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Google Maps Platform

Cotral、Google Maps Platform を利用してバスサービスを改善 - 通勤者だけでなく環境にも配慮

2020年11月17日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 11 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

 編集者注: 今回の投稿は、Cotral S.p.A(Cotral)で技術分野部門の責任者を務める Paolo Castagno 氏によるものです。Cotral はイタリアのローマ近郊地域のバス運行会社で、Google Maps Platform を利用して、正確かつ便利なサービスを提供しています。

郊外や地方では、通勤や日常的な用事のために自家用車を利用するのが一般的です。しかし、大都市から郊外や地方へ移住する人が増えるにつれ、車通勤にこれまでより長い時間がかかるようになり、道路の渋滞も悪化しています。こうした問題に加えて、二酸化炭素排出への懸念の高まりもあり、公共交通機関が理にかなった選択肢となっています。このような状況においては、住んでいる場所にかかわらず、誰もが車以外の通勤手段をもって然るべきです。

Cotral のバスは、イタリアのラツィオ州で毎日何十万人もの通勤者や学生を運んでいます。私たちは、主要なバスターミナルから離れたところに住む人も含め、あらゆる人が便利で信頼できるバスサービスを利用できるようにすべきだと考えています。これを実現するために、数年前、乗客とのコミュニケーション方法の変更に踏み切りました。季節や時間帯にかかわらず、常に同じ運行スケジュールと経路を PDF 化して利用者に提供するというやり方では通用しなくなったのです。通勤者が求めているのは、その日の状況に応じて計画を立てて、時間通りに安心して目的地に到着できるような、リアルタイムの情報です。そこで当社は、Web Geo Services と共同で、Google Maps Platform を用いたソリューションの開発に着手しました。

通勤者が地点 A から地点 B に最速で移動できるよう、リアルタイムで情報を提供

まず取り組んだのは、バスの現在地や最寄りのチケット販売所をリアルタイムで見つけられるウェブサイトとアプリの開発です。そのために、Maps JavaScript API を使用しました。数年前は、乗客がバスの停留所で 30 分待った挙句、運行が 20 分遅れていると運転手から告げられることは珍しくありませんでした。それが今では、待ち時間が正確に 9 分だとわかるので、待っている間に最寄りの店に立ち寄ってバス定期を 1 か月分更新することなどもできるようになりました。移動時間を正確に提供することも可能です。

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このリアルタイムのバス運行表には、今いる停留所における定刻到着時刻、最新の予定到着時刻、バス番号などが表示されます。

Google Maps Platform から得られる豊富なマップデータのおかげで、乗客が正確に移動を計画できるようになっただけでなく、我々も交通状況の変化に応じたサービスを提供できるようになりました。たとえば、乗客が多い時間帯はバスの便数を増やし、運行スケジュール通りに快適なサービスを提供できます。さらに、Google Maps Platform データを用いた社内ツールも導入し、当社のコールセンターの社員が特定の地域や時間に関して詳細情報を提供できるようにしました。この新サービスを提供するようになってから、我々が実施した調査では、顧客満足度が 33% 上昇したという結果が出ています。

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Cotral のアプリには、最寄りのチケット販売所が表示されます。

Cotral では環境のサステナビリティの問題に取り組んでおり、人々が自家用車を使わずに移動する手段を提供することが私たちの最重要課題です。同時に、企業として二酸化炭素の排出量を減らしていくことが非常に重要であると考えています。Cotral の車両基地は 48 か所あり、1 万平方メートル以上のエリアにこれらが点在しているため、スタッフや整備士が基地間の移動に多くの時間を費やしています。こうしたスタッフをサポートするため、Distance Matrix API を使って最も効率の良い巡回プランを整備士に提案する社内アプリを開発しました。このアプリは、交通状況はもちろん、車両基地の規模やそこでの作業時間なども考慮に入れており、整備士の移動時間を大幅に削減することができました。また、バスの経路を注意深くモニタリングすることで、不要な走行距離を減らし、コストと排出量の両方を削減しています。

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乗客はバスを待ちながら追跡できます。赤で示されている点はバスの出発点と終点を、青い点は現在待っているバス停留所を表しています。

少人数チームでも導入やカスタマイズが簡単なソリューションを求めていた私たちにとって、Google Maps Platform 以外の選択肢は考えられませんでした。今後も、Google Maps Platform を活用してさまざまなプロジェクトを展開していく予定です。現在は、2021 年の第 1 四半期にリリース予定の新しい Cotral アプリの開発に取り組んでいます。この新しいアプリには、ユーザーにログインしてもらい、パーソナライズされた提案や、遅延やキャンセルのお知らせを事前に表示する機能があります。同アプリが軌道に乗ったら監視管制室を新設し、警察からの交通情報、一時的な通行止め、交通に影響するイベントなどのデータサービスと連携して、リアルタイムで経路を変更できる仕組みを整えていきたいと考えています。さらに、新しく採用した運転手や配属が変わった運転手を対象に、運行スケジュールおよび正確な経路を表示するモバイルアプリをリリースすることも計画中です。

公共交通手段を提供する会社として、数年前に比べ、通勤者の期待レベルがはるかに高くなっていることを実感しています。通勤者がネット接続やテクノロジーを使いこなしていくにつれ、質の高い、リアルタイムの詳しい運行情報が求められるようになってきています。さらに、最重要事項として、次世代に健やかな世界を引き継いでいくための本格的な取り組みも求められています。この 2 点が私たちのビジネスを牽引する優先課題であり、今後も Google Maps Platform を活用して、これらの課題に取り組んでいきたいと思います。

Google Maps Platform の詳細、ニュースレターの購読は、ウェブサイトをご覧ください

-Cotral S.p.A(Cotral)技術分野組織部門責任者 Paolo Castagno

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