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Google Cloud

Google Cloud、通信業界向けの戦略を発表

2020年3月11日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 3 月 5 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

通信会社は、デジタル変革を果たさねばならないというプレッシャーにさらされ続けています。5G やネットワーク中心のビジネスモデルなどの業界を変革する破壊的テクノロジーの急速な進歩だけでなく、新しいコネクテッドデバイスやアプリケーションによって消費者の期待が著しく高まっています。ところが、こうした破壊的テクノロジーの多くは、ビジネスの変革に大きな可能性をもたらすものでもあります。そこで本日は、Google Cloud がどのように通信企業と提携して、このような機会を活かしていくのかをご紹介いたします。

Google Cloud は、次の 3 つの戦略分野に重点を置いて通信企業をサポートしています。

  • 通信企業がビジネス サービス プラットフォームとして 5G を収益化できるよう支援します

  • データドリブンな手段によって、顧客に効果的にアプローチできるよう支援します

  • コア通信システム全体の運用効率を改善できるよう支援します

5G をビジネス サービス プラットフォームとして収益化する

通信企業は、5G の力を通信ソリューションとしてだけでなく、ビジネス サービス プラットフォームとして活用できる大きな可能性を持っています。これを実現するために、本日 Global Mobile Edge Cloud(GMEC) 戦略を発表します。この戦略では、通信企業各社と共同製作した 5G ソリューションのポートフォリオとマーケットプレイスを提供します。また、ネットワーク中心のアプリケーションを開発するためのオープン クラウド プラットフォームと、ソリューションを最適にデプロイするためのグローバルな分散エッジ拠点も提供します。

本日、Google は AT&Tとの提携を発表いたします。この提携により、企業は AT&T のネットワーク接続(5G を含む)をエッジで使用して、Google Cloud のテクノロジーと機能を活用できるようになります。Google では現在、小売、製造、運輸などの業界向けに、5G エッジ コンピューティング ソリューションのポートフォリオをテストしています。このポートフォリオは、AT&T のネットワーク、Google Cloud の最先端テクノロジー(AI / ML や Kubernetes など)、エッジ コンピューティングを集結させて、企業がビジネスの真の課題に対応できるようにします。

AT&T のビジネス部門でエグゼクティブ バイス プレジデント兼最高マーケティング責任者を務める Mo Katibeh 氏は、次のように述べています。「当社は Google Cloud と提携して次世代のクラウド サービスを提供します。5G と Google Cloud のエッジ コンピューティング テクノロジーを組み合わせることで、クラウドの真の可能性が発揮されます。この度の提携で、クラウドとエッジのテクノロジーにより、まったく新しい体験ができる世界をお客様のために創り出す手段をビジネスに提供するということが、実現に近づいています。」

また、本日は Anthos for Telecom も発表いたします。Anthos for Telecom は、Anthos クラウド アプリケーション プラットフォームをネットワークエッジに拡張して、通信企業が最も合理的な場所でアプリケーションを実行できるようにします。Android はモバイル中心のアプリケーションのためにオープンなプラットフォームを提供しました。Anthos for Telecom も同様に、オープンソースの Kubernetes を基盤として、ネットワーク中心のアプリケーションのためにオープンなプラットフォームを提供します。

Google Cloud は通信企業と提携し、各社の通信ネットワークにすでにデプロイされている数千ものエッジ ロケーションに拡張することで、世界各国に分散しているエッジ拠点を素早く有効にできます。

AI / ML とデータドリブン インサイトでカスタマー エクスペリエンス変革を実現

顧客が習慣的に利用するコンテンツに合った提案を行ったり、モバイルデータ通信の消費パターンに基づいて最適な携帯電話やケーブル テレビの一括プランをおすすめしたりできるとしたら、いかがでしょう。Google Cloud では、通信会社がデータと AI ドリブンなテクノロジーを利用して、カスタマー エクスペリエンスの変革を実現できるようサポートしています。BigQuery プラットフォームは、機械学習が組み込まれたスケーラブルなデータ分析ソリューションです。これを利用して、通信会社はリアルタイムにデータを保存、処理、分析し、このデータをベースにパーソナライズされたモデルを構築できます。

Vodafone でビッグデータ デリバリー部門のグループ責任者を務める Simon Harris 氏は、次のように述べています。「よりお客様中心型のデータ活用を進めている当社のビジネスにとって、Google Cloud とのコラボレーションは非常に貴重なものです。Vodafone の製品やサービス全体にわたり分析機能が使えるようになっただけでなく、より素早くインサイトを得られるようになりました。このインサイトを活用して、お客様にさらにパーソナライズされた製品の提案や、サービス標準の向上に努めています。」

