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Google Maps Platform

次世代の Autocomplete のプレビュー版が利用可能に

2024年3月7日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/gmp-autocomplete_blog.gif
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2024 年 2 月 21 日に、Google Maps Platform blog に投稿されたものの抄訳です。

次世代の Autocomplete のプレビュー版を公開しました。Address Validation とシームレスに統合し、新しい Places API で拡張された場所タイプをサポートしています。また、料金設定もわかりやすくしました。プレビュー期間中は、すべてのデベロッパー様に無料でお使いいただけます。Autocomplete は、約半年前に発表した新しい Places API を基盤として構築しており、Text Search、Place Details、Place Photos、Nearby Search の新機能を利用して、皆様が構築するプロダクトの対象地域の有益な情報を簡単に表示できるようにします。

Google の Autocomplete の特長

Autocomplete を利用すると、文字入力時に店舗やスポットの候補が自動で表示されるので、ユーザーが探している場所をすぐに見つけられるようサポートできます。Autocomplete は、Google 検索のスピードを活かして 1 日 5,000 万回以上の更新頻度で 250 以上の国と地域をカバーする、世界屈指の正確性と網羅性を誇るモデルから住所を迅速に検索し、提案します。膨大な住所データだけでなく、営業時間、価格帯、ユーザーの評価など、2 億 5,000 万件以上の場所の豊富な詳細情報をユーザーに表示することもできます。

次世代の Autocomplete で強化された点

Address Validation とのシームレスな統合

今年の全世界における e コマースの売上高は 6 兆ドルに迫ると予測されています1が、e コマースの成長を妨げかねない課題の一つが、購入手続きの煩雑さです。実際に、オンライン ショッピングではカート全体の 70% が購入されずに放棄されています2。加えて、発送に関わる課題もあります。近年の調査によると、調査対象の買い物客の 71% が、オンライン注文の配送や配達で問題が起きたためにカスタマー サービスに連絡したことがあると回答しています3。こうした課題に対応するために Google が新たに開発したプロダクトが、Autocomplete with Address Validation です。購入手続きをより速く進められるので、カート放棄の減少や、買い物客のリピート率や顧客満足度の向上に貢献します。また、購入手続きの早い段階で住所の入力間違いを検出、修正することは業務効率の改善にもつながるため、迅速な配達、費用削減、配達ミスによる顧客離れの防止に役立ちます。このプロダクトのセッション 1,000 件あたりの料金(CPM)は $25 となっており、新しい Autocomplete API と Address Validation API を別個に使用する場合(セッション 1,000 件あたりの CPM が $32)と比較すると、かなりの費用を節約できます。

新しい Places API の拡張された場所タイプをサポート

次世代の Autocomplete は、新しい Places API で拡張されたすべての場所タイプをサポートしています。Places API で提供できる詳細と場所のタイプが増加したため、ユーザーは、おすすめの寿司店や近くのハイキング エリアなど、タイプ別に関心のある場所についての詳細な情報を検索できるようになっています。新しい Places API では、サポートされている場所のタイプの数が以前のバージョンの約 2 倍になりました。現在、コーヒー ショップや遊び場、EV 充電スタンドなど、約 200 の場所タイプに対応しています。また、場所ごとに最新のアクセシビリティ関連情報(車椅子対応の席、トイレ、駐車場など)を提供することもできます。

よりシンプルでわかりやすい料金設定

従来よりもシンプルでわかりやすく、ユーザーがオートコンプリート機能を使用する場面にマッチした課金体系にすべく、料金設定を変更しました。たとえば、ユーザーが購入手続きを毎回完了してくれるとは限りません。あるいは、受け取り場所を選択することや、誤ってブラウザを閉じてしまうこともあるでしょう。新しい Autocomplete のセッションベースの料金設定では、ユーザーがセッションを完了していない場合(検索ボックスに 1 文字だけ入力して、その後ブラウザを閉じてしまうなど)、Address Validation や Place Details を含んだセッション全体ではなく、Autocomplete リクエストに対してのみ課金されます。

現在提供している 3 種類の Autocomplete SKU と、それぞれの最も一般的なユースケースをご紹介します。

  1. 通販の購入手続きと配達 - Autocomplete with Address Validation プロダクトは、e コマースでのユースケースを想定しています。シームレスな購入手続きとスムーズな発送を実現でき、収益の拡大と顧客体験の向上を促進します。
  2. 新たな場所の発見 - Autocomplete with Place Details Preferred プロダクトは、ユーザーが場所を見つけられるだけでなく、豊富な情報を表示してその場所の詳細を確認できるようにしたいときに最適です。営業時間、ユーザーの評価、クチコミ、価格帯など、行き先を決めるための詳細情報を表示できます。
  3. ユーザーが探している場所を見つける - Autocomplete with Place Details Location プロダクトは、文字入力時に住所、店舗やスポットの候補を自動で表示し、選択した場所を Google マップに表示することで、ユーザーが探している場所をすぐに見つけられるようサポートする用途に活用できます。

Google Cloud サービスの新しいインフラストラクチャ

新しい Places API とともに提供される他のプロダクトと同様に、新しい Autocomplete には OAuth ベースの認証による最新のセキュリティ設定が備わっており、Google Cloud のサービス インフラストラクチャを基盤としているため、さらに安心して開発作業を行うことができます。この認証は、新しい Places API へのリクエストの API キーベースの認証の代替となりますが、API キーベースの認証も引き続きサポートされます。

次世代の Autocomplete を使ってみる

プレビュー期間中に、ぜひ次世代の Autocomplete を無料でお試しください。詳しくは、ドキュメント改定後の料金設定をご覧ください。新しい Places API について詳しくは、Google のウェブページドキュメントをご参照ください。

次世代の Autocomplete を利用するには、Google Cloud プロジェクトで「Places API (New)」を有効にしてください。Place Autocomplete ウェブサービスをご利用中の場合は、リンク先のドキュメントをご参照のうえ、API 呼び出しを次世代の Autocomplete に更新する方法をご確認ください。Place Autocomplete を Maps JavaScript API、Maps SDK for Android や Maps SDK for iOS 経由で呼び出している場合は、今後数か月以内にこれらのプラットフォームで次世代の Autocomplete をリリースする予定ですので、続報をお待ちください。

次世代の Autocomplete と Places API を使って皆様が何を開発しているのか、X では @GMapsPlatform、YouTube と LinkedIn では #GoogleMapsPlatform のタグを付けてぜひお知らせください。皆様が構築されるサービスを楽しみにしております。

出典

  1. eMarketer、2023 年 3 月
  2. Baymard Institute、2023 年
  3. UPS Capital、2023 年 4 月

-プロダクト マネージャー James Harrison

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