GKE ワークロード指標による Kubernetes アプリケーションのより的確なモニタリング
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 10 月 6 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
最近リリースされた 2021 年の Accelerate State of DevOps Report によると、最新の運用方式に秀でているチームは優れたソフトウェア デリバリーと運用パフォーマンスを報告する割合が 1.4 倍も高く、ビジネス上の良好な成果を報告する割合も 1.8 倍高いことが示されています。最新の運用方式の基本的な要素は、重要な指標の追跡、分析、アラートを行うためにモニタリング用のツールを設置することです。Google は本日、Google Kubernetes Engine(GKE)デプロイメントを従来よりも簡単にモニタリングできる新機能として、GKE ワークロード指標を発表します。
GKE ワークロード指標(現在プレビュー版)について
GKE で実行されるアプリケーション用に、GKE ワークロード指標のプレビュー版が公開されました。これは柔軟な構成が可能なフルマネージド型のパイプラインで、GKE 上で実行されるワークロードから出力される Prometheus 互換の指標を収集し、Cloud Monitoring に送信します。GKE ワークロード指標により、あらゆる GKE ワークロード、たとえば CronJob や Deployment などから出力される指標を簡単に収集できるため、指標収集のパイプラインの管理に時間を費やす必要がなくなります。収集する指標を構成するだけで、すべての動作は GKE によって行われます。
GKE ワークロード指標の利点は次のとおりです。
セットアップが簡単: kubectl apply コマンドを 1 回実行するだけで PodMonitor カスタム リソースをデプロイでき、指標の収集を開始できます。手動でのエージェントのインストールは必要ありません。
柔軟な構成が可能: スクレイピング エンドポイント、頻度、その他のパラメータを調整できます。
フルマネージド型: Google がパイプラインの保守を行うため、総所有コストを削減できます。
費用の管理: 指標を柔軟にフィルタリングできるため、Cloud Monitoring のコストを簡単に管理できます。
オープン標準: Prometheus Operator の PodMonitor リソースに従ってモデル化された PodMonitor カスタム リソースを使用して、ワークロード指標を構成できます。
HPA のサポート: Stackdriver Custom Metrics Adapter との互換性により、カスタム指標での水平スケーリングが可能です。
低価格設定: より直感的かつ予測可能で手頃な価格設定となっています。
Autopilot のサポート: GKE ワークロード指標は GKE Standard クラスタと GKE Autopilot クラスタの両方で利用できます。
すでに多くのお客様が、このシンプルなモデルからさまざまなメリットを得ています。
「GKE ワークロード指標を使用することで、カスタム指標のスクレイピングを行うために別の Prometheus サーバーをデプロイして管理する必要がなくなりました。管理はすべて Google により行われます。当社は面倒な作業なしに、カスタム指標がもたらす価値を有効に活用することに集中できるようになりました。」- ポルトガルの通信およびメディア企業 NOS SGPS S.A. 社のクラウド アーキテクト、Carlos Alexandre 氏
ご利用方法
GKE クラスタ内で GKE ワークロード指標パイプラインを有効にする方法は次のとおりです。
GKE ワークロード指標は現在プレビュー版であるため、必ず gcloud beta コマンドを使用してください。
収集する指標を設定する方法の詳細については、GKE ワークロード指標ガイドを参照してください。また、Stackdriver Prometheus サイドカーの GKE ワークロード指標への移行のガイドも参照してください。
料金
現在のところ GKE ワークロード指標を Cloud Monitoring に取り込んでも料金は発生しませんが、2021 年 12 月 1 日からは料金が発生します。詳しくは、Cloud Monitoring の料金設定をご覧ください。
Cloud Monitoring による最新の運用
GKE ワークロード指標が Cloud Monitoring に取り込まれると、グローバルなスケーラビリティ、長期間(24 か月)の保存オプション、Cloud Logging との統合、カスタム ダッシュボード、アラート、SLO モニタリングなどの優れた機能をすべて使用できるようになります。これらと同じ機能はすでに GKE システム指標でも使用でき、こちらは無料で、GKE クラスタからデフォルトで収集され、GKE ダッシュボードで使用できます。
ご質問がある場合や、フィードバックをお寄せになる場合は、Google Cloud コミュニティのオペレーション スイートのページをご覧ください。
- プロダクト マネージャー、Nathan Beach