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Google Maps Platform

Meet the Mapmakers: Ken Nevarez がテストの楽しさについて語る

2024年11月25日
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Ken Nevarez

Developer Relations Engineer, Google Maps Platform

※この投稿は米国時間 2024 年 11 月 7 日に、Google Maps Platform blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: Meet the Mapmakers は、Google Maps Platform を形作る人々にスポットライトを当てた新しいシリーズです。Google Maps Platform チームのマップメーカーがプラットフォームの現在と未来について独自の見解を語り、個人的な歩みについてのストーリーを共有してくれます。どうぞご覧ください。


小学生の頃、父が Apple IIe を家に持ち帰ってきました。掲示板システムで遊んでいたのを覚えています。家に 1 台だけあった電話機を手に取り、ダイヤルアップ モデムを使ってこれらの掲示板にログインしていました。何をやっているのか自分でもよくわかっていませんでした。母がプログラミング雑誌を買ってくれて、その裏には ASCII アートや簡単なテキスト アドベンチャーを作成するためのプログラムが載っていました。テストしたり、いじくりまわしたりして何時間も過ごしていました。このときの好奇心はずっと私の中に残っています。

Google での初期のキャリア

2010 年、Google に入社しました。私はテクニカル アカウント マネージャーとして YouTube チームで働き始めました(ちなみに、Rebecca Black の動画の一つを再収益化するのを手伝ったこともあります。大切な思い出です)。最終的に、市場開拓チームを経て Google マップにたどり着きました。チームは、お客様や経営陣の前で検証できるデモを作成できる人材を必要としていました。私は 1 年ほど、Google 内をうろうろしながらマップと組み合わせられるテクノロジーを探して過ごしました。とても楽しい時間でした。解決すべき問題がたくさんあり、素晴らしいテクノロジーもたくさんありましたから。

マップのマッシュアップをテスト

私が手掛けた最も初期の、そして最もエキサイティングなプロトタイプの一つが、Google Map Tiles プロダクトと Unity ゲームエンジンとのマッシュアップでした。それは、「こんなことができるだろうか?」というシンプルな閃きから始まりました。その後、概念実証を進め、「これを欲しがる人はいるだろうか?」と考えました。私たちは世界中を旅してゲーム開発者と話し合い、最終的にプロダクトの機能を具体化し、価値提案を洗練させ、顧客を見つけるに至りました。1 つのプロダクトに最初から最後まで携わることができたので、貴重で特別な経験でした。

独創的なアイデアは神話にすぎない

インパクトを与えるには、完全に独創的なアイデアを思いつく必要はないのだと気づくまで、しばらく時間がかかりました。アインシュタインだけが画期的な理論を提唱していたわけではありません。同時期に同じような考えを持っていた人は他にもいました。成功はアイデアの独創性だけではなく、実行力によって決まるのです。ときには、それを基に他の人が何かを構築できるきっかけとなることもあるでしょう。

たとえば、2017 年に私たちは、Smart Final の店内をカメラでマッピングしてみました。そのアイデアは、小売店の通路をカメラで撮影し、その映像が撮影された場所を特定して、その映像から実際に通路にあるものを抽出すれば店内マップを作成できるのではないか、というものでした。これは大失敗に終わりました。まったくうまく機能しなかったのです!ですが、5 年後に Google の別のチームがやって来て、それを成功させたことがわかりました。理由は、カメラの位置特定や画像の読み取りなど、あらゆる技術が進歩していたからです。今日経験した失敗が、将来の成功の土台になることもあるのです。

生成 AI とマップのハッカソン

つい先日、ハッカソンで生成 AI とマップをいろいろと試していました。その目標は、カー ナビゲーションと道案内をより人間的なものにすることでした。想像してみてください。たとえば車を運転していて、単に「A 通りを右折してください」と(とても機械的に)言われる代わりに、車のコンソールがストリートビューの画像を表示して、「では、緑の日よけと大きなオークの木のあるバイパスが見えたら右に曲がってください」と教えてくれたとしたら、そちらの方がより親しみやすいコミュニケーションですよね。世界中どこでも、人が移動するときは目印を頼りにします。誰もが自然にやっていることです。

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このルート ナレーション デモでは、ストリートビューと正確な経路により、ナビゲーション エクスペリエンスが向上しています。

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先日のマップと生成 AI のハッカソンで作成したルート ナレーション デモのスナップショット。

長いルートでは、ズームアウトして、「景色の良いドライブをお楽しみください。これから数時間、I-5 沿いにトウモロコシ畑が続きます」などの説明をしてくれます。また、道が不安になった場合は、「ねえ、正しい道を進んでる?」と尋ねることができます。まるで自分たちがどこへ向かっているのかを正確に把握している副操縦士がいるようなものです。この自然言語というものは、Google マップにとって非常に大きな意味を持つと心から思っています。私たちが持っているすべてのリッチデータを、はるかにわかりやすく親しみやすいものにしてくれます。

人生を変える決断

高校時代、大学のフットボール部にスカウトされました。それが私の人生の目標でした。それで私は大学に行き、フィールドに座って新しいコーチと話していました。彼は私に、専攻についてもう考えたかと尋ねました。私は建築学を考えていると答えました。彼は私に、建築学の研究室の要件は非常に厳しいと教えてくれました。フットボールをする時間がないかもしれない。そこで、建築のことは忘れようと思いました。代わりに、第 2 希望のコンピュータ サイエンスを選ぶことにしたのです。コンピュータ サイエンスの研究室の要件も同じくらい厳しいことがすぐにわかりましたが、それは私の人生で最高の決断の一つとなりました。

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フットボール選手として活躍していた若き日の Ken Nevarez。

振り返ってみると、子供の頃に Apple IIe をいじっていた頃から Google で革新的なプロダクトに携わるまでの私の歩みからわかるのは、好奇心としなやかさが成長の鍵であるということです。画期的な成功であれ、完全な失敗であれ、あらゆる新たな挑戦は限界を押し広げ、新たな可能性を生み出すチャンスとなります。閃くアイデアが最初のものや最高のものである必要はありません。大切なのは、探求し、テストして、アイデアを実現にまでもっていく勇気を持つことです。最もやりがいのあるイノベーションは、すべての答えを知っていることからではなく、あえて「もしも」と問いかけ、その疑問を全力で追求することから生まれるのです。

Ken Nevarez は、マウンテンビューを拠点とする Google Maps Platform チームのデベロッパー リレーションズ エンジニアです。

-Google Maps Platform、デベロッパーリレーションズ エンジニア Ken Nevarez

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