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Gaming

近日公開、興奮を間近で: Call of Duty League と Google Cloud が e スポーツファンのために提供する新機能

2021年7月14日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 7 月 8 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

e スポーツでは、一流プレーヤーやチームが反射神経、戦略、チームワークを駆使してスピード感あふれる熱戦を繰り広げる様子を毎年、数百万人が手に汗握って観戦しています。多様なファン層が、e スポーツの躍動感に対して同じ情熱を共有しています。そして今、Google が Call of Duty League とともに取り組む画期的なプロジェクトによって、その躍動感に一段と磨きがかかろうとしています。

ファン、プレーヤー、コメンテーターが、ActivStats の有力な統計情報をリアルタイムで活用できるようになります。そこでは、プレイ中のゲームだけでなく、世界中のゲーマーにとって重要な統計情報が提供されます。ActivStats の使用によってライブ中継は現在の状況を伝えるという点でより詳しく多彩になり、臨場感あふれるトータル エクスペリエンスがまもなく実現します。

技術的にも、ActivStats は e スポーツにまったく新しい可能性をもたらします。統計カタログが常時更新され、これは、世界規模のさまざまなコンピューティング システムで利用しやすい方式で供給、分析、更新、配信されます。しかも、分単位や時間単位ではなく、ミリ秒または秒単位で可能になります。現在、処理のため、同様の統計情報の多くをファンが見ることができるまで 1 日以上かかっているため、それに比べると目覚ましい進歩です。

Call of Duty League は、ActivStats の利用を 2021 年のシーズン中に段階的に開始する予定です。第 1 段階には、プレーヤーやチームの戦績や勝率といった重要な情報が含まれます。仮想空間での対戦状況をさまざまな角度から掘り下げ、これらの数字が最終的なランキングにどう影響するのかも含め、広範な情報がアクセス可能となります。ActivStats では、統計情報を元データと可視化されたグラフィックスのどちらでも取得でき、実況担当のコメンテーターは、ファンが渇望する分析情報に瞬時にアクセスできます。

両社のエンジニアにとって、このサービスの構築はかつてない大成功を収めています。2020 年 2 月に Call of Duty とのスポンサーシップを締結したことで、Google の専任のゲーム エンジニアリング チームは迅速なイノベーションに取り組み、高速ネットワーキング、複数のクラウドソースからのデータ パイプライン、データ ウェアハウジングを取り入れた新しいソリューションによって、使いやすいダッシュボードを構築しました。この 4 月までには、コメンテーターのダッシュボードに本番データの取り込みが可能になりました。

e スポーツの中継は、通常のスポーツよりもあらゆる意味で複雑です。肉体を使うスポーツは競技場の定義が明確(単純な長方形の空間で行われるのが一般的)ですが、e スポーツは異なります。マルチプレーヤー型ゲームでは、複雑に広がるバーチャル環境で競技が行われ、大規模キャンパスや飛行場並みの広大なスペースに、複数の階層や隠れたスポットも存在することがあります。   

このような多様な空間の全体にわたって競技者間のゲームプレイが同時進行で繰り広げられます。さらに、各競技者は、使用する機器に応じて独自の構成を選択します。これは「ロードアウト」と呼ばれ、ゲームプレイや戦略に大きく影響するものです。オンライン ゲームのこうした複雑性にはすべてデータが深く関わります。そのデータを取り込んで解析し、示唆に富んだ分析情報としてファンに届ける必要があるのです。

ActivStats の運用においては、Google Cloud の 2 つのテクノロジーが中心的な役割を担っています。BigQuery は、ペタバイトの情報をリアルタイムで保存して、クエリを実行できる世界規模のデータ ウェアハウスです。ActivStats プラットフォームの基盤として、ミリ秒単位で統計情報を収集してまとめることができます。Looker は、分析情報を一目で把握できるダッシュボードです。e スポーツのコメンテーターは使いやすいリアルタイムのダッシュボードで分析情報を確認し、ライブ実況中にゲームプレイと同時進行で説得力のある分析や統計情報をファンに伝えることができます。

ActivStats の初回リリースでは、今シーズンの Call of Duty League に向けて有用性の高い優れた機能が提供されますが、それは Call of Duty League と Google Cloud による共同イノベーションの序章にすぎません。将来的には、競技場でゲームプレイのホットスポットをマッピングし、競技の経過に沿って機械学習でカメラの最適な設置場所を予測する仕組みの構築を計画しています。それにより、実況放送の制作者は、白熱するアクションを常に間近で感じられる体験をファンに届けることができます。また、Call of Duty League と Google は、統計や指標をブロードキャスト フィードに直接取り込めるようにする機能の実現も目指しています。

ActivStats のリアルタイム統計機能が持つ意味は、ゲームや e スポーツに留まりません。ゲームは歴史的に、コンピュータ処理、コンピュータ グラフィックス、広域ネットワーク、データ分析、インサイトによって実現できる最先端の機能を体現するものでした。同様に、ActivStats で使用されるリアルタイムのデータの取り込みや出力が、やがて他のスポーツ イベントのライブ中継の原動力となり、ライブ動画フィードとデータの融合が、メディアやエンターテイメント、医療、金融、製造、その他のサービスにおけるユースケースをサポートする日が来る可能性があります。Call of Duty League と Google の連携と、そこから生まれる大胆かつ斬新なソリューションが e スポーツやそれ以外のものにもたらすであろう可能性に、わくわくせずにはいられません。

Call of Duty League と Google Cloud のパートナーシップに関する詳細は、プレスリリースをご参照ください。

-ゲームのための Google Cloud 担当チーフ アーキテクト Rob Martin

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