マップのカスタマイズに関する最新情報
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 5 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: この投稿は、Google が毎年開催しているデベロッパー カンファレンスでの Google Maps Platform に関する最新のニュースをお伝えする、Google I/O 2023 シリーズの一部です。マップのカスタマイズに関する プロダクトの詳細については、 I/O セッションをご覧ください。
コミュニティから寄せられる要望で多かった機能の一つが、より高度なマーカーとスタイル設定の機能です。このたび、Maps JavaScript API 向けに、地理空間データセットのデータドリブンなスタイル設定機能のプレビュー リリースを開始します。この機能により、Google Cloud コンソールにおける地理空間情報データのインポート、保存、管理をサーバーサイドで行えるようになるほか、地理空間情報データをマップ上のポイント、ライン、ポリゴンとして可視化し、スタイル設定することもできます。また、Cloud ベースのマップのスタイル設定に新しく追加された 2 つの機能、行政界情報などの境界線のデータドリブンなスタイル設定と高度なマーカーが、Maps JavaScript API で一般提供になりました。
データセットのデータドリブンなスタイル設定で地理空間情報データをインポート、可視化、スタイル設定
これまで、地理空間情報データを可視化するには、クライアントサイドで大規模なデータセットを管理、保存する必要がありました。このため、インフラストラクチャの費用が高くなり、また、データを表示するにあたっては前処理が必要でした。また、カスタム オーバーレイを介して地理空間データセットを追加すると、マップのパフォーマンスが低下し、ユーザーがマップ上で移動やズームを行うときにデータの読み込みに遅延が生じます。
データドリブンなスタイル設定をデータセットに使用すると、GeoJSON、CSV、KML 形式の地理空間データを、地図上のポイント、ライン、ポリゴンとして簡単にスタイル設定して可視化できるようになります。この機能により、インタラクティブで情報豊かな視覚的エクスペリエンスの構築が容易になり、より多くのコンテキストをユーザーに提供できます。新しい Maps Datasets API を使用すると、Google Cloud コンソール経由で地理空間データをサーバーサイドにインポート、保存、管理でき、インフラストラクチャ費用の削減に効果的です。加えて、データアクセスの管理や、地理空間データの更新を常時どこからでも行えるようになります。データセットのデータドリブンなスタイル設定について詳しくは、ドキュメントまたはデモをご覧ください。当社のクライアントはたいてい、大量の地理空間データを管理しなければなりません。その取り扱いは難しく、特別な技術的知識を要します。データセットのデータドリブンなスタイル設定と Maps Datasets API により、このプロセスが簡単になります。クライアントは費用がかさむインフラストラクチャやカスタムコードを使用せずに、複雑な地理空間データを管理、表示、スタイル設定できるようになり、その結果、費用の削減とより良いユーザー エクスペリエンスを実現できます。
Google Maps Platform パートナー、Ubilabs 共同創設者、, Martin Kleppe 氏
少ない労力で分析情報を可視化
行政界情報などの境界線のデータドリブンなスタイル設定では、Google マップで使用されているのと同じ行政界情報とポリゴンを使用して地図を作成できます。行政界情報のデータドリブンなスタイル設定のプレビュー リリース以来、この機能を使用して、不動産、旅行、行政機関、医療、教育など、さまざまな業界の幅広いユースケースを実現してきました。行政界情報のデータドリブンなスタイル設定について詳しくは、ドキュメントまたはデモをご覧ください。
不動産業者向けに構築された米国を拠点とするデータ プラットフォームの Realtors Property Resource(RPR)は、データドリブンなスタイル設定を使用して、不動産業者が市場動向を地図上で簡単に可視化できるようにすることで、住宅購入者へのサービス向上を後押ししています。REALTORS® は、住宅購入者のために適切な物件を見つけることに尽力しており、市場動向を地図上で明確に把握できることは非常に有益です。データドリブンなスタイル設定により、市場動向の検索と地図上での可視化が容易になり、顧客へより良いサービスを提供できるようになりました。データドリブンなスタイル設定で強化された当社の全国規模の不動産データベースは、最小限の労力で有用な分析情報を生成できます。今後もデータドリブンなスタイル設定の活用を拡大し、地図のさらなる充実を図っていく予定です。
Realtors Property Resource、プロダクト担当シニア バイス プレジデント、, Janine Sieja 氏
カスタマイズされたマーカーを簡単に作成
高度なマーカーを使用すると、カスタマイズされた高性能なマーカーを簡単に作成できます。プレビュー版のリリース以来、さまざまな業界のお客様が高度なマーカーを使用して、ブランドの紹介や重要な物流情報の表示など、カスタマイズされたエクスペリエンスを創出しています。高度なマーカーについて詳しくは、ドキュメントとデモをご覧ください。
Rocket EntertainmentRocket Entertainment は、エルトン ジョンの最後の北米ツアーを記念し、臨場感あふれる L.A. のマップ エクスペリエンスを作成しました。これに、高度なマーカーと新しい Aerial View API が使用されています。
私たちは、エルトンがロサンゼルスとのつながりをファンと分かち合えるような、没入感のあるエクスペリエンスを構築したいと考えました。Google Maps Platform を使用することで、ベースマップのスタイル設定、高度なマーカーの追加、WebGL を利用した地図機能などを実現し、L.A. に用意しているさまざまなエクスペリエンスのビジュアル デザインと地図を完全に一致させることができました。エルトンのファンに気に入ってもらえると確信しています。
Rocket Entertainment、デジタル責任者、, Rory Newton Dunn 氏
Fr8app
Fr8app は、国際陸路輸送を簡素化するクラウドベースのマーケットプレイスで、トラック輸送パートナーに関する重要な情報を表示するために高度なマーカーを使用しています。
Fr8app は高度なマーカーを使用してトラック輸送パートナーに関する重要な情報を表示
Google Maps Platform は、その使いやすさと信頼性から、Fr8app の地理空間プロバイダとして群を抜いた存在でした。当社では、トラック輸送パートナーに関する重要な情報を表示するために高度なマーカーを、大量のデータを管理するためにマーカー クラスタリングを使用しています。これまでのマッピング ソリューションでは、カスタマイズやデータ マネジメントが課題でした。高度なマーカーの導入によってユーザー エクスペリエンスを改善し、ワークフローを合理化することができ、結果としてエンゲージメントを高めることに成功しました。
Fr8Tech、IT 担当ディレクター、, Alvaro Garrido 氏
データドリブンなスタイル設定と高度なマーカーを使ってみる
データドリブンなスタイル設定と高度なマーカーは、Maps JavaScript API 向けの Dynamic Maps に含まれる Cloud ベースのマップのスタイル設定に追加された新機能です。これらの新機能を使用してカスタマイズされた地図可視化エクスペリエンスを作成する方法について、詳しくは I/O セッションをご視聴ください。
外出先でのユースケースに対応するため、高度なマーカーとデータドリブンなスタイル設定を Android および iOS のネイティブ アプリに拡張する予定ですので、引き続きご注目ください。この機能により開かれるマップスタイル設定の新たな可能性に期待したいと思います。
- Google Maps Platform、プロダクト マネージャー、Alicia Sullivan