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Google Maps Platform

BigQuery の Places Insights が一般提供を開始: サイトの選定、市場調査、ロケーションのパフォーマンス評価などに役立つ、ローカルな現実世界のインサイトを発見

2025年11月4日
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Erika Yamasaki

Group Product Manager, Google Maps Platform

Dan Meyer

Product Marketing Manager

今年 4 月に、BigQuery の Places Insights のプレビュー版を発表しました。これにより、新しい店舗の出店計画、新市場への進出、ターゲット広告キャンペーンの展開など、情報に基づいて場所を決定できるようになります。このたび、不動産、小売、旅行、公共部門などのお客様向けに、BigQuery の Places Insights の一般提供を開始いたしました。

Places Insights のデータセットを使用すると、Google の豊富なプレイスデータを BigQuery 内で直接活用して、よりスマートで迅速な意思決定を行うことができます。地元地域に関する Google の深い知識と自社のビジネスデータを高いセキュリティのもとで組み合わせて、市場の全体像を把握し、実際の行動につなげることが可能になります。仕組みについては、デモをご覧ください。

Places Insights でできること

競争が激しい昨今、戦略的な成長には位置の把握が不可欠です。従来の方法では、複数のソースからの不整合なデータに対処し、古い情報や不完全な情報に苦労し、分析用のデータ準備に貴重な時間を費やすといったことがよくありました。BigQuery の Places Insights は、お客様の分析用のために集計されたインサイトを提供することで、これらの課題に正面から対処します。

Google の豊富なプレイスデータ(営業時間、場所の種類、価格帯、ユーザー評価などの属性に基づく、ビジネス、ランドマーク、名所に関する詳細な集計情報を含む)と、統計分析のための Google Cloud の BigQuery の強力で高度な分析機能を組み合わせたものです。これにより、以下の操作が可能になります。

最新で、最も包括的なプレイスデータにアクセス

  • Google の正確で包括的な世界中の 2 億 5,000 万か所以上の場所のデータセットは毎月更新されるので、これを活用して物理的な場所の動的な性質を把握できます。300 種類以上の場所のタイプと 70 種類近くの属性を分析して、あらゆる場所の微妙な特徴を把握できます。

  • Google は、POI データ(場所に関するデータ)を正確で最新の状態に保つために、Google スケールのリソースを投資しています。数千ものデータ パートナーシップ、ユーザー生成コンテンツ、レビューや写真、ビジネス オーナーから直接提供された情報、ストリートビューや衛星画像の AI 分析を活用して、POI データを検証、標準化し、分析可能なデータセットにしています。

安全な環境で作業

  • BigQuery 内のプライバシー保護環境で、自社のデータと Google のプレイスデータを安全に組み合わせて、機密情報を公開することなく分析を実行できます。

使い慣れたツールを活用

  • Google の集計データの統計分析を既存の BQ 環境に直接取り込み、使い慣れたツールを使用できます。また、BigQuery ML、Vertex AI、Looker などのツールを活用できます。

Place Insights の効果

組織はすでに Places Ingishts を利用して、ビジネス上の優れた意思決定をよりスマートに行っています。

インドに拠点を置く地理空間ソリューション企業 Lepton Software は、Places Insights を使用して、新しいサイトの選定に関する意思決定を改善しています。

Places Ingishts と Smart Market を連携し、世界中の POI カバレッジを得て、豊富な属性(評価、アクセシビリティ、営業時間)にアクセスすることができます。我々のツールは、この情報からより迅速に候補リストを作成し、的を絞った商圏分析に変換します。これにより、現場調査の費用を削減し、より適切な新規サイトの意思決定を行い、世界中の市場で自信を持って拡大し、一貫した成長で迅速な ROI を実現できます。

Umang Saraf 氏, Lepton Software

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Lepton Software の Smart Market ソリューションに統合された Places Insights

非営利団体の Global Earthquake Model Foundation は、Places Insights を使用して災害に対する計画と対応に役立てています。

医療施設や教育施設などの重要なアセットが空間的にどこに分布しているかを把握することは、災害への計画と対応に不可欠です。Places Insights は、地震リスクを計算して伝えることを使命とする Global Earthquake Model Foundation のような組織にとって、画期的なツールです。

Vitor Silva 氏, Global Earthquake Model Foundation

グローバルな地理空間ソリューション企業である Onigroup は、Places Insights を使用して新しい住宅開発の設計と計画を強化しています。

POI インフラストラクチャを理解することは、新しい都市を建設するうえで重要です。OniGroup は中東で Places Insights を幅広く活用し、既存の POI インフラストラクチャ、ギャップ、小売から交通機関への新しいリンクの構築の必要性を把握したうえで、新しい住宅開発(まったく新しい都市を含む)の設計と計画を強化してきました。これによって、複雑な、手作業による調査が不要になるため、計画にかかる費用を大幅に節約できます。

Martin Tiekle 氏, OniGroup、パートナーシップ担当グローバル責任者

グローバルなロケーション インテリジェンス企業である CARTO は、Places Insights を使用して、小売店の収益や商品の成功などの変数を予測しています。

CARTO は、Places Insights を使用して地理空間モデルを強化し、小売店の収益や商品の成功などの変数を予測できるようにしています。BigQuery で利用できるため、サービスのスケーラビリティが非常に高く、お客様は膨大なデータセットを非常に詳細に分析できます。これは、小売、日用品、レストラン チェーンなど、ビジネスの成長と拡大計画を推進するうえで位置情報データの把握が鍵となる市場では特に価値があります。

