチャをアップグレードしました。FFF は現在、BusinessObjects、Sales and Distribution、Material Management、FICO、Warehouse Management などの重要な SAP S/4HANA アプリケーションを Google Cloud 上で実行しており、これらはすべて Managecore が管理しています。

より高速で信頼性の高いインフラストラクチャで、パフォーマンスが 80% 向上

Wemple 氏は Google Cloud への移行について次のように述べています。「以前のプロバイダよりも低い月間コストで、SAP 環境の速度が 80% 向上しました。SAP アプリケーションの信頼性も以前よりはるかに高くなりました。稼働を開始して以来、停止は発生していません。当社にとってはまさに願ってもいない状況です。」

FFF の IT チームは、システムを保守したり、停止が発生することを心配したりする必要がなくなったため、より多くの時間とリソースを使い、イノベーションとサポートに集中できるようになりました。Google Cloud への移行は、高度な分析や、モノのインターネット（IoT）など、さらなるデジタル トランスフォーメーションにもつながります。Wemple 氏は次のように語ります。「当社は 2019 年 1 月に Google Cloud 上で稼働を開始して以来、Google Cloud で利用するサービスを拡大しています。現在では、BigQuery、Cloud Data Fusion、Kubernetes Engine、IoT ツールなどの Google Cloud テクノロジーを利用しています。これまで、Managecore が当社を支援し、すべてをまとめてくれています。」

とどのつまり、信頼できかつ対応の早いパートナーに中核的なシステムのホストと管理を任せることで、FFF Enterprises は目の前にある本来の重要な仕事をこなすことができると、Wemple 氏は述べています。「当社のビジネスは、迅速、確実、誠実に、命を救う医療品を販売することであり、ERP システムの心配をすることではありません。その理由とその他多くの理由から、Google Cloud との長年にわたる成功をもたらすパートナーシップを楽しみにしています。」

FFF Enterprises が SAP エンタープライズ アプリケーションの速度と信頼性を向上させた方法の詳細については、こちらの動画と導入事例をご覧ください。Google Cloud での SAP をご利用のお客様に関するその他の事例については、Google Cloud の YouTube チャンネルをご覧ください。