DevOps の将来はどうなる?2023 年の Accelerate State of DevOps アンケートにご協力ください
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 5 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
過去 8 年間、Google Cloud の DevOps Research and Assessment(DORA)チームは、Accelerate State of DevOps Report を発行してきました。この年次レポートは、世界中の 33,000 人を超えるプロフェッショナルの意見をもとに、各組織(規模、業界、地域を問わない)における DevOps の実践パフォーマンスを向上させるうえで採用できるプラクティスや機能について独自の見解を示すものです。この種の調査としては最大かつ最長水準のレポートといえます。
本日は、2023 年 Accelerate State of DevOps アンケートに皆様を招待いたします。アンケートの結果は、次回のレポートの作成に活用させていただきます。前回までのレポートと同様、DORA の目標は、詳細な分析を実施することで、業界に照らして自らのパフォーマンスのベンチマーキングを行えるよう各チームを支援するとともに、各チームのパフォーマンスの向上に利用できる戦略を提供することです。そしてこれまでどおり、DORA はアンケートを通じて寄せられる皆様のご意見を頼りにしています。より多くの回答と有意な視点がデータに組み込まれるほど、結果はより有効、堅牢、正確で有用なものになります。
アンケートの前に、昨年学んだことと、今年検討しているテーマのいくつかを簡単にまとめましたので振り返ってみましょう。
2022 年の調査結果
2022 年 Accelerate State of DevOps Report では、セキュリティについて深く掘り下げました。注目すべき調査結果の一つは、組織のソフトウェア セキュリティ対策の最大の予測因子が技術的なものではなく、文化的なものであるということでした。より具体的には、パフォーマンスを重視する、信頼性が高く非難されることが少ない文化圏(Westrum の定義による)では、新興のセキュリティ対策を採用する可能性が大幅に高くなります。
しかし、最も驚くべき調査結果は、各組織の全体的な DevOps 能力が大幅に低下しているということでした。DORA は毎年、デプロイの頻度、変更のリードタイム、復旧時間、変更障害率という 4 つの主要なソフトウェア デリバリー指標に基づいて各チームを評価しています。結果は、低、中、高、エリート パフォーマーの 4 つのクラスタに分けられる傾向があります。しかし、2022 年のレポートでは、データに「エリート」クラスタは存在しませんでした。なぜでしょうか。この変化をもっとよく把握できるように、追加の調査を実施する予定ですが、現時点では、パンデミックがチームの知識共有、コラボレーション、イノベーションの能力を阻んでいることで、パフォーマンスの高いクラスタ数が減少し、パフォーマンスの低いクラスタ数が増加している一因となっている可能性があるという仮説を立てています。
2022 年には、DORA コミュニティからのフィードバックに応えて、初めて多言語でレポートを作成しました。2022 年 Accelerate State of DevOps Report は 11 か国語でダウンロードできます。ページ右上にあるプルダウン メニューから希望の言語を選択し、フォームに必要事項を記入して、ローカライズされたバージョンのレポートが届いていることをメールで確認するだけです。
今後の展望
今年のレポートでは、その他のテーマについても検討していきたいと考えています。
既存の調査結果に基づいた構築: DORA は継続的な改善に取り組んでいます。私たちは単に調査結果を発表して次に進むのではなく、継続的に仮説を検証し、データを再調査しています。昨年のレポートで判明した意外な調査結果のいくつかを再検討し、運用パフォーマンスの役割についての理解をさらに深めていきたいと考えています。
AI: 今やほとんどすべての人にとってのホットなトピックであり、このテーマが DORA コミュニティにどれほど浸透しているかを考えると、各チームが AI をどのように活用しているか、主要な成果にどのような影響を与えているかを把握する必要があります。
成果の拡大: DORA は、ソフトウェア デリバリーのパフォーマンスや組織のパフォーマンスだけでなく、個人のウェルビーイングやチームのパフォーマンスを捕捉する成果まで、関心のある一連の成果を拡大しています。
相互依存関係に関する調査: プロセス、文化、個人、構造、ツールはすべて複雑な方法で作用し合い、さまざまな成果を生み出しています。DORA は、こうした有意味なニュアンスを捉えるための分析を構築しています。
DORA は仮説に基づく方法でデータを追跡している(その場限りの分析を報告しているだけではない)ため、常に驚きや、予期せぬ有望なテーマにめぐり会える立場にあります。
2023 年 Accelerate State of DevOps アンケート
チームが優れたパフォーマンスに向けて取り組むなか、多様性と受容性のあるチームが最高の DevOps パフォーマンスを見せています。この研究プログラムは、バラエティ豊かな参加者からの恩恵を受けています。多くのご意見をいただけるよう、皆様にはアンケートへのご回答をお願いするとともに、ご自身のネットワークを活用してアンケートの周知にご協力いただければ幸いです。特にこの業界で取り上げられることの少ない部門に従事する方からのご意見をお待ちしています。
もちろんこのアンケートは、DevOps の段階、組織の規模、業界、自己認識に関係なく、あらゆる方を対象としています。回答に正解や誤りはありません。実際、アンケートの質問を見ると改善のアイデアが刺激されるというフィードバックもいただいています。アンケートの所要時間はわずか 15 分ほどで、2023 年 6 月 30 日深夜 0 時(太平洋夏時間)まで回答を受け付けています。
また、アンケートについてのご意見やご感想もお聞かせください。DORA コミュニティに参加すれば、DORA に関する最新情報を入手できます。DORA コミュニティは、仲間とソフトウェア デリバリーや運用パフォーマンスについて学び、議論し、協力する機会を提供します。皆さまのご協力をお願いいたします。
- DORA リサーチ担当リーダー Derek DeBellis
- DORA マーケティング担当リーダー Brenna Washington