コンテンツに移動
Google Maps Platform

Kaebox: Google Maps Platform で配送の正確性とドライバーの利便性を向上

2024年6月14日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/kaebox-hero-jp.max-1400x1400.png
Dr. Mohammad AL-Abbadi

CEO and Founder of Kaebox

※この投稿は米国時間 2024 年 6 月 6 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 今回のブログ投稿は、Kaebox の CEO / 創業者である Mohammad AL-Abbadi 博士によるものです。Kaebox がどのように Google Maps Platform のモビリティ サービスを使用して配送の正確性とドライバーの利便性を向上させているかをご紹介します。

運輸ロジスティクスは経済成長のバックボーンとなるものです。消費者は、あらゆる規模の企業にスムーズで迅速な配送を期待しています。しかし、こうした期待に応えるために必要となる大規模な配送オペレーション行う余裕がすべての企業にあるわけではありません。Kaebox は、あらゆる企業ができる限り迅速かつ高い費用対効果を確保して商品を消費者の手に届けられるよう支援することで、世界規模の公平性をサポートしています。

当社の配送アプリは、お客様が配送のあらゆる段階をモバイル デバイスで運用化できるようにします。お客様は、ニーズと予算に応じてさまざまな宅配オプションから選んで集荷を依頼できます。荷物を運んでくれるのは、すでに配車サービスを提供しているドライバーなので、交通量の多いエリアにさらに配送車両を投入する必要はありません。こうしたドライバーの多くは宅配サービスの経験がまだ浅いため、ドライバーをあらゆる場面でガイドするための別なモバイルアプリを設計しました。

2022 年、当社はアプリの集荷場所と配達場所の正確性を向上させ、ドライバーの割り当てを最適化し、より信頼性の高いルートでドライバーがもっと早く移動できるようにしようと考えました。位置情報サービスを探した結果行き着いたのが、Google Maps Platform でした。

定刻どおりのスムーズなサービスを実現

ドライバーを誤った場所に誘導してしまうと、ドライバーの安全性や顧客満足度に悪影響を与えます。残念なことに、以前のマッピング ソリューションでは、こうしたことがたまに起きていました。不正確な集荷場所と配達場所が表示されたせいでドライバーが狭い道路や建物の裏側に進んでしまい、お客様を玄関で待たせてしまったことがあります。このため、配送プロセスに摩擦や遅延が生じていました。

Google Maps Platform がモビリティ サービスをリリースした際、当社アプリのマッピング機能の正確性と信頼性を高めるために、このサービスをどう利用できるだろうかと、すぐに興味を持ちました。Google Maps Platform パートナーの Searce の支援により、当社チームは世界規模で React Native アプリにモビリティ サービスをいち早く導入することができました。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/kaebox-1.max-1400x1400.png

お客様は顧客向けアプリ内でドライバーの詳細と到着予定時刻を確認できます

住所と位置情報のコンテキスト機能によって、お客様は Kaebox モバイルアプリ内の地図上にピンをドロップし、正確な集荷場所をリクエストできるようになりました。たとえば、お客様が大きな集合住宅全体の住所を入力するのではなく、自身の部屋に一番近い入り口を正確に示すことで、モビリティ サービスはそれに応じたドライバーのルートを計算できます。この機能により遅延が解消され、Kaebox がスムーズなサービスを速やかに提供できるようになります。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/kaebox-2.max-1400x1400.png

アプリが、集荷を待つお客様の場所へドライバーを誘導します

常に最適かつわかりやすい経路にドライバーを誘導

モビリティ サービスは、Consumer SDK による詳細な荷物の追跡も可能にします。集荷から配達まで、お客様は荷物のステータスを地図上で確認して、荷物が今どこにあるかを把握できます。ドライバー用アプリは Navigation SDK を使用して、リアルタイムの交通状況を考慮したターンバイターン方式の経路案内を提供します。ドライバーは、そのときに応じた最適な経路を選んで業務を遂行できます。特定の車種向けに最適化されたルートが提示されるので、到着予定時刻の正確性も向上します。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/kaebox-3.max-1400x1400.png

ドライバーがプロフィールで車種を設定することで、より正確な配送経路が案内されます

重要なのは、ドライバーの安全のため、これらすべての機能が同じアプリ内で提供されるという点です。これによりドライバーはアプリを切り替えることなく、注文依頼を受け、配送先に連絡し、ある場所から別の場所へ移動するという一連の作業を行えます。

IT チームの懸念事項と複雑性を排除

こうしたアップデートは、IT チームにもメリットをもたらしました。以前はアプリケーションのさまざまな機能を実現するために複数の API とサービスを利用していたのですが、そのせいで住所の確認からドライバーの割り当てまで、すべての API 呼び出しを個別に管理する必要が生じ、作業が複雑化していました。アプリケーションのパフォーマンスはこうした複数のサービス プロバイダの安定性に依存していたため、いずれかの接続点でサービスが停止するとアプリのサービスも停止していました。

Kaebox モバイルアプリのすべての機能を統合したことで、アーキテクチャ図を簡素化して、Google Maps Platform が、依存関係を持つ唯一のプロダクトとなる構成を確立できました。今では、世界規模で信頼性を提供する Google Cloud でアプリケーションが常時稼働するという安心感があります。

より短い移動時間で、より多くの荷物を配送

オペレーションをさらに最適化するため、当社チームは Searce と連携して、モビリティ サービス内のさまざまな機能をドライバーの割り当てプロセス向けにカスタマイズしました。受けとった集荷依頼に対し最も適したドライバーを割り当てられるようにするため、モビリティ サービスは依頼ごとに近隣地域にいるドライバーを表示し、リアルタイムの交通状況に基づいて各ドライバーの到着予定時刻を計算して、より早く目的地に到着できる可能性が高いのはどのドライバーかを特定します。

こうして特定したドライバーの中から、ドライバーの車両が荷物のサイズと重量に対応できるか、新しい荷物を積むスペースがあるか、ドライバーがこの新しい依頼に対応できるかをアルゴリズムが検証します。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/kaebox-4.max-1400x1400.png

ドライバーは割り当てられた荷物の種類、重量、寸法を確認できます

また、同じ配送ルート上にいる他のご依頼に対応中のドライバーとマッチングして、同一距離内で対応できる配送数を最適化することも可能になりました。その結果、ドライバーが同じ数の配達をこなすのに必要な移動時間が 14~18% 削減されました。

次に計画しているのは、サービスを拡大して世界中の個人や小規模企業が配送サービスをより安価に利用しやすくすることです。米国すべての州と準州、その後は国外でも、同日配送などの新たなサービスを提供できるよう取り組んでいます。Searce と Google Maps Platform は、こうしたことを可能にするうえで重要な役割を果たしていくことでしょう。

-Kaebox、CEO / 創業者 Mohammad AL-Abbadi 博士

投稿先