3,000 万人以上のモバイル顧客を抱えるイタリアの電気通信事業者、Wind Tre の CIO を務める Robert Visser 氏は、次のように述べています。「当社では、お客様に合わせてカスタマイズされたマーケティング キャンペーンやリアルタイムのパーソナライゼーション、人材獲得を実現するために、Google Cloud のデータ分析機能を利用しています。」

また、Google Cloud の Contact Center AI ソリューションは、電気通信会社のクライアントの皆様がコスト削減を図りつつ、カスタマー サービスを大幅に改善することに一役買っています。Contact Center AI を活用すると、迅速な対話形式のセルフサービスのカスタマー サービスを年中無休 24 時間提供できるようになります。より複雑な問題の場合は、人間のエージェントにシームレスに引き継がれます。人間のエージェントが対応している間も、顧客の意図を識別してリアルタイムで詳細な手順を提供し、継続的にサポートします。

他にも Google Cloud の AI と小売業向けソリューションも電気通信会社のクライアントの皆様にご利用いただいており、オムニチャネル マーケティング、販売とサービス、パーソナライゼーションとおすすめ、店舗の仮想エージェントといった、顧客のリテール エクスペリエンス変革に役立てられています。

通信会社の IT、ネットワーク、コアシステムの運用効率を改善

通信業界では、クラウド テクノロジーを取り入れて IT やネットワーク システムの変革を行う会社が増えています。この変革の動きを受け、かつては電気通信会社のオンサイトに配置されていた OSS(運用支援システム)、BSS(事業支援システム)、ネットワーク機能といったアプリケーションの多くを Google のプラットフォームに移行する事例が増加しています。このようにクラウドを活用することにより、お客様はクラウドベースのプラットフォームでコストの削減と IT の効率化を図れるとともに、コア通信ネットワークのネットワーク機能も仮想化できます。

こうした取り組みの一環として、Google は本日 Amdocsとのパートナーシップ提携を発表しました。通信サービス プロバイダのお客様は、Amdocs が Google Cloud で提供する市場トップクラスのポートフォリオの利用、および新たなデータ分析、サイト信頼性エンジニアリング (SRE) 、5G エッジ ソリューションを顧客に提供することが可能となります。

Amdocs で最高マーケティング責任者を務める Gary Miles 氏は、次のように述べています。「世界中でサービス プロバイダがクラウドを中心に据えた変革を開始し、新たなサービス、収益機会、ユーザー エクスペリエンスを推進しようとしています。当社のモジュール化されたクラウド ネイティブ ソリューションを、フルマネージドでハイパフォーマンスな Google Cloud と組み合わせれば、この移行を加速できます。」

本日 Amdocs と Google Cloud が合同で発表した市場開拓の取り組みの中で、Amdocs は同社が Google Cloud 上で提供しているデータおよびインテリジェンス システムの業務利用を Altice USA が開始したことも発表しました。Altice USA は、中核業務におけるインテリジェンスの活用を促進して顧客分析やカスタマー エクスペリエンスを向上させる取り組みをいち早く始めた企業の一つです。

また、Google はこれに加えて Netcrackerとも新たなパートナーシップを結び、同社が Google Cloud 上で総合的なデジタル BSS / OSS とオーケストレーション スタックをデプロイすることも発表しました。Netcracker を利用するサービス プロバイダはミッション クリティカルな IT アプリケーションをオンデマンドで購入できるほか、Google Cloud のリソースにも無制限にアクセスできるので、総所有コストの低減と新サービス提供の迅速化が可能となります。

Netcracker で最高技術責任者を務める Bob Titus 氏は次のように述べています。「Google Cloud でデジタル ポートフォリオを提供し、お客様に優れたクラウド プラットフォームをお届けできることをうれしく思っています。当社は Google Cloud とともにサービス イノベーションと優れたカスタマー エクスペリエンスの提供に注力し、お客様がデジタル変革の次の段階へと進むお手伝いをしてまいります。」

Google Cloud は通信業界との協力に力を惜しまず取り組み、デジタル変革を加速するためのパートナー、ソリューション、クラウド テクノロジー、オープンソース テクノロジーを提供します。通信分野における Google の取り組みの詳細については、https://cloud.google.com/solutions/telecommunications/ をご覧ください。

- By Google Cloud CEO、Thomas Kurian

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