Google Maps Platform のアップデートで、無料で構築できるサービスを増やし、オンラインでのディスカウント適用を拡大
Tina Weyand
Senior Director of Product Management, Google Maps Platform
※この投稿は米国時間 2024 年 12月 9 日に、Google Maps Platform blog に投稿されたものの抄訳です。
これまで 20 年近くにわたり、食品の配達からタクシーの配車、店舗やレストランの検索、旅行、住まいの検索に至るまで、実に多くの企業が Google Maps Platform を活用し、便利で斬新な製品を構築してきました。現在、Google Maps Platform を使って構築されたウェブサイトやアプリの数は 1,000 万を超えます。 信頼性の高い Google のツールを活用し、ユーザエクスペリエンスの変革やオペレーションの効率化がなされ、できることが広がっています。
常に、最新の包括的な情報が手に入る Google マップは、世界で起こっている変化に後れを取らないソリューションの構築を可能にしています。事実、Google マップでは、2 億 5,000 万件を超える世界中の企業や場所に関する豊富な情報を確認できます。しかも、毎日 1 億件以上の更新が、ほぼリアルタイムで行われています。そして、ただフレッシュな情報を届けるだけでなく、私たちは常に革新に取り組み、これまでにない製品を市場に送り出しています。今年初めには、3D ソリューションの構築の簡略化、LLM のレスポンスを Google マップの情報に結びつけるサービスの開始、Navigation SDK によるアプリ内ナビゲーションの簡略化を実現してきました。
新たなプロダクトの提供開始にあたり、皆様に多くの新サービスを無料でお試しいただき、必要なプロダクトを簡単に見つけ、オンラインの自動ボリュームディスカウントを利用していただきたいと考えています。こうした改善は、2025 年 3 月 1 日から適用されます。
オンラインでのボリュームディスカウントを増やす
ボリュームディスカウントがいっそう簡単に適用されるようになります。これまで以上のボリュームディスカウントがオンラインで適用されるようになることで、利用の増加に合わせて自動的に割引が適用されていきます。このオンラインボリュームディスカウントは、ほとんどのサービスで従来どおり 20% から始まりますが、月間 500 万件を超えるリクエストで最大 4 倍 (80%) のディスカウントが適用されるプロダクトもあります。
無料利用範囲をプロダクト全体に拡大
来年の 3 月から、Maps、Routes、Places、Environment の API および SDK を含む各プロダクトに月間上限まで無料*でアクセスできるようになるので、無料で構築できるサービスを増やせます。具体的には、現在提供されている毎月 200 ドルの固定クレジットの代わりに、毎月最大 3,250 ドル相当の無料クレジットをすぐに、Google Maps Platform の全プロダクトで利用できるようになります。来るべきアップデートにより、これまで以上に魅力的なソリューションを構築したり、 API や SDK を無料で試したりできるので、開発の柔軟性が高まります。
これにより、新たなプロダクトが貴社のビジネスに適しているかどうかを事前に評価できるようになります。例えば、没入感のある情報豊富なユーザー エクスペリエンスを生み出すために、自社のアプリに Places の Nearby 機能や Dynamic Street View を組み込むことや、Routes API を使って概念実証の配信サービスを構築することを、大規模な投資を行う前に試すことができるのです。今回拡大される無料利用では、限度を超えなければ支払いは発生しません。そしてさらに、最も人気のある Google プロダクトの Maps Embed API と Maps SDK については、無制限の無料利用が継続されます。
例えば、あなたは不動産会社の社員だったとします。そして、物件探しをしている人に理想の地域を提案したいと思っているとしましょう。そうした場合、これまで試せなかったプロダクトも無料で試した上で、ニーズに最適な API や SDK を決めることができます。さらに、使用量が毎月の無料利用限度を超えなければ、どのようなソリューションでも無料で提供できます。不動産会社であれば、例えば Dynamic Maps を使って対象地域を視覚化し、次にデータドリブン スタイル設定を使用して、学区をデータ上で強調したり、平均的な家賃価格別に地域を色分けしたりします。さらに、Dynamic Street View を使って賃貸物件の周辺を探索しやすくすることや、Nearby Search や Place Details で公園やレストランなどの関連スポットを見つけやすくすることもできます。
無料利用の価値は、上記プロダクトの月間リクエスト数と標準価格設定に基づいています (2025 年 3 月 1 日のアップデート後も変わりません)。この表は一例であり、個々の結果は使用状況により異なる場合があります。無料利用とは、無料で利用できる毎月のリクエスト数を意味します。
ソリューションに最適な Google Maps Platform のプロダクトを簡単に見つける
今回、対象となる Google Maps Platform をわかりやすい 3 つのカテゴリー「エッセンシャル」「プロ」「エンタープライズ」にまとめました。これらのカテゴリーは、プロダクトをどれだけカスタマイズできるかや、どれだけ多くの機能が含まれているかに基づいて設定されており、様々なビジネスニーズや利用パターンに対応するように設計されています。それぞれのカテゴリーに毎月の無料リクエスト数が設定されており、カテゴリー間でプロダクトを組み合わせることも簡単にできます。
エッセンシャル: 初めての方に最適なカテゴリーで、Dynamic Maps や Place Details のような主要機能をエクスペリエンスに統合できます。2025 年早々に、低コストかつローコードな方法で、使い慣れた Google マップのインターフェースを貴社のアプリケーションに組み込むなど、追加機能から生まれるメリットがたくさんあります。毎月、SKU あたり 10,000 件のリクエストが無料になります。
プロ: 高度な機能を使って次のレベルを目指す方に最適なカテゴリーで、不確かな住所を検出する Address Validation や、ユーザーが POI の近くにある場所を見つけるのに役立つ Nearby Search を統合できます。毎月、SKU あたり 5,000 件のリクエストが無料になります。
エンタープライズ: ソリューションの管理性や柔軟性を最大限に高めるカテゴリーで、ビジネスに変革をもたらします。フリートのルート指定に利用できる Route Optimization や、最先端の地理空間エクスペリエンスを生み出す Photorealistic 3D Tiles など、強力なツールを利用できます。毎月、SKU あたり 1,000 件のリクエストが無料になります。
今後の予定
これらのアップデートはすべて、2025 年 3 月 1 日に提供を開始します。今回ご紹介した変更が予算に及ぼす影響を試算するには、価格設定計算機能をご利用ください。ご不明な点がございましたら、よくあるご質問もご覧ください。すでに Google Maps Platform をご利用いただいているお客様には、今回のアップデートについてメールでご案内を差し上げており、新たなサービスへの移行をサポートする情報等を今後も提供してまいります。
ぜひこの機会に Google Maps Platform を使って独創的なソリューションを作り上げてください。
*無料利用とは、無料で利用できる毎月のリクエスト数を意味します。
-Google Maps Platform、プロダクト管理担当シニア ディレクター、Tina Weyand