Antonio Hita 氏, CARTO、ソリューション エンジニアリング担当グローバル ディレクター

インドに拠点を置く地理空間ソリューション企業 Persistent は、Places Insights を使用して、クライアントがより多くの情報に基づいたデータドリブンな意思決定を行えるよう支援しています。

当社のチームは、Places Insights が地理空間分析における大きな進歩であると考えています。場所の密度、評価、運用傾向など、位置情報に基づく集計されたインテリジェンスを提供することで、お客様がより多くの情報に基づいたデータドリブンな意思決定を行えるよう支援します。データを正確にフィルタリングしてグループ化する機能は、消費者の行動や競合状況を把握するうえで非常に有効です。BigQuery とのシームレスな統合と柔軟なフィルタリング機能はその価値をさらに高め、このことはイノベーションとデベロッパー中心の設計に対する Google のたゆまぬ取り組みを反映しています。

Abhishek Kumar, ソリューション エキスパート、Persistent

戦略的な意思決定を可能にする: ビジネスの主なユースケース

BigQuery の Places Insights を使用すると、現実世界を強力に把握できるため、次のような幅広い戦略的アプリケーションが可能になります。

ロケーションのパフォーマンス分析: 既存のものを最適化

店舗によってパフォーマンスに差があるのはなぜだろうと思ったことはありませんか?Places Insights は、地理空間の特性と、それらが販売実績や不動産価値にどのように関連しているかを把握するのに役立つ統計データを提供し、より適切な意思決定を可能にします。

  • パフォーマンスとの相関関係: たとえば、ホテルチェーンは、各ホテルの所在地から半径 1 km 以内にあるレストラン、バー、観光スポットの数をカウントするクエリを実行できます。仮に、口コミ評価が高くて料金も手頃なレストランがたくさんある地域のホテルが営業成績を上げているならば、この情報を利用して、特定のホテルの立地に合わせて、活気のある地元の飲食店をアピールするマーケティングを行うなど、戦略的な意思決定に役立てることができます。

サイトの選定: 次の最適な場所を見つける

新しい店舗の出店、流通センターの建設、携帯電話基地局の設置場所の決定は、非常に重要な決断です。Places Insights は、次の方法で最適な場所を特定するのに役立ちます。

  • 可能性の高い市場の特定: 補完的なビジネスと競合するビジネスの集中度を、自社またはサードパーティのデータ(国勢調査情報など)と組み合わせて把握し、最も有望な市場を絞り込みます。たとえば、EV 充電企業では、食料品店、コーヒー ショップ、ショッピング センターが集中する地域を明らかにすることで、顧客が充電中に利用できる施設が十分ある場所を優先して充電サイトを設置できます。

  • カスタムの適合性スコアの開発: 独自のビジネスニーズに基づいてカスタマイズされたモデルを作成し、補完的なビジネスの密度や近隣の施設などを考慮して、さまざまな場所の適合性を簡単に定量化して比較できるようにします。

  • 有望な場所を可視化: インタラクティブなヒートマップを使用して有望な場所をすばやく特定し、潜在的な機会やサービスが行き届いていない地域を視覚的に即座に把握できます。

ジオマーケティングと広告: マーケティング費用をより効果的に

場所の特性を深く理解することで、マーケティング費用の運用効率を向上させます。

  • マーケティングをカスタマイズ: 周辺の施設やビジネスに関するインサイトを利用して、場所の特性に基づいて広告やマーケティング キャンペーンをカスタマイズします。これにより、適切な場所で適切なオーディエンスにメッセージを確実に届けることができます。たとえば、食料品配達サービスの場合、ウェルネス センターやヨガスタジオが多くある地域では、広告文を編集して「オーガニックで地元産」の農産物に焦点を当てることができます。

  • メディア戦略: 特定の種類のビジネスの集中に関するローカルなインサイトをメディア戦略の策定に活用することもできます。たとえば、スポーツ用品店は、ジム、公園、ハイキング エリアが集中している地域にデジタル広告と実店舗広告を集中させることで、健康志向のオーディエンスにリーチできるとわかります。

市場調査と競合ベンチマーク: 状況を把握する

成長には、競合状況と市場の可能性を把握することが不可欠です。Places Insights では、次のことが可能です。

  • あらゆる市場を定量化してプロファイリング: さまざまな業種や主要ブランドの密度など、市場の構成を深く理解し、あらゆる場所の独自の「商業的フィンガープリント」を作成します。

  • 競合状況を可視化: 単純なリストにとどまらず、競合他社の集中度を動的なヒートマップで表示し、地理的な強み、市場浸透率、さらに「空白地域」の機会を明らかにします。

  • 属性レベルの分析によるベンチマーク: 配送サービス、アクセシビリティ、営業時間、顧客の平均評価などの重要な運用属性に基づいて、競合他社と自社のサービスを比較し、市場で埋めるべきギャップを特定できます。

Places Insights の力をぜひご活用ください。

こちらのフォームにご記入ください。お客様のユースケースを教えていただき、Places Insights がどのようにお役に立つかをご覧に入れるために、追ってご連絡を差し上げます。また、ドキュメント ページでは、技術的な機能と、Places Insights の仕組みについて詳しく学ぶことができます。

-Google Maps Platform 担当グループ プロダクト マネージャー、Erika Yamasaki
-Google Maps Platform プロダクト マーケティング マネージャー Dan Meyer

 